江戸時代末期に、黒住宗忠(くろずみむねただ)という神道家がいた。
私は、この宗忠に関する本を4冊ほど見たが、これほどシンプルに幸福というか、成功への道を示し、自ら実践していた人はいないと思う。
しかも、宗忠の場合、平凡な幸福から、イエスのように、難病を治したり、嵐を鎮めるといったミラクルも自在に「引き寄せ」た。
彼のやり方は、本当は、極めて簡単であり、誰でもすぐ出来るはずのものだと思う。

彼の人生の大転換期となった重要な出来事がある。
彼は神社の三男坊だが、いろいろあって家を継いだ。
そして、妻子もいる30歳を過ぎた頃、両親が相次いで亡くなって悲観し、病気になってしまう。
病気はどんどん重くなり、もはやこれまでという状態にまでなった。医者にも見捨てられたようだ。
死を受け入れた宗忠は、最後に神を拝そうと思い、入浴させてもらい、座って、太陽神、天照大神の化身である太陽に向かった。
すると、心に何かが起こって事態は好転し、どんどん病気は治り、完全に健康になってしまった。
この時、何が起こったかは、神秘体験のように考えることも出来るし、伝記の著者には、「よく解らない」と正直に述べていた人もいたと思う。
だが、陽気になったということは間違いなさそうだ。
宗忠の教えは、一言で言えば、「陽気になる」ことと言っても良いのではと思う。
敬愛する両親が相次いで亡くなったことをきっかけに病になり、ずっと、心が陰気で、ついには死の直前にまで至ったが、入浴し、温かい太陽の光に照らされていい気分になった時、陽気の大切さを思い知ったのだと思う。
陽気であること、つまり、いい気分であることが、何より大切なのであると思う。
最近、よく書いているが、ビートルズが『I FEEL FINE』という歌を作り、他の多くの曲でも、feel alright、feel fineなどという言葉をよく使ったように、feel fine(いい気分)こそが人生で最も大切なものであることを明るく訴えていたと思う。
そして、『ザ・シークレット』のDVDの一番最後は、著者ロンダ・バーン自身が砂浜に『FEEL GOOD(いい気分)』と書いて締めくくったように、やはり、いい気分こそが成功、幸福の鍵なのだ。
ただ、陽気とは別に大騒ぎをすることではない。
むしろ、大騒ぎしてストレス解消したつもりで、その後、陰気になってしまうことも多い。
1人静かに座り、1分間微笑んだ方が、本当に陽気に、いい気分になれるのであると思う。

宗忠も、人生が難航している人に、無理にでも笑うことを薦めた。
当時の武士であれば、おかしい時でもなかなか笑わないのに、何もないのに笑うというのは、かなり難しかったと思うが、宗忠の指示に従い、夜中に1人で、最初は苦労しながらも、何とか笑い続けた者は、皆、悩みを消すことが出来た。
繰り返すが、宗忠の教えはただ、「陽気になれ」で、より現代的に、あるいは、ビートルズ的に、あるいは、ザ・シークレット的に言えば、「いい気分でいろ」だけと言って良いと私は思う。
宗忠の研究者的には、それではいけないのだろうが、彼の教え実践する身であるなら、それだけで良いと思う。
そして、陽気になる、いい気分でいるには、とにかく、笑うことである。
アメリカの心理学の父、ウイリアム・ジェイムズが言ったように、「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せになるのだ」である。
私は、より笑い易くなるよう、ガッツポーズをお薦めしたい。
元気がないなら、世界最高のラグビーチームである、ニュージーランド代表オールブラックスの試合前の踊りであるハカでやるように、あるいは、ヨガのライオンのポーズでやるように、舌を大きく出すことだ。なぜかそれでエネルギーが溢れ、笑い易くなるだろう。
陽気になれば、いい気分になれば、いかなる引き寄せも自由自在である。








  
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