本日(2016年4月6日)午後1時から、史上初のインターネット高校であるカドカワN高等学校の記念すべき、第1回目の入学式が行われた。
沖縄で行われたこの入学式は、ニコニコ生放送で中継され、一部の生徒も出席し、生徒達はヘッドマウントディスプレイを渡され、必要な時に装着した。
今回、N高等学校に入学するのは1,482人のようだ。
※追記: 生徒達は、東京六本木のニコファーレに集まり、本校のある沖縄とネット中継されていた。

N高等学校校長の奥平博一氏、内閣府特命担当大臣の島尻安伊子氏、KADOKAWA会長の角川歴彦氏ほか、多くの方々が挨拶をされたが、どの方も、長々と退屈な話をすることはなく、面白い話をされる方もいたと思う。

その中で、比較的長い時間だったと思うが、N高等学校理事に就任した、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏のお話が良かったと思う。
話の趣旨としては、「人生で最も大切なものは友達だ」というものだった。
鈴木氏は、宮崎駿監督と38年の間一緒に仕事をしてきたが、仕事では朝から晩まで一緒なのだが、仕事だけでなく、旅行なんかも一緒に行くのだそうだ。
そんなことが出来るのは、やはり宮崎監督とは友達であるからなのだという。
鈴木さんにとって、宮崎監督は素晴らしい友人なのだろう。
そういえば、B'zの2人が、昔のTV番組で、休みの日に一緒に映画を見に行くといった話をされていたのが、冗談ぽくもあったが、印象的であった。彼らも友達なのだろう。
鈴木氏は、勉強ももちろん大切だが、このN高校で、素晴らしい友達を見つけて欲しい・・・そんなことを言われたのだろうと思う。

私は鈴木氏の話を聴いて、今まで一度も思い出すことはなかった、自分の高校の入学式のことを思い出した。
特に校長とか教頭というのではなく、比較的若い教師だったと思うが、ある教師が登壇して話された。
その教師が、やはり、この高校で良い友達を作って欲しいという話をし、彼は、「今、隣にいる人を、安心して友達にして下さい」と言ったのを思い出した。
それを聴いて、その時は、私は希望を感じたということも思い出したのだ。
ただ、本当に、それ以降、一度も思い出さなかったのだが。

そして、そんなことより、平坂読氏の『僕は友達が少ない』で、転入してきた小鷹が、三日月夜空と初めて話した時に、しみじみ言った、
「どうしたら出来るんだろう、友達…」
と言ったのも思い出す。
だが、小鷹達は、その後で、素晴らしい友達が出来たのだが、私には、そのようなライトノベル的展開はなく、友達は出来なかったなあ。
もちろん、入学式の時、隣にいたやつのことなんか、ちっとも覚えていない。

それはともかく、鈴木氏が、頼まれて、N高等学校の生徒のために筆で書いた書には、こう書かれていた。

どうにもならんことはどうにもならん
どうにかなることはどうにかなる

私には、これと似た、好きな言葉がある。
それは、昔、超念力で知られた石井普雄氏が著書に書かれていた、

なるようにしかならない
しかし、なるようにはなる

という言葉だが、鈴木氏の書かれたものと、だいたい同じ意味と思う。

ただ、これらの言葉は、そう言われて、「なるほどそうですね」と納得するような言葉じゃあない。
なるようにしかならないことに抗(あらが)い、なりもしないことをならせようと、お日様相手に剣を抜いて挑み、負けて、焼かれて落ちて分かることだ(『ハチのムサシは死んだのさ』の歌詞を引用した)。
それに、なるかならないかは、やってみないと分からない。
石井氏も、鈴木氏も、やる前から「だめだ」と思い込んで諦めろと言った訳ではもちろんない。
本当のところ、どんな意味かは、自分で掴むしかない。
あえて言えば、無謀な勝負に挑む時に、落ち着くために役に立つ言葉かもしれない。
「どうせなるようにしかならないんだ。だから、余計なことを考えず、思い切って行け。なるものならなるだろうさ」
といった感じである。

そして、心残りだったこと。
KADOKAWA会長の角川歴彦氏は出席され、祝辞も述べられたのに、ドワンゴ会長で、おそらく、このN高等学校設立の最も中心的な人物のはずの川上量生氏が影も形も見えなかったこと。
まあ、予想はしていたし、単に引きこもりだからというのではなく、出ない方が良いという感じもしないでもないが、この日本の歴史的にも重要な場に、最重要人物が出ないというのも心残りである。
もう1つ。
校歌は、田中公平氏作曲の『代数Nの方程式』という、とても難しい歌だ。
田中公平氏は、アニソンで有名な作曲家だが、東京藝術大学卒で、名門バークリー音楽大学に留学もした本格派の音楽家である。
私は、田中氏の名を知らない時に、『檄!帝国華撃団(通称はゲキテイ)』のサビの部分をテレビCMで一瞬聴いただけで惚れ込んだ覚えがある。
この『代数Nの方程式』も、とても良い曲であったと思う。
しかし、やはり、初音ミクさんに歌っていただきたかった。
まあ、そうでなくて良かったのかもしれないという想いもあるのだが、ミクさんだったら、私も入学するだろう。









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