ジークムント・フロイトの名前くらいは知っているという人が多いと思う。
フロイトは精神分析学の創始者と言われるオーストリアの精神科医で、無意識とか潜在意識を初めて科学的に定義した人だったと思う。
精神分析や心理学について知らない人でも、心の複雑な問題について、「フロイト博士によれば」という言い方を、真面目な話であっても、ジョークであっても違和感を持たないほど、人間の心の研究に関してフロイトの名は権威があるように思う。
だが、フロイトが批判されることも多い。
そりゃ、人間の心を科学的に研究するという、とてつもない困難に、人類で初めて科学的に取り組んだと言えるほどであるのだから、間違いだってあって当然である。
しかし、著名な心理学者のアブラハム・マズローが「私はフロイトを批判しているのではない。彼の研究をさらに深く探求しようとしているのだ」と言ったことが、後に続く研究者の正しい在り方を示していると思う。

ところで、フロイトは研究室の中で研究していたのではなく、精神科医として長時間、極めて真面目に患者の治療に当たっていたのだった。
全くの実践派であったのだ。
だが、実際に治療に成功した例はないと言われることもあるが、真摯な治療振りに対し、患者には大変に感謝されていたと言われる。
けれども、その、治療に成功した例がないというのも、一面的な見方で、精神の治療において、何をもって成功したとは言い難いと思う。
精神病の患者は、ある意味、極めて個性的であるが、それが、その個性を消して平凡な人間になった時に治療に成功したと言うなら、そんな治療はむしろない方が良い。
NLP(神経言語プログラミング)の共同創始者であるリチャード・バンドラーは、人間は、いわゆる普通の人から見て、いかに奇妙な信念を持っていても(自分が宇宙人である等)、別段、それが問題である訳ではないと述べていたが、私もそれで良いと思うのである。ただし、それが、他の人にとって歓迎されないような信念であれば、黙っていれば良いだけのことである。
そりゃ、「初音ミクは俺の嫁」と本当に思っている人だっていて良いと思う(私は思っていないが 笑)。

私は、フロイトの治療は有効であったと思う。
それは、フロイトは患者の額に手を当てながら治療を行っていたということから想像出来るのである。
なぜ、フロイトがそんなことをしていたのかは知らないが、経験的にそれが良い結果を生み出すことが解っていたのではないかと思う。
そして、もしかしたら、フロイトは患者の胸に手を当てた方が良かったのかもしれない(実際にはやったかもしれないが)。
ただ、胸では、女性患者の場合に支障があると思われる。
人間の手が持つ不思議な効果についての研究も行われているが、いまだ未知のことも多い。
しかし、手を、胸や額、あるいは、頭頂に置くことの効果は昔から知られている。
そして、これは、必ずしも他人にやってもらう必要はなく、自分でやっても良い。
やり方については、アレクサンダー・ロイド(心理学、医学博士)の著書『潜在意識を変えれば、すべてうまくいく』の中で、取り上げられているが、両手を胸の前で重ね、その手が胸にかすかに触れる程度に当てながら、時計回りに回す(反時計回りでも良い)ということをすれば、良い効果があり、困難な問題を抱えていた人が、これだけで治ってしまったこともあるという。
また、これは、額や頭頂で行っても良い(全部やるとさらに良いようだ)。
手を回転させなくても良いが、経験的に、回転させた方が効果は2倍ほど高くなるようだ。
これが、科学的、医学的に効果があるかどうかの証明は難しいと思うが、心を落ち着かせるとか、気持ちを切り替える効果がないとは思えない。
そして、あらゆる意味で、人間が幸福に生きていけるかどうかは、気分が良いか悪いかだけの問題であり、人間は生きている限り、悪い気分になることは避けられないので、そんな時、気持ちを切り替えられるかそうでないかで運命が決まるということに対し、現在の人類は、あまりに無知であるように私には思える。
この無知が、人類のあらゆる不幸を作ってきたし、今も作っている。
ロンダ・バーンの『ザ・シークレット』が偉大な書である理由は、引き寄せの達人達の多くが、この気分の問題を主張していることを明らかにしたことだと思う。








  
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