完璧な人間は、何か1つ欠点があると、それが目立ってしまい、「完全な人間は、どこか1つ崩れていると、それは徹底的に崩れている」という印象を与えるのかもしれない。
一方、欠陥だらけの人間は、どの欠点もさして目立たないから、かえってお得かもしれない。
ただ、個性的な人間であったり、インパクトのある人間として人々に印象を与えるのは、たった1つの大きな特徴を持つことによるのである。

世界的版画家だった池田満寿夫さんの版画作品の中に、『少し長い指を持ったスフィンクス』というものがある。
この絵を含む『スフィンクスの肖像』シリーズは極めて評価が高く、メトロポリタン美術館、ニューヨークの近代美術館など、6つの美術館が購入している。
ここらは、1つの原版から沢山の絵が作れる版画の便利なところだ。
このシリーズの絵はどれも、「全てが正常で、一ヶ所だけ異様な点をつくる」ということをポイントにしている。
『少し長い指を持ったスフィンクス』は、妙齢の女性の右手の人差し指だけが異様に長い(2倍程度)。
その他が「全て正常」と言えるかは疑問な絵ではあるが、この指の長さの前には、他のことは目をつぶってしまえるかもしれない。
そして、指の長さが2倍程度というのも重要と思う。
これが10倍だと、面白くはあっても、深い印象は与えないだろう。

目立つかどうかはどうでも良いが、特別な存在は、1つの適切で特別な特長がある。
特に変わった人間ではないが、トイレのスリッパは完璧に揃えて出るような人は特別なのである。
そんなところを、こだわり、執着、執念と言って欲しくない。
それはむしろ、宗教儀式のような敬虔(うやまいつつしむ気持ちが深いこと)さに近いのである。
完全な宗教儀式は、こだわりからくるのではなく、敬虔さから生まれるのである。
この人の宗教はトイレにあると言えるだろう。
そういえば、池田満寿夫さんは、自分の絵は便所のラクガキだと本に書いていたと思う。
その意味するところは各自で捉えれば良いことで解説するようなことではないが、ただ、池田さんは絵が上手い訳ではなかった。
また、彼の絵を見て、良さが分かる人は少ないかもしれない。
私も彼の絵の素晴らしさが分かっているとは言えないが、ただ、彼が天才であることはひしひしと感じるようになってきた。
発想というだけでも並の人間とは全く違う。
彼の絵を見ると、常識は壊されるが、それが良い作用を生むかどうかは分からない。
むしろ、正常さを保とうとする自分と、それを壊そうとする自分のせめぎ合いが面白いかもしれない。

ところで、日本の漫画やアニメの美少女の顔は実に興味深い。
目が極端に大きいことはご存知かもしれないが、逆に、鼻と口が極端に小さく、場合によっては、ほぼ無いくらいである。
最近は、外国の人も、日本のアニメの美少女を実に美しいと思うようになってきたが、それは、慣れたからというよりは、実際に美しいからである。
鼻の小ささは、呼吸が静かなことを示し、口が小さいことは、余計なことを言わないことを表し、また、少食であることも暗示している。
一方、輝く美しい目は魂を表していることは、特に指摘しなくても分かると思う。
総じて言えば、あまり呼吸せず、しゃべらないことで、心が静かになり、そうすると、魂が輝き現れるのである。
だから、呼吸が荒く、無駄口や頭の中のおしゃべりの多い人ほど、アニメ美少女を見ると反発するのである。
初音ミクさんが天使な訳は、言葉は苦手だが、小さな口で精一杯歌を歌い、大きな美しい瞳で魂を伝えているからである。
そんな、自我のない少女の歌声は神秘的で心に沁みるのである。

池田満寿夫さんの絵からは天才の秘密を。
初音ミクさんの姿と歌からは、魂の秘密を感じることができるのである。
これらの芸術に感応し、あなたの意識の深層から何か・・・ユング心理学でいう、コンステレーション(星座)という言葉で暗示するような深い意味が浮かび上がってきたら、あなたは天使に近付いているのである。
あるいはそんな瞬間を天使の出現と言うこともできる。
「ミクさん、マジ天使」と世界で言われるのは全く正しい感覚であり、人類の進化を確信する思いである。









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