教育というものは、人間の頭に知識と理屈を入れれば、その人間は賢くなるという大誤解を疑わずに、それを何千年も続けてきた。
だが、頭に知識と理屈を詰め込めば、「賢い人」ではなく、「おかしな人」が出来るのは、誰でも知っている。
そりゃ、賢い人の中にも立派な学歴がある人もいるが、そんな人達は例外なく、学校教育からうまく距離を取っている。

AI(人工知能)の研究で、優れた人の知恵は理屈でないことが、やっと分かった。
2006年以前のAIは、理屈と知識で作られていたが、ひどく無能・・・というか、奇妙だった。
だが、2006年以降の、人間のように学ぶAIは、以前は考えられなかったが、実用になってしまった。知らない人も多いが、そこらに溢れているのだ。
そして、AIは間違いなく人間を追い越す。
それは、2040年から2050年の間と言われているが、いずれにしろ、それは「あっという間」のことになる。

では、知恵は、理屈と知識ではなく、何によって出来るのかというと、「沢山のものごとの共通項を抽出したパターン」、すなわち、概念だ。
無理に覚えようとせずに学ぶと、概念が頭の中に形成されて賢くなる。
だから、優れた概念、強い概念を作れば本当に賢くなる。
そんなことは、最高のAI研究者であったマービン・ミンスキーに、世界最高の数学教師と言われた、数学者、心理学者、コンピューター科学者、AI研究者で、いずれの分野でも大きな業績を上げたシーモア・パパートが何十年も前から言っていた。
ところで、ここで重要なことがある。
パパートは、こう言ったのだ。
「強い優れた概念を持つためには、何かに惚れこまなくてはならない。私は平凡な能力しかないのに、数学やコンピューター等の研究で大きな成果を上げられたのは、幼い時に歯車に惚れ込んだからだ」
ところが、子供が何かに惚れ込むと、それが試験の点数に結び付きそうにないと、あらゆる手を使ってそれをやめさせるのが「教育」だ。それは、「狂育」と言うべきだろう。学校で幅を利かせているのは「狂育」である。

あなたは、何か、惚れ込んでいるものがあるだろうか?
食欲や性欲に関することは駄目だ。
まあ、それらも、創作のエネルギーに転換すれば、むしろ、より強い概念になるが、ちょっと難しいんだ。
偉大な人っていうのは、100パーセント間違いなく、何か特別に好きなものがある。
もちろん、彼らの好きを真似する必要はないし、してはならない。
他人にはつまらなく見えても、自分が好きなら価値がある。
偉大な人間の「好き」にも、一般的には卑小と見られるものも多いので、彼ら(偉大な人達)が、自分の好きなものを語らない場合も珍しくはない。
というか、他人の「好き」なんて、大概、下らないものだ。
だから、あなたも、黙って何かに惚れ込むことだ。
そうすれば、天才と変わらなくなるだろう・・・いや、それが天才なのである。









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