英語もプログラミングも、ほとんどの人は勉強する必要はない。
※中学程度の簡単な英語まで否定しない。

英語の学習意義について、英語の原書を読むメリットを挙げ、少し勉強すれば、英語の原書が読めると言う人がいる。
「マジですか?」と言いたい。
少しくらい英語の勉強をしたところで、よほど簡単な本(幼児向き)でない限り、恐ろしい遅さでしか読めない上、ハチャメチャ、デタラメな理解になるはずだ。
考えてもみたまえ。
日本語の本だって、ちょっとした読み間違いで、書いてあることと全然違う理解をすることなんてザラだし、一冊の本を、半分でも正しく理解できるのは、自分にとってかなり易しい本だけだ。
翻訳書だと、日本人には馴染みのない事柄については、注釈を書いてくれている場合も多いが、原書には、日本人への配慮なんて、当然、全くない。
かなり簡単な本でも、生半可な英語力では、10%も理解できないはずだ。
たとえ翻訳者に多少の偏見があるとしても、優れた翻訳者が翻訳したものを読む方が良いのは、言うまでもないだろう。それに、翻訳者の偏見なら見れば分かり、その部分を排除しながら読める場合が多いと思う。

元巨人の投手だった桑田真澄氏は、かなり英語を勉強していて、大リーグ挑戦の際、自分でアメリカの球団と交渉したらしい。
しかし、それが出来たのは、彼が有名人であり、沢山の様々な人脈もあったからであり、彼と同じくらい英語が出来る普通の人が、海外との交渉なんかやったら、どんな被害を受けるか分かったものではない。
契約(お金)が絡むことで、生半可な英語を使うなんて恐ろしいことだ。
また、国が違えば、考え方が極端に違うことも多く、それが、とんでもないトラブルを起こすこともある。
まあ、空港や税関の手続き、買い物、ホテルの利用に役立つ、パターン通りに受け答えをすれば良い程度の英語なら、海外旅行で少しは役に立つだろうが、海外に居ることが多い訳でもない普通の人が英語をやるのは、ほとんどの場合、時間の無駄だと思う。

次にプログラミングだ。
MITメディア・ラボの有名な教育学者でコンピューター科学者のミッチェル・レズニック教授が、日本にも来て、「全ての人がプログラミングを学ぶべき」と言ってたりして、実を言えば、私も洗脳されてしまっていた。
また、アメリカのcode.orgという非営利団体が、超有名人・・・ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、ビル・クリントン、ホーキング博士、その他大勢を集め、「プログラミングを物理や化学と同等の学科にしなければならない」という、彼らの主張に賛同しているように宣伝し、オバマ大統領もcode.orgを全面的に支援していると言う。
その活動の規模は凄く、トップクラスのIT企業や、ディズニーなどの超有名企業も賛同・・・と、ここまでくれば、洗脳されない方がおかしい(笑)。

だが、今は、それ(全ての人がプログラミングを学ぶべき)は絶対に嘘だと思う。
私はプロのプログラマーだが、プログラミングを専門家以外の人が学んで、役に立つことは全くない。
そして、人間は、自分の生活や仕事で役に立たないことを、本気で覚えたりしないものだ。
「プログラミングは能力開発の役に立つ」という主張も多いし、それ自体は事実だと思う。
しかし、車の運転を決してしない人に車の運転の訓練をさせることだって能力開発になるが、どうせなら、もっと自分の役に立つことで能力開発をやれば良い。
プログラミングなんかより、個々の人に相応しく、実用的な能力開発方法なんていくらでもある。

そして、プログラミングには、明らかに適正がある。
向いてない人は、本当にロクでもないプログラミングしか出来るようにならない。
そんな人が、まかり間違って会社でプログラミングなんかしたら、どれほどの迷惑、損害があるか、分かったものではない。
それは私も経験済みだ(だから洗脳から覚めた)。
別に頭が悪い訳でもない人に、プログラミングの勉強をやらせたら、私が初心者の頃と比べても、あまりのセンスのなさに唖然としたが、冷静に考えれば、そんな人は多いはずだ。
また、プログラミングのセンスが全くない者が、まあ、よく勉強したのだろうが、社内でExcelやAccessのVBAで何か作り、それを、得意になって他の人に使わせた結果、悲惨な結果になったという実例もある。おそらく、そんなことは、日本中、世界中に、いくらでもあるはずだ。
適性のない人は、訓練してプログラミングが出来るようになったところで、まともなプログラムは書けないというのが現実である。
イギリスでは、プログラミングが小学校から中学までの正式科目になったらしいが、それ自体は悪くはないかもしれない。
適性のある人にとっては、良い機会になるからだ。
ただ、少なくとも、算数や物理の落ちこぼれと同等以上の落ちこぼれが出るのは確実だというだけのことである。
プログラミングに限らないが、向いてないことまで、教員の雇用のために、初歩や基礎を超えたことまで無理にやらせるべきでない・・・そんな、当たり前のことを、いい加減実現させようではないか?









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