徳川家康が本当にそう言ったかどうかは全く分からないが、こんなことを言ったという話がある。
「人が天下を選ぶのではない。天下が人を選ぶのだ」
これは、天下人になりたければ、天下から選ばれる人になれということと考えて良いと思う。
家康が言ったかどうかはともかく、これは当たり前で自然なことだ。

では、どうすれば天下に選ばれる人になれるかについて、家康は言わなかったか、あるいは、言ったのだが、誰も理解出来なくて、その本当の秘訣は伝わっていないのだと思う。
そこで、松下幸之助も、家康並に天下を取ったと言って差し支えないと思うが、やはり、こんなことを言ったことになっている。
まず、松下幸之助は、これからの変動の大きな世の中では、会社も蓄えを持っていなければならないと言う。世の中が変われば、減益の期間があることは避けられないからだ。
では、どうすれば蓄えが持てるかというと、蓄えが欲しいと望むことと言ったらしい。
多くの人は、それを聞いて笑ったらしいが、真面目に受け取った人の中には、松下幸之助に近いほど成功した者もいる。

もっと核心に触れた話が、ジョン・マクドナルドの『マスターの教え』にあったと思う。
豪華な客船の船長は、その船の船長という地位にうまく同調している。しかし、彼は、その船の船主にはとてもなれないと思っている。
しかし、船長と船主の違いは、呼び名だけだ。
船主という地位に同調すれば、容易く船主になれる。

何かを望むとは、その望むもの所有者の地位に同調することだが、皆、同調の仕方を知らないのだ。
おかしなことに、『マスターの教え』にも、肝心なことは書かれていない。書かれていたら、皆、船主のようなものになっている。
同調・・・チューニングというからには、周波数のようなものだが、とりあえず、心の周波数と言っておくと、所有者の心の周波数にチューニングすれば、欲しいものはむこうからやって来る。
家康も、ある意味、天下の方から転がり込んできたのだろう。

同調するとは、まず、その地位を得ることを決心すること。
決心するとは、その地位にあることの責任を取る覚悟をすることだ。
天下人の責任は途方もなく大きいが、それを受け入れる覚悟が出来ているってことだ。
まあ、当然、どんな覚悟が必要か知らなければどうしようもない。
イチローのようなスポーツ選手になりたいなら、まず、最低の責任としては、毎日大変な練習をしなければならない。
普通の人の楽しみのほとんどとは無縁になる。
そして、その先には、凡人には分からない大きな責任がある。
CLAMPの『ツバサ・クロニクル』で、「時の魔法使い」侑子が小狼(シャオラン)に、
「対価を払う覚悟があるか?」
と問い、その対価が何かを聞かないまま、小狼は「払う」と即答する。
小狼は、絶対に願いを叶えたかったし、そのためには、どんなことでもするつもりだった。
その態度を侑子は誉めた。
イチローになると、どんな責任を背負い込むかは想像も出来ないが、それでも、それを受け入れる覚悟があれば、イチローになれるだろう。
私は昔、誰かとの会話の中で、「イチローになるなんてまっぴら御免。神様が、イチローと交換してやると言っても断る」と言ったことがある。
まあ、少しは分かっていたのだ。私に、イチローになる器はない。
『BEATLESS』で、レイシアに「責任を取って」と言われたアラトは、やっぱりどんな責任になるかは分からなかったが、それを了承する。
彼も、小狼に似て大したものである。

Mitchie Mさんが制作した、初音ミクさんの『アイドルを咲かせ』の以下のセリフは、上で書いたことを秘めた大変な暗号と思う。

ラジオ・ウェーブが奏でる音符は
ドがFM で レがAM
ミとファの間(はざま)にチューニング
ソラシのビジュネルは G.O.D(ジー・オー・ディー)
エレキの歌に託し ありがとうは常に伝えたい。
~『アイドルを咲かせ』(作詞・作曲・編曲:Mitchie M。歌:初音ミク)より~











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