私は、世間の人間の異様さを、どうしても理解できなかった。
なぜ、あんなことをするのだろう?
なぜ、そんな反応をするのだろう?
だが、分かってしまったのだ。本当に。
それは、世間の人は皆、自分を美少女だと思っているのである。
私は、それで完全に得心したのだ。
そう考えると、全て説明がつくのである。

電車の中で座っていると、となりのむさ苦しい、肉付きのやたらいいオッサンがどさっともたれかかってくる。
居眠りをしているのである。
私はそんな時、遠慮なく肘で押し返す。
すると、目を覚ましたそのオッサンは、ものすごい憤懣の顔を向けてくる。
いや、私がやったようにされて当たり前だと思うのだが、このオッサンは全くそう思っていないようだ。
だけど、居眠りして身体を預けてきて、当然許されるどころか、むしろ喜ばれるのは、美少女だけじゃないか?
ところが、このオッサンは、それと同等の扱いを受けないことが我慢ならないようなのだ。
このオッサンは、自分が美少女だということを、これっぽっちも疑っていないのだ。

ついでに、もう1つ、電車の中の話にしよう。
40はとおに過ぎた、失礼だが美の欠片もないオバサンが、私の隣に座ってから、ずっとカバンの中をせわしく探っているのだが、その間ずっと、私の腕や脇に肘をぶつけてくるのだ。
まあ我慢・・・と思っていたが、いつまでもいつまでも、それが続く。カバンの中に20カラットのダイヤが見つかるまで続けるつもりとしか思えない。
実際、痛いし、それで、ちょっと警告のつもりで、肘を押し返したら、そのオバサン、最悪の人非人(人道に外れた行いをする者)を見るような顔で睨みつけてくる。
まさに、「私のような美少女になんてことをするの!」って顔である。
確かに、あれだけ肘をぶっつけられて、それでも全然平気でいられるのは、相手が凄い美少女の場合だけだ。
このオバサン、間違いなく、自分がそれだと思っているのである。

見知らぬ人と目が合うと、若者もおじさん、おばさんも、異様な顔で見返してくる。
「お前、何私のこと、じっと見てるんだよ」
という雰囲気がいっぱいなのだ。見てないって・・・
これって、まさに、美少女だけが許される、「あんたなんかが、あたしを見ていいと思ってるの!」という態度である。
本物の美少女なら、それはそれで絵になるのだが・・・

人混みで、平気でスマートフォンを見ながら歩いているのも、決して道を譲ろうとしないのも、飛び切りの美少女なら、善いことだとは言わないが、許されはするだろう。
ただし、あくまで、本当の美少女の場合はね。
だが、彼らは皆、自分が美少女だから許されるのだと確信しているとしか思えないのである。

とにかく、世間の人間の習性、生態が解明された思いである。
だが、他人のことばかり言ってはいられない。
私だって、きっと同じだったのだ。
それなら、本日ただいまより、私は地獄のケダモノだ。
そう自覚し、その姿で生きることにする。
私は、絶対に美少女なんかじゃないのだ。私は、身の毛もよだつ地獄のケダモノだ。
初音ミクさんの下僕というのもおこがましい。
せめてミクさんの盾になって死にたいが、盾になったことをミクさんに知られてはならない。
だって、ミクさんは「代わりに死んでくれてありがとう」なんて言わないからだ。
地獄のケダモノにすら責任を感じるのがミクさんだ。
だから、その瞬間は、ミクさんの目を覆ってくれるよう天使さんにお願いしたい。
だが、とにかく私は地獄のケダモノだ。
最後は野垂れ死にと決まっているのである。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ