私は今、夏季休暇中であるが、Amazonプライムビデオのdアニメストア(月額400円)で、『俺の妹がこんなに可愛いはずがない』を2度も観た。
この中で、ヒロインの桐乃(きりの。女子中学生)が、陸上をやるためにアメリカ留学するところがあるが、桐乃は世界とのレベルの差を思い知らされる。
世界陸上メダリスト(400mハードル)の為末大さんによれば、「アスリートは才能が99%」らしいが、それはだいたい当っていると思う。
では、才能から考えれば、勝ち目がない桐乃はどうすれば良いかというと、やはりアファーメーション(心を鼓舞するような言葉を唱えること)しかない。
人間は、潜在的に予想外の驚異的な力を持っており、我が子を救うために、普通の主婦がサンダル履きのまま、オリンピック選手以上の速さで走った実例もあるようだ。
オリンピックでも、全く期待されなかった選手が驚くべき活躍をした例も、いくつも見つかるだろう。
桐乃が、もし、勝利を意味するアファーメーションを常に頭の中で唱えていれば、何かが起こるだろう。
それは、おおよそ2つの場合になるだろう。
1つは、急速に力をつけ、世界レベルにまでなること。
もう1つは、別の分野のスポーツ、あるいは、スポーツ以外の何かの才能を見つけ、能力を発揮する。

アファーメーションは自己暗示と同じ、もしくは、似ているが、自己暗示が驚異的な効果を上げることはよく知られている。
フランスのエミール・クーエのところに、自分で歩くことも出来ないほど、脚の機能を失った男が運び込まれたが、10分後には、その男は、外を元気に走り回っていた。
クーエは、自己暗示を活用することにより、そのような奇跡的治癒を、ごく普通に行っていたことで知られている。
クーエの「私は毎日、あらゆる面でますます良くなっていく」は普遍的自己暗示で、これだけ覚えていれば、他は何もいらないと言われることもあるが、それほど目覚しい効果を上げたという話は、あまり聞かないように思う。
1つには、クーエは、この言葉を、言葉のリズムなども深く配慮して作ったが、それは、あくまでフランス語の場合で、英語でも、それなりに良い言い方が出来たらしいが、日本語にはあまり向かないのかもしれない。
日本の歴史の中でも屈指の思想家だった安岡正篤によれば、英語などのヨーロッパ言語は表音言語だが、日本語は表意言語で、両者は根本的に違うし、それを使う人間の精神も、かなり違うと考えて良い。
クーエの普遍的自己暗示は、フランス語と英語では、

(仏)Tous les jours, à tous points de vue, je vais de mieux en mieux.
(英)Every day, in every way, I'm getting better and better.

で、フランス語の方はさっぱり分からないが、英語のリズムの良さは、よく分かると思う。
私は、日本人の場合、文章より、単語でアファーメーションをすることが向いている場合が多いと思う。
文章の場合も、短ければ短いほど良い。
英語で"I believe in miracles(私は奇跡を信じる)"というアファーメーションは、日本語では「奇跡は起きる」と短く言えるし、さらに、「奇跡」だけで優れたアファーメーションになる。

アファーメーションの、スポーツや戦争における効果は、クラウド・ブリステルの『信念の魔術』の「自己暗示」の章に事例が豊富にあるが、ブリステルが紹介するアファーメーションの言葉が多岐に分かれる傾向があるのに対し、クーエの場合は、たった1つの言葉に集約した点は非常に優れている。
アファーメーションが効果を上げない大きな理由は、アファーメーションの言葉を2つも3つも、さらに、それ以上持ってしまうからである。
少なくとも、根本的なアファーメーションを1つ決め、それを十分に多く唱えなければ効果は出ない。
特に、表意言語である日本語の場合、1つの言葉で極めて広い意味を持つので、アファーメーション自体を1つにするのが好ましい。それが出来れば、日本人が最も高い力を持つ可能性が高いと思う。
ただ、ヨーロッパ言語でも、単語を象徴的に捉えるような人の場合は同じかもしれない。









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