ジャズ・トランペット奏者の日野皓正さんが、指導している男子中学生を平手で叩いたことで大騒ぎしている人達って誰なんだろう?
確かに暴力は良くないが、日野さんは74歳のおじいちゃんらしい。
いかに高名な演奏家で、相手が子供でも、威圧するほどの貫禄がなくなっているので、つい手が出たのではないかと思うし、それほど本気で叩いた訳でもないようだ。

サラリーマンでも職人でも、普通に長く働いている人で、あれを見て騒ぐ人って、まあ、いないと思う。
私だって、確かに、あまり良いものを見たとは思わないが、私の直接的な感想はというと、
「ちっとも大人になれない自分が嫌になることは多いが、あんないい年になっても、やっぱり同じなんだな」
である。
そして、結論はこうだ。
「実社会での理不尽は、あんなもんやない」
つまり、サラリーマンのお父さんは、あの程度ではない理不尽に耐えて、家庭に「お金を運んでいる」のだ。

教師の生徒に対する不適切発言というのが大騒ぎになることも、最近は多い。
しかし、それらのほとんどが、やはり、
「実際の社会の理不尽さは、その程度じゃない」
のであり、子供は、アホな教師に鍛えられた方が、社会で必ず出会うはずの本物のアホに耐えられると思うのだ。

思想家の吉本隆明さんが著書の中で、だいたいの意味で、
「教師を反面教師にして鍛えておかないと、実際の社会でやっていけない」
といったことを書かれていたと思うが、全くそういうことなのである。
そして、吉本さんは書かれていなかったが、教師が外面がいい人であることを強要されるようになってから、ロリコン・変態教師が増えてきたのではないかと思う。
ロリコン・変態教師って、外面(そとづら)は抜群なのである。

私は、ひきこもり明けに初めてやった仕事が家庭向けセールスで、少なくとも私の場合は、下々の者がやる賎しい商売だったと私は思う。
そんな下々の仕事では、「そんなもんやない」ことは、毎日いくらでもある。
ある時、同僚の20歳の若いセールスウーマンの女性が、外回りから帰って来て、ある家での商談のことを話していた。
「そこのお父さんが、『そのスカートめくってくれたら買ってやる』と言うんだけど、本当に買ってくれるんなら、こんなスカート、いくらでもめくるんだけどなあ」
と言って、キャラキャラ笑っている。
そのお父さん、言うだけで買いそうもなかったからめくらなかったけだという訳だ。
彼女も、学歴や容姿で勝負出来ない、下々の道を歩まねばならない人だったが、それを自覚していた分、逞しいのだと思う。
そして、世の中、こんなの当たり前である。
ところで、一流大学の大学院を出て、海外に留学までした、しかも美人の若い女性を見て、あのセールスウーマンとの境遇の違いに深い感慨を持ったが、でも、そんなエリートでも、あの「下々の」女性のような強さがなければ成功なんて出来ないのであると思う。

以上、まあ、下々の者の意見、いや、ひがみ・・・である。









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