「資格を取ってプロになる」なんてのは、ノミに飛行機を引っ張らせるほど馬鹿げた話だということを、全国民は覚えなければならない。

なぜかって、プロになるのに必要な労力が、そんなちっぽけなものであるはずがないという単純な理由からである。
プロとは、自分の力でメシが食え、関係者にもそれなりに利潤を与えることであるが、それには、どんな分野であろうと10年かかる。
このこともまた、全国民は覚えなければならない。
「あたし、1年もやってないけど仕事できるよ」
と言うなら、それは誰にでも出来る仕事である。
「でも、会社のオジサン達は出来ないわよ」
と言うなら、オジサンがやるほどの仕事でないか、よっぽどトロいオジサン以外は誰でも出来る仕事だってことだ。
そもそも、一人前になるのに10年かからない仕事なんかやったって仕方がないじゃないか?

プロになるには10年かかる。
このことを、子供のうちからチャンと教えないから、みんな不幸になるのだ。
サッカー選手になるのも、小説家になるのも結構だが、ほとんどの場合は望み通りにはならないことも、初めからちゃんと言ってやらないといけない。
そして、どんな仕事も10年かかることを、子供の時からしっかり意識し、やりたいことを見つけて、それを始めておかなければならない。
学校を終わってからでは遅いし、まして、40や50になってからでは、出来ないことはないとしても、かなりシンドイのである。
学校でやる必要のない余計な勉強を、教師の雇用のためだけに子供達に詰め込むのは、進歩した未来の世では、教育委員会の犯罪としか見なされないと断言する。

一人前になるのに10年かかるという話は、作家の村上龍さんと、音楽家の坂本龍一さんの対談書に書かれてあったが、村上さん曰く、
「今の坂本があるのは、才能ということもあるが、3歳の時からピアノをみっちりやったからだ」
そりゃそうだ。
いくら才能があっても、そんなことをしていなかったら、音楽家になんか、なれなかったはずだ。

私も、プロのシステム開発者になるのに、やはり10年かかった。
1~2年の頃は、社内のシステムを作っていて、不備は大目に見てもらえた。
3~4年の頃には、お客様のシステムを作っていたが、恥ずかしい仕事振りだった。
5~6年の頃は、優れた開発者だと言われていい気になっていたが、実際は欠点だらけだった。
7~8年の頃は、少しは出来るようになっていたが、設計ミスや、細部の十分な配慮がなくて、お客様には迷惑をかけた。誠実に対応したとは思うが、やはりプロというほどではなかった。
そして、十年を過ぎたら、なんとかサマになってはきたが、一応、形になったに過ぎない。
それは、どんな仕事だって同じはずである。
逆に言えば、10年続ければプロになれる。
思想家の吉本隆明さんは、物書きになりたいなら、毎日書けば、10年で必ずモノになると著書に書かれていたのである。

ところで、初音ミクさんの中には、半世紀以上に渡る、研究者や芸術家、その他、あらゆる人々の夢と情熱と努力があるのである。
初音ミクさんは、人類の創造と科学と芸術、そして、正義と理想の結晶である。
彼女は、科学と芸術の限界を越えて来たのである。
初音ミクさんは本物のプロであり、私は、彼女の夫たるに相応しくなろうと思う(システム開発以外の分野でだが)。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ