成功した人で、
「僕は成功するぞ。さあ、何をすれば成功するかな・・・」
なんて考えた人は1人もいない。
皆、成功するアイデアが不意に浮かび、それを実行しただけである。
世界一の大富豪ビル・ゲイツも全くその通りだった。
ゲイツが18歳だった1970年代、彼は、MITSという会社が開発した世界初のパソコン(マイコン)であるAltair(アルテア)を紹介する雑誌記事を見て、
「これでBASIC(プログラミング言語の1つ)が動かせたら面白いだろうな」
と思い、MITSに電話をかけ、
「僕たちはAltair用のBASICを作ったけど、買いませんか?」
と言ったのだった。
電話に出たMITSの社長エド・ロバーツに、
「現物を見せてくれたら考えるよ」
と言われ、ゲイツは、友人のポール・アレンと大急ぎでBASICの開発を始めた。
既にBASICが出来ているかのように言ったのは、ハッタリだった。
しかし、そこから全てが始まったのだ。
その後も、ゲイツには、何度か、面白いアイデアが浮かび、それらを、きりきり舞いしながらも実行するうちに、とうとう世界一の大金持ちになってしまった。
では、なぜ、ゲイツは、そんなアイデアを掴むことが出来たのだろう?
それは、ゲイツは、18歳の時には、既にゆるんでいなかったからだ。
彼は、高校時代、ずっとプログラミングに熱中し、ハーバード大に入ってからも、常に必死に何かを考えていたのだ。
ゲイツは、ずっと、本当に「考える人」だ。
彼が、雑誌のインタビューに答えて、「僕はただ、社員に、Let's think harder(もっとよく考えよう)と言うんだ」と言っていた記事を、私はよく覚えている。
噂によると、彼は、チャールズ・ハアネルの『ザ・マスター・キー』の愛読者らしいが、それは本当ではないかと思う。
なぜなら、『ザ・マスター・キー』には、考えることの重要性が強く説かれているのだから。
この本は、ゆるまないための最良のテキストであると思う。

ジョセフ・マーフィーの潜在意識による成功法則や、いろんな人が説いた引き寄せの法則をやっても、ゆるんだ人間が成功することは決してない。
だが、決してゆるまない人間であれば、願いを持っていれば、それは自然に叶うのであり、ことさらに、「どう願うか」、「願いをどう潜在意識に送り込むか」なんて考える必要はない。
だが、全ての成功のノウハウ書は、その、どうでも良いところばかり、くどくど説明し、結果、当然のことながら、だあれも成功しないのだ。
ゲイツは、高校時代、「25歳までに100万ドルを得る」という目標を持ったが、別に、そのことについて、瞑想してイメージしたりとか、眠りにつきながら「100万ドル、100万ドル・・・」って、繰り返した訳ではない。
潜在意識は、一度本気で願ったことを決して忘れない。
それで、いつもゆるまずにいるゲイツは、必然的に、アイデアが内から飛び出して来るのだ。

ゲイツのような凄い話ではないが、私にも覚えがある。
私は数年、引きこもっていたが、ある時から、ジョセフ・マーフィーの本『あなたも幸せになれる』(文庫版では『努力嫌いの成功法』に改題)を毎日熱心に読みながら、身体も鍛え、比較的ゆるまずにいた。
そしたら、「まず、セールスマンになろう」というアイデアが浮かび、行けば誰でも採用してくれる営業会社に入り、セールスに向いているとは思えなかったが、ベテランセールスマンを押しのけてセールス・コンテストで優勝したりもした。
ところで、社会に出て感じていたことは、世に中のほとんどの人は「ゆるゆる」だということだ。
そして、私の一番最初の職場のセールスマンの先輩で、中学しか出ていないが、引き締まった立派な男性に、「人間は放っておいたらゆるむ」と言われ、その言葉が非常に印象に残っていたが、割と最近、ゲーテの『ファウスト』の中で、神様がそう言うのを見て、やっと、人間はゆるまなければ何事もうまくいくことが分かったのだ。
私も長くゆるんでいたが、引き締め直しているところである。









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