この世は地獄なのだから、武器を持っていなくてはならない。
甘ったれた理屈で武器を持たずにいると、すぐにやられて、全てを失ってしまう。
イエスだって、服を売って剣を買えと言ったのだ。
ただ、剣を頼ると剣で滅ぶと言ったのだ。

子供にとって、ピアノが弾けるとか、空手をやっているというのは武器になる。
やるなら、本当に上手くならなければいけない。
子供はやる気がないのに、無理強いすると、それに上達できないばかりか、その後の人生で、いかなる武器も持てない人間になってしまう。
親の見栄や、浅はかな考えで子供にお稽古事をさせるのは、愚かなだけでなく罪であるが、自分が武器を持たない親とは、そんなものなのだ。
とはいえ、ほとんどの場合、ピアノや空手は、大した武器ではないことが分かるようになる。
しかし、これらは、次のより強い武器を作る時のエッセンスになる。
もちろん、ピアノや空手だけでなく、ダンスや絵画、天体観測、将棋・・・何でも、人に優るものがあれば、同じことである。

中学や高校になると、勉強が出来る、スポーツが得意というのは武器になる。
ピアノや空手も、かなりの腕前になっていれば、普通の勉強などよりも良い武器になるかもしれない。
だが、これら(勉強、スポーツ、ピアノ等が得意であること)もまた、大した武器ではなくなる。
だから、やはり、これらを基に、新しい武器を作らなくてはならない。
社会人になれば、英語が出来る、プログラミングが出来る、簿記が出来る、その他、何か専門的なことが出来ることが武器になる。
それがプロレベルであれば、一生の武器になる。
だが、世の中は甘く無い。
ビッグ・マグナムだと思っていた自分の武器は、実に卑力な銃でしかないことに気付くようになる。
つまり、やっぱり、次の、より強力な武器が必要になるのだ。
今持っている武器は、それはそれで持っていなくてはならないが、それは、本物の武器が出来るまでのつなぎでしかない。
チームラボの猪子寿之氏が、「僕は、今はプログラマーでは通用しない」と言い、ドワンゴの川上量生氏が、「僕は本格的なプログラマーのキャリアはない」と言うが、彼らは、一時期は、プログラミングという武器を立派に使っていたが、今は、もっと強力な武器を持っているということなのだ。

武器を作るには、材料がいるし、その材料は、今持っている武器のエッセンス(本質的なもの)である。
だが、大人になっているのに、何も武器を作ってこなかったので、今必要な武器を作る基になるエッセンスがないという人がいるし、そんな人は少なくないだろう。
学生の頃、スポーツの優秀な選手だったとか、ピアノやヴァイオリンでかなりの腕前だったという人は、それにこだわらず、それを捨ててしまえば、次の良い武器が作れる。
しかし、私がそうだったが、社会には出たが、武器を作る材料が何もなかった。
ニートになる大きな原因は、自分には、社会で戦うための武器を作る材料が無く、それが分かっているということだ。
材料もないのに、高度なビジネス書を読んだり、賢者の哲学を読んで、高度な武器を作ろうとしたって、それは不可能だ。

では、私のように、武器を作る材料を持たない者はどうすれば良いのか?
仕方がない。
あるフリをするしかなかろう。
例えばの話だが、嘘でも、「俺は空手3段だ」とか言って、自分でもその気になるといったものだ。
いわゆるハッタリだ。
言うまでもなく嘘なのだから、それに頼ることは少しも出来ない。
しかし、考えてみれば、本当に空手3段だとしても、それだけでは少しも頼りにならないものなのだ。
だが、本当に空手3段なら、それを材料に新しい武器を容易に作れるが、こちとらの空手3段はハリボテなので、粗悪な素材でしかない。
しかし、それしかないのだから、せいぜい、ガラクタで出来る限り良い武器を作ることだ。
本物の空手3段から作った武器と、偽物の空手3段から作った武器では、やっぱり差があるが、無いよりはマシで、後は、気合いとハッタリで頑張ることだ。
とはいえ、その武器は頼りにならないので、さっさと次の武器を作ることだ。
ここらは、本物の空手3段から作った武器は、ある程度良いので、それを持っている人が、その自分の武器に見惚れて油断している間に出し抜くことが出来るかもしれないので、案外に良いかもしれない。

大物には、正式には、何かを勉強したり、何かの訓練を受けたことがなく、ハッタリでスタートした者は多いのである。
だが、ハッタリはハッタリ。
それが役に立っているうちに、次の武器を作らなければならない。
だが、ハッタリだけか、せいぜい、その次の粗悪な武器で止まる人が多いのである。
しかし、あなたは、光線銃を持たなければならない。
ある程度の武器が出来れば、腕振り運動や、微かな心の声の呪文が、我々の内部の錬金術師を呼び覚まし、今の武器を優れた素材に変えて、光線銃を作れるようになるのである。
まずは、ハッタリから始めることだ。









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