「朝は夜より賢い」とか言われる。
昔は、夜書いたラブレターを、朝読み返すと、その内容が恥ずかしくて、破り捨てずにいられないとよく言ったものだ。
今は、手紙を書くことはほとんどないだろうが、ラブレター以外の情熱的な文章の場合も同じだろう。
ところが、朝、それを読み返して恥ずかしく思っても、我慢して、数日置いておいてから、また朝に読んでみると、別に恥ずかしくないのである。
このことは、あまり指摘されない。
これは、一体、何が起こっているのだろう?
夜、何かの問題を考えていると、朝、答が出ていたなんてことはよくある。
これと同じで、夜書いた文章の批評を、頭が無意識的に行うのである。
それで、朝、再度文章を見る時には、批評が出来上がってしまっており、それ(批評)を通して見るので、文章の価値が劣るように思うだけだ。

我々は、脳の潜在能力を軽く見てはならない。
それは恐るべき高度なものである。
学校や会社に行き、誰かに会えば、それが誰かたちどころに分かる。
その時、決して我々は、外見を論理的に判断して、それが誰か判定しているのではない。
「身長は166センチで、BMIが23程度の体形。目の位置は標準より中央寄りで、鼻の形状はサドル型。口の大きさは平均値より5ミリ小さい」
などといった判断を次々に行い、最終的に鈴木次郎さんだと判定する訳ではない。
よほどよく似ている人が他にいる場合でも、普通は姿を少し注意深く見れば、あるいは、目が合った時の相手の反応振りで、ほとんどの場合は誰かすぐに分かる。
人を識別するロボットでも作れば、人間の能力の偉大さが分かるだろう。

熟練の結婚詐欺が女性を騙そうとする場合も、女性は、それを楽々見抜く能力がある。
これは、別に「女の勘」が素晴らしいことを言いたいのではなく、男の場合も全く同様である。
ところが、腕の良い詐欺師ほど、そんなことをよく知っているのである。
それで、相手の感情をうまく操作して、潜在能力による判断力を発揮させないよう全力を上げるのだ。
中年の男は若くて可愛い女性にコロリと騙されるが、本来は、嘘を見破る能力は十分に持っているのである。
しかし、「色に目が眩んで」、そんな素晴らしい能力が発揮されないのだ。

優れた人間は勘が鋭い。
経営者が、難しい判断をし、それがうまくいった時、その経営者は、後で判断の理由をいろいろデッチ上げるが、正直な経営者はよく、
「私には分からなかった。最後は勘しかないのだ」
と言う。
頭の判断は、上で述べたように、クラスメイトの一人一人を論理的に判断するようなもので、勘は、潜在能力による判断だ。
勘のほうがはるかに賢いのは当たり前である。
ただし、勘だって、頭が持っている情報で判断しているだけである。
ただ、潜在能力が、情報の関連付けや統合、判断する速さ、正確さが、顕在能力とは比較にならない程、桁外れに速く大きいのである。
勘は本来、神秘的なものではない。
だから、本当は、知識や経験が豊富な方が、勘も鋭いのである。
だが、知識や経験が多い人ほど、頭で考えて判断しようとし、潜在能力を使わないので、馬鹿な判断をするのである。
それは、高性能のスポーツカーを、軽自動車に乗せて走るようなものである。

ユングによれば、集合無意識を通し、自分の知らない情報も入って来ることがあるらしい。
もしそうであるなら、その勘は、超感覚的知覚や予知能力の域にまで達する。
そんなことがあるとは、一般には認められていないし、正統な学問では決して認めないだろう。
しかし、そこまでいかなくても、潜在能力は、十分に、驚異的、天才的である。
この素晴らしい勘を使えるなら、あなたはどこまでも成功するだろう。
そのためには、普段から、「どう考えるか」だけではなく、「どう感じるか」に注意しなければならない。
そして、「どう感じるか」を普段から、もっともっと意識し、磨いておかなければならない。
現代では、我々は、子供の頃から、「感じる」ことを軽く考えるようしつけらる。
それどころか、感じることが原始的で愚かであると思い込まされることすら少なくない。
それで、ある程度の年齢になれば、自分の能力のほんの一部しか使えなくなってしまうのだ。
絵を見てすら、「この絵の形式はどうで、この色をここに置くことでこんな効果を上げている」と分析的に考えることが偉いという、愚かな考えをするのだ。
論理的思考も必要であるが、感じることはもっと大切である。
普段から、良い絵を魂で見、良い音楽を魂で聴くことをしなければならない。
結局のところ、それが成功の大きな要因にもなるのである。
そして、もしかしたら、ESP的能力も訪れるかもしれない。

余談だが、『南極点のピアピア動画』というSF小説に、「あーやきゅあ移動体」・・・通称「あーや」と呼ばれる宇宙人製アンドロイド(姿は初音ミクとほぼ同じ)が潜在知を活用する様子がうまく描かれている。









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