人間の思考は、大脳皮質の約200億のニューロン(神経細胞)が、シナプスにより化学的・電気的に様々な強度で複雑に結合することで行われていると考えられているが、そこまでなら、現在のAIは同じことを行っていると思われる。しかし、人間は、AIには不可能な、論理的には得られるはずのない解答を一瞬で出す直観とか閃きと呼ばれる現象を起こす。AIは、高度な解答(実際には解答の推測だが)を出すには時間がかかるのだ。
人間の直観の中でも、高度なものを啓示、天啓などと言うが、それは、「神の声」とでも言うべきものであると思う。
世界的数学者だった、岡潔が、鎌倉時代の禅僧、道元の『正法眼蔵』を全く意味が分からないまま読み続けたが、20年後、天啓が訪れ、一瞬で『正法眼蔵』の全てが理解出来たという話がある。これは、20年の間、岡潔の頭の中で、『正法眼蔵』の情報が意味付けされ、組み直されたというのではなく、脳内の「神」(あるいは、「神」と通信出来る脳内の機能)との間の扉が開いたのだと思う。
脳には、AIにはない量子的な機能があると言われ、例えば、イギリスの8月8日生まれで現在(2020年6月6日)88歳の数学者・物理学者、ロジャー・ペンローズが、量子脳理論の仮説の1つを立てている。
人間の脳は、AIとは比較にならない、神秘で複雑なものであり、その機能は分からないことだらけと言って差し支えないと思う。我々が、岡潔のように『正法眼蔵』を20年読んでも、天啓は得られないかもしれない。ところが、一度読んだだけで、そんなことが起こるかもしれない。また、天啓そのものは同じでも、受け取る人によって意味は異なるかもしれず、さらには、それを使った場合には、全く別の作用を引き起こすに違いない。
天啓は、神秘体験の代表的なものだが、今朝も書いた通り、長い緊張状態から解放された時に、それは起こる。岡潔の場合、『正法眼蔵』の意味が全く解らないストレスに耐え続けることが緊張を生み、ほんの僅かな部分が解って緊張から解放された時に、一気に全体が解ったのであると思えるのである。
説明を省くが、啓示を得る良質なストレスを持つ方法は、次の2つである。
1.辛いことに前向きに耐える
2.自分の好みを誰にも押し付けない










当ブログオーナー、KayのAI書。
AIは、「思考するマシン」ではなく「推測するマシン」です。
現代のAIは、恐るべき推測能力を発揮することが出来ます。この能力を使えるか、そうでないかで、努力の成果が大きく変わります。
権力者や大企業は、この力を既に手中にし、さらに、拡大しようとしています。このまま手をこまねいていては、我々は彼らの奴隷になる恐れがあります。
この本では、数学もプログラミングも必要とせずに、誰でもAIを作れるようになることを目指しました。しかも、面白く練習出来るよう配慮したつもりです。
  
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