「人に恨まれる筋合いはない」と言う者ほど、恨まれているものだ。
私だって好き好んで恨まれるようなことはしないつもりだが、私を恨んでいる者は、予想外に多いかもしれない。

どんな時に人を恨むかというと、心が傷付けられた時だ。
だが、傷付くのは、自業自得なのだ。
こんなことを言うと、
「では、いじめられて傷付き自殺した人も自業自得だって言うのですか?」
と非難されるかもしれない。
それには答えないが、私だって数知れぬほど傷付いてきたが、私に関しては、その全ては自業自得だったと断言できる。
そう了解したら、傷付くことが無くなったし、傷付けられるような嫌な出来事も起こらなくなった。

そして、誰かを傷付けることも、意に介さなくなった。
誰も傷付けたくはないが、どうやっても傷付けてしまうのだ。
私を恨むなら大いに恨めである。
誤解で恨まれえようが構わない。
いや、むしろ、誤解で私を恨めと言いたい。
全部、この胸で受けてやるさ。
親の仇って言うのなら、仇を取りにくれば良い。
ただし、黙って受けては立つが、簡単に仇を取らせたりはしない。
強烈に返り討ちにしてやる。
返り討ちにされてしまうような力で、仇なんか取りに来るなだ。
仇を取るなら真面目にやれである。

なぜ、傷付くのだろう?
弱いからである。
弱いから、傷付き恨むのだ。
なぜ弱いかというと、甘えているのだ。
誰かに、あるいは、何かに対して恨み言を言うようなやつを、私は絶対に信用しないし、一緒に仕事をしたりなど、決してしない。
そんな甘いやつは、全く頼りにならないどころか、どうしようもないほど足を引っ張られてしまうことは目に見えているからだ。
あなたも、事業か何かで成功したいなら、文句の多いやつをパートナーにしたり、チームに入れたりしてはならない。
逆に、優れたパートナーを得たり、素晴らしいチームに入りたいなら、決して、決して、決して、文句を言わないことだ。

甘えのない人間になるためには、鍛えるしかない。
だが、本当に精神を鍛えるためには、世間で鍛えるしかない。
殺したいほど憎い相手に、這い蹲(つくば)って命乞いをするなんて、まだまだ甘いのだ。
そんなやつのご機嫌を本気で取らなければならない。
私は、嫌いなやつの機嫌を取るのが上手い。
だが、そうなると、誰の機嫌も取らなくて良くなる。
なぜだろう?
既に述べたが、傷付くなんてのは、全て自業自得だ。
嫌なやつにおべっかを使えば傷付くが、そんなことをしなければならないのも自業自得だ。
それに気が付けば、全ては夢だと分かる。
そしたらもう、夢の中でまで、気に食わないやつの機嫌を取ることもあるまい。
それどころか、向こうがこっちの機嫌を取ってくれる。

中学の時だったか、教師が、「女の子はブスって言われたら、ナイフで刺されるほど傷付くのだ」と言ったのを覚えている。
本当かどうか知らないが、傷付くなら傷付けとしか言いようがない。
私の考えでは、それも自業自得だ。
私も、身体の中に奇形的な部分があり、それを平気で馬鹿にしてくる者がいて、散々傷付いたが、やはり自業自得と気付いてからは、傷付くこともなく、おそらく、奇形だったものも消えてしまった(客観的には消えてないかもしれないが)。

傷付くとしたら、原因は分からなくても、それは自業自得・・・つまり、自分のせいだ。
原因が分からないなら、前世の業とでも思っておくと良い。
すると、とにかく、自分が傷付くのは、誰のせいでもないということになる。
ここが肝心なのだ。
我々には、誰かを恨む筋合いはないのだ。
そうしたら、神を恨むしかなくなる。
恨みが大きければ大きいほど、神の存在をリアルに感じるのだ。

1960年公開の『処女の泉』というスウェーデン映画で、15歳くらいの可愛い娘を、3人の乞食の兄弟にレイプされた上、惨殺された父親が、その3人(うち1人は子供)を殺し、復讐を果たしたが、心の苦しみは深まるばかりで、神を恨みかけた刹那、それを思いとどまり、神に殺人の罪の許しを請う。
その時、娘の遺体のあった場所から泉が湧く。
この映画は、少女(見かけもかなり幼い)がレイプされて殺されるシーンがあまりに惨いというので批判され、アメリカ、日本では、その部分は完全に削除されたが(現在は全て見ることが出来る)、この映画の真意を、映画というバーチャルなものから学べるなら、それは貴いことである。しかし、この映画の本質が分かる人が少ないのだ。
経験なキリスト教徒だと自他共に認めていたはずの、この父親は、こんな目に遭って、初めて神を本当に感じたのだ。
だが、我々は、そこまで深く傷付かなくても、全て自業自得と気付けば・・・つまり、この父親ほど傲慢でなければ、もっとすみやかに神と融合できるだろう。









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