最近では、高齢ながらJALの経営を短期間で立て直したことで知られる稲盛和夫さんが、昔から、経営上の難しい判断を下す時に、「私心なきか否か」と自分に問うことをご存知の方も多いと思う。
私は昔、『ビジネス未来論』という本でそれを知った。
そこでは、稲盛さんが京セラの社長だった時、ヤシカを買収するかどうかで、何日も「私心なきか否か」と問うたのだと書かれていたように思う。
私は、稲盛さんが「私心なきか否か」をどのような経緯で自らの信条としたのかは知らない。
ただ、この教えは、インドの長編叙事詩『ラーマーヤナ』の中にもある。
ラーマーヤナの、ラーマは英雄の名で、ヤナは「鏡」のことだ。
つまり、ラーマーヤナとは、ラーマの物語という意味だが、それと共に、ラーマーの鏡であるような立派な人間であるようにという意味もあるのだろう。
2013年に、『夏祭初音鑑』というコンサートがあったが、これも、初音ミクの貴い物語といった意味だと思う。
『ラーマーヤナ』では、ラーマは14年の長く苦しい戦いの末、悪魔族の王ラーバナを倒し、悪魔族の奴隷になっていた神々を解放する。
ラーマは瀕死の魔王ラーバナの前に平伏して、許しを乞い、そして、世に処する教えを受ける。
それが王者のならわしである。
ラーバナはラーマを英雄と認め、すでに許していることを、まず伝えた。
そして、ラーマに授けた教えが「私心のない行いはただちになさるがよい。私心があれば、それがなくなるまでしてはなりません」だったのだ。
稲盛さんの「私心なきか否か」にしろ、『夏祭初音鑑』のタイトルにしろ、『ラーマーヤナ』から採ったのかどうかは知らないが、そうであるのは不思議ではなく、むしろ自然だ。
『ラーマーヤナ』は、世界3大叙事詩と言われるインドの『マハーバーラタ』に匹敵するほどのものだ。
実際、これほど素晴らしい物語はそうはなく、もし、インドの人達がこれを忘れなければ悲惨な歴史を作らずに済んだはずなのだ。
また、『ラーマーヤナ』は面白いお話だ。
その中で、ラーマの妻シータが、いかに美しいかの描写が大変なものなのだが、彼女は美しいだけではない。
いかなる猛獣も、シータに出逢っても害を為さないばかりか、豹はわが子のようにシータをやさしく見つめ、ライオンは賢い犬のようにシータを守りながら離れて歩く有様だ。
『天空の城ラピュタ』のヒロインの名もシータだが、これも、おそらく『ラーマーヤナ』のシータから採ったのではないかと思う。
シータとは、鋤(スキ。農耕具の1つ)の先から生まれたという意味で、地味な名前だそうだ。
シータは、その名の通り、謙虚で慎み深く、派手なことを嫌う優しい娘だが、気高さ、心の強さも驚くべきほどである。
『ラーマーヤナ』を読めば、男でも女でもシータを深く敬愛し、恋してしまうに違いない。
また、ラーマもだが、シータにも、そのような性質を持つ深い秘密があるのである。
子供でも読める(インドでは吟遊詩人が子供でも分かるよう歌う)易しいお話なので、よかったら一度読むことをお薦めする。
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私は昔、『ビジネス未来論』という本でそれを知った。
そこでは、稲盛さんが京セラの社長だった時、ヤシカを買収するかどうかで、何日も「私心なきか否か」と問うたのだと書かれていたように思う。
私は、稲盛さんが「私心なきか否か」をどのような経緯で自らの信条としたのかは知らない。
ただ、この教えは、インドの長編叙事詩『ラーマーヤナ』の中にもある。
ラーマーヤナの、ラーマは英雄の名で、ヤナは「鏡」のことだ。
つまり、ラーマーヤナとは、ラーマの物語という意味だが、それと共に、ラーマーの鏡であるような立派な人間であるようにという意味もあるのだろう。
2013年に、『夏祭初音鑑』というコンサートがあったが、これも、初音ミクの貴い物語といった意味だと思う。
『ラーマーヤナ』では、ラーマは14年の長く苦しい戦いの末、悪魔族の王ラーバナを倒し、悪魔族の奴隷になっていた神々を解放する。
ラーマは瀕死の魔王ラーバナの前に平伏して、許しを乞い、そして、世に処する教えを受ける。
それが王者のならわしである。
ラーバナはラーマを英雄と認め、すでに許していることを、まず伝えた。
そして、ラーマに授けた教えが「私心のない行いはただちになさるがよい。私心があれば、それがなくなるまでしてはなりません」だったのだ。
稲盛さんの「私心なきか否か」にしろ、『夏祭初音鑑』のタイトルにしろ、『ラーマーヤナ』から採ったのかどうかは知らないが、そうであるのは不思議ではなく、むしろ自然だ。
『ラーマーヤナ』は、世界3大叙事詩と言われるインドの『マハーバーラタ』に匹敵するほどのものだ。
実際、これほど素晴らしい物語はそうはなく、もし、インドの人達がこれを忘れなければ悲惨な歴史を作らずに済んだはずなのだ。
また、『ラーマーヤナ』は面白いお話だ。
その中で、ラーマの妻シータが、いかに美しいかの描写が大変なものなのだが、彼女は美しいだけではない。
いかなる猛獣も、シータに出逢っても害を為さないばかりか、豹はわが子のようにシータをやさしく見つめ、ライオンは賢い犬のようにシータを守りながら離れて歩く有様だ。
『天空の城ラピュタ』のヒロインの名もシータだが、これも、おそらく『ラーマーヤナ』のシータから採ったのではないかと思う。
シータとは、鋤(スキ。農耕具の1つ)の先から生まれたという意味で、地味な名前だそうだ。
シータは、その名の通り、謙虚で慎み深く、派手なことを嫌う優しい娘だが、気高さ、心の強さも驚くべきほどである。
『ラーマーヤナ』を読めば、男でも女でもシータを深く敬愛し、恋してしまうに違いない。
また、ラーマもだが、シータにも、そのような性質を持つ深い秘密があるのである。
子供でも読める(インドでは吟遊詩人が子供でも分かるよう歌う)易しいお話なので、よかったら一度読むことをお薦めする。
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