良い本を沢山読んでいるのに駄目なやつっていうのは多い。
どういうやつかというと、すぐに不安になるやつだ。
言い換えれば、後ろ向きなやつ、マイナス思考のやつだ。
そういうのを一言でまとめると「心が弱い」になると思う。
そんなやつは、ちょっとうまくいかないと、あるいは、ちょっと悪い状況になると、たちまち不安になり、攻撃的になったり、周囲に親切そうな人がいると哀れっぽく頼ろうとする。
最近まで日本では、そんな状況には滅多なことではならなかったが、数ヵ月、お金が入ってこず、3日も食べられない状態になると、もうすっかりうろたえてしまう者が多い。
そして、今後は、日本でも、そんな者が多くなるかもしれない。
実際、今は、日本でも餓死する人が、年間で数百人もいるらしい。
だが、特殊な場合は別として、そんな人達は、餓死するより先に、不安に殺されているのだ。

イエスは、「鳥は働かないが、神はこれを養う。まして、お前たちは鳥よりもずっと値打ちがあるのだから、神が面倒を見てくれないはずがない」と言った。
私は餓死しかけたことはないが、どうにも困った状況になっても、いつも不思議に何とかなり、イエスの言うことは本当だなあと思ったが、当然、誰でも同じと思う。

楽天家を装ったり、引き寄せの法則を肯定しているようでいても、苦しくなると、すぐに挫けてしまうようであってはならない。
何とかなるのだ。

名女優のジョディ・フォスターが13歳の時に主演した『白い家の少女』という映画がある。
この映画のラストでは、ジョディが演じるリンという名の少女の美しい顔がずっと映される。
この若さで、表情だけで演技するジョディを見て、私は、つくづく、彼女は天才だなあと思ったものだ。
ちょっと、この映画のその状況を説明する。
リンという名の美少女は、ロリコンの変態のオッサンに、決定的な弱みを握られる。
それで、リンは、これまでは、そのオッサンを徹底的に避け、はっきりと強い敵意も見せていたが、逆らうことも、無礼な態度を取ることも、警察に頼ることすら出来なくなった。
ロリコンのオッサンにすれば、まさに、天国という状況だった。
オッサンは、ここまでくれば焦ることはないので、少女が一人っきりの家で、どっかりとソファーに座り、ご主人様気取りで、リンにお茶を入れさせる。
すると、ロリコンとはいえ、頭が良いオッサンは、リンが持って来た2つのお茶(紅茶)を、リンの前で入れ替える。毒が入っているかもしれないが、所詮、子供だ。
悠然とお茶を飲むオッサン。お茶を飲み終わったら、あんなことやあんなことを・・・と考えているのだろう。
その時のリンの顔が、ずっと映されるのだ。
リンの顔はさぞや怯えているかというと、リンの顔には何の不安もなく、微笑んですらいる。
まるで、今のトランプ大統領のふてぶてしさ、心の強さだ。
リンは、最初から微笑みを持っていたのだ。
『マスターの教え』で、マスターが言ったように、「正しい態度でいれば状況を支配出来る」のである。
私は、このリンの素晴らしい微笑みを忘れないようにしている。








  
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