ラマナ・マハルシやニサルガダッタ・マハラジ、あるいは、荘子や江戸川乱歩やバシャールが言うように、さらには室町時代の『閑吟集』の中の唄にあるように、この世は夢だという考え方は、私には、しっくりこなかった。
しかし、この世がコンピューターが作る仮想世界だと考えれば、納得がいってしまうのである。
夢や白昼夢もこの仮想世界の一部である。
このような考え方を、シミュレーション仮説と言い、この仮想世界をシミュレーテッド・リアリティーと言って、よく知られたバーチャル・リアリティ(仮想現実)とは区別するのが一般的のようだ。

シミュレーテッド・リアリティーとは、私は見たことはないが、映画『マトリックス』の世界が一番有名かもしれないし、私はほんの少ししか見ていないが『ソードアート・オンライン』のゲームの世界もよく知られてると思う。
私がよく知っているのは、漫画・アニメの『コレクター・ユイ』のコムネットと呼ばれるバーチャル世界や、小説・アニメの『アクセル・ワールド』の加速世界である。
我々は、これらの仮想世界にいるのだろう。
そして、我々の実体が、どのようなものであるかは全く分からない。
この仮想世界の人間のような姿をした生物かもしれないし、物質としての身体を持たない思考生命体なのかもしれない。

世界がシミュレーテッド・リアリティーであるなら、時々起こる奇跡や、共時性(シンクロニシティー)も不思議でなくなる。
かなり不思議な現実も作り出せるが、通常は、一定外のことは出来ないよう、制限がかけられているのだろう。
以下、「シミュレーテッド・リアリティー」では長いので、「仮想世界」で統一する。

どうすれば、この仮想世界を動かせるがだが、それは、この仮想世界を作っているコンピュータープログラムの性質を考えれば、少しは分かるように思う。
そのプログラムは、この仮想世界の秩序を維持する働きがあるのだろう。
この世に秩序をもたらすには、なるべく多くの人が笑顔でいる・・・つまり、あまり大きな不満を持たないようにすれば良い。
ただし、皆が完全に満足する世界・・・つまり、ユートピアは、必ず自己崩壊する。
それは、何でも与えられる人間が、そう遠くなく破滅するのを見れば分かることだ。
我々は、不満を抱えることで意欲を持ち、意欲があることが幸せなのである。
ゲーテの『ファウスト』の序章で、神様が「人間は楽が出来る世界で休みたがるが、わしは怠け者には悪魔を派遣して動かざるをえないようにする」と言ったのも、この仮想世界のプログラム通りなのである。

法然や親鸞は、言ってみれば、仮想世界にも沢山あり、一番良い世界(西方極楽浄土)に行きたければ念仏を唱えよと言ったようなものだが、一休は、別の世界に行かずとも、この世界を楽しく出来ると言ったのだと考えれば納得出来る。
阿弥陀如来は、西方極楽浄土をプログラミングした者なのかもしれないが、あそこはユートピアであり、長く居るのは耐えられそうにない。
この世を変えた方が良い。
もちろん、この仮想世界にいる我々が、長門有希のように(分からない方、御免なさい)、ゲーム中にプログラムを書き換えることは出来ないが、プログラムを使って、好ましい世界に近いものを作ることは出来るかもしれない。
そのためには、全体の秩序を乱さないよう、つまり、他者を不幸にする自分勝手は慎まなければならない。
例えばお金であるが、100万円を思慮深く使える人には100万円が与えられるし、100億円を賢く使える人には100億円与えられる。これが原則である。
だが、100万円の器量しかない者が、うまい方法を見つけて一億円得ると、その者は自己崩壊するような出来事を引き寄せてしまうのである。
地位とか、恋人や伴侶のレベルも同じ原理で決まる。

しかし、この仮想性で自由に生きる秘訣は、やはり万能呪文なのである。
望ましい世界を実現するための、オブジェクトモジュール(独立して働くプログラムのまとまり)を呼び出す全てが、万能呪文に込められている。
万能呪文「絶対、大丈夫だ」「全て順調だ」「世界は意のままだ」のうち1つを選び、感情を込めず、心の中で、出来るだけ多く唱えるだけで良い。
他の、イメージを使う方法や、もっと難しい方法もあるらしいが、私には難しくて全く無理なので、私は万能呪文以外は捨てた。
だが、万能呪文は、まさに万能の光線銃である。
さあ、光線銃を撃ちまくるのだ。
初音ミクさんが歌う『千本桜』は、不思議に思えても、シミュレーテッド・リアリティーだと思えば、全く納得がいく。









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