動物は、生まれてから一定期間は、脳が完全な受容状態になっているらしい。
ひな鳥は、目が開いて初めて見る、ダイナミックに動くものを親と思い、その真似をして、生きる知恵を得ようとする。
だから、ひな鳥が最初に見た大きく力強く動くものが人間だったとしたら、ひな鳥は、その人間について回って、その人間のやることを真似する。
ある人が操縦する小型飛行機と一緒に、大勢のカモが飛ぶ様子をテレビで見たことがあるが、これらのカモは、その飛行機を操縦する人間を親だと思っているのだろう。

人間の場合、3歳くらいまでが、そんな受容的な学習期間で、その間に脳に刷り込まれたことは、一生変わらずに残る。
親が乱暴者なら自分も乱暴者に、卑怯者なら卑怯者に、勉強好きなら勉強好きに・・・というふうに、基本的な人間性が出来上がる。
だから、勉強嫌いで怠け者の親が、いくら子供に英才教育を施そうとしても無駄なことであるのだと思う。
強盗の常習犯が、「いや、これは親に刷り込まれた性分が起こしているのであって、私の責任ではないのですよ」と言えば、確かにその通りであるが、そんな言い分は通用しない。
犯罪のニュースで、「犯人は、全くの自己中心主義で、思慮、思いやりに欠け・・・」と言っても、それも、3歳までの家庭教育の結果であり、ある意味、犯人も被害者であり、さらに言えば、その親も自分の親に不適切な脳の刷り込みをされてしまったのだろう。

だが、言うまでもなく、「育った家庭環境が悪かった」と言っても、どうにもならない。
ハンデのあるパーソナリティを背負ったまま、なんとかうまくやっていくしかない。
漫画家の水木しげるさんは、幼い頃に迷信深い祖母と接したおかげで、偉大な妖怪漫画家になったが、平凡な生き方・・・例えばサラリーマンになっていたら、厄介者になって務まらなかったかもしれない。
作家の中にはよく、「俺は作家になれたから良かったが、そうでなければ、本当にロクでもない者になっていたと思う」と言う人がいるが、それが自己分析による正直な気持ちだろう。
そもそも、サラリーマンに向いているようなのが作家になれたりはしないだろう。
漫画家のこげどんぼさんのように、OLと漫画家を両立しているような人もいるが、特殊な例外と考えるべきだろうし、完全に普通のOLというわけでもあるまい。

あなたも、自分の「好き」に逆らってはならない。
ただし、クリエイティブな「好き」を引き出すには、情動的な「好き」を抑えなければならない。
酒に目がなく、「俺の脳は酒好きが刷り込まれているのだ」といえば、その通りかもしれないが、それに平伏すだけでは愚か者の一生にしかならない。
エドガー・アラン・ポーも、酒好きの刷り込みはあったのだろうが、同時に、作家になることに向いた刷り込みもあり、そちらも引き出すことが出来たのだろう。
だが、酒好きの対策を怠り、常に貧窮で、ついには40歳の若さで亡くなってしまった。

最近、このブログでよく取り上げるダイアネティックスは、原理的には脳の刷り込みも消せる。
だが、消すべきではないと思う。
そうではなく、大切なことは、脳の刷り込みの悪い活動を抑えることだ。
どんな刷り込みが悪いのかというと、自然でないもの、人為的なものだ。
おそらく、現代の全ての人間には、不自然な刷り込みがかなり入っていて、誰もが転落の危険を秘めているはずだ。
そして、完全に転落しないまでも、ほとんどの人が、惨めで苦しい状況にあるのだろう。
刷り込みは、癖に現れる。
そこで、「癖のようなもの」をあえて常時行い、不自然な刷り込みが活性化されるのを抑えるというのが賢いやり方だ。
例えば、口元や頭の中で、脳の負担にならない程度に呪文を唱え続けたりである。
言ってみれば、脳の不自然な刷り込みがコンピューターウイルスで、呪文が、その活動を抑えるワクチンソフトだ。
だが、この脳のワクチンはウイルスを殺せない。
抑えるだけである。
法然は1日中、念仏を唱えていたので、厳しい状況の中で、当時としては驚異的な80歳まで健康に生き、しかも、最後まで頭脳明晰だった。
その弟子、親鸞は、法然ほど念仏を唱えていないように言っていたが、それでも、頭の中には念仏があったのだと思うのだ。それで、親鸞は90歳まで、やはり、極めて聡明で、健康に生きられたのだと思う。
以前も言ったが、「私」という言葉を真言として、常時、頭の中で繰り返すのは良いやり方であると思う。
あるいは、「ナ・ダーム」といった、何の想念も起こさせない言葉を使うという手もあると思う。

尚、根本的な性質や好き嫌いが劇的に変化することもあるにはあり、それも説明は出来ると思うが、非常に複雑なので、今回は省くし、そう気安く書けることでもないとだけ言っておく。









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