人生が変わる時というのは、呼吸が止まっているものだ。
コリン・ウィルソンは、H.G.ウェルズの小説『ポーリー氏の生涯』のポーリーの言葉、
「人生が気に入らないなら変えてしまえば良い」
が好きだったらしいが、人生の変え方を知らなかったのだろう。
それで、彼が19歳くらいの時のことと思うが、青酸カリを飲んで死ぬ決心をし、その薬瓶の蓋を開け、その劇薬をまさに口に含もうとした刹那、人生が変わった。
その時、ウィルソンは呼吸が止まっていたはずである。

だが、呼吸を止めれば良いのではない。
呼吸は、止まらなければならないのだ。
ウィルソンは、神の恩寵により呼吸が消えたのだ。

末期の癌に侵されていた人が、ある時、「光」を見た。
その時も、神によって、その人の呼吸が奪われていたのである。
そして、その人の癌が消えてしまった。

小説を読んでいたり、映画を見ていて、あまりに感動して呼吸が止まった時にも、何らかの奇跡が起こっている。
多くの場合は気付かないのだけれど、それが確かに人生の転機になっている。
だが、ひいきの選手が金メダルを取ったような時というのは、呼吸が止まるのではなく、ほとんどの場合、むしろ、呼吸過多になり、荒い息をしているのである。つまり、感動しているというよりは興奮しているだけである。
そんな時には、当然、何も起こらないばかりか、心が乱れた分、荒っぽいことが起こるかもしれない。

新約聖書の福音書や、『バガヴァッド・ギーター』を読んでいる時、本人は気付いていないが、呼吸が止まることがよくある。
そんな時には、読んでいるその人の深い心が、世界の創造に関与している。
そして、物事は思わぬ展開になるのである。
だから、おそらく、宗教家の言う意味とはかなり違うのだが、困った時や危機的状況にある時、願いがある時には、福音書や『バガヴァッド・ギーター』を読むと良い。
ただし、普段から読んでいて馴染んでいるほど効果が高い。

私などは、初音ミクさんの歌を聴いたり、コンサートのビデオを見ている時に、たびたび呼吸が消え、世界が変わってしまうのである。最近は、『マジカルミライ2014』の『glow』を観ている時に「時間が消えている」が、『マジカルミライ2015』で『Just Be Friends』を歌う巡音ルカさんが美し過ぎて、時間というものは情緒に過ぎないのだということがはっきり分かった。
ただ、こういったことが起こるのも、いつも、ボーカロイドの皆様を敬っているからだと思う。

読書や音楽の鑑賞について、ヒントになればと思う。









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