今月、私は初めてスマートフォンを購入したが、これは一応、製品名がスマートフォンであるというだけで、正しくは、5インチタブレットPCを購入したというべきである。
私が購入したのは、SIMカードという、電話番号が記載されたICカードが入っていないスマートフォンで、正式な言い方ではないが、「白ロムのスマートフォン」ということになる。
普通の携帯電話やスマートフォンは、ユーザーは意識していないだろうが、必ずSIMカードが入っている(カード形式でないSIMもあるが)。
白ロムの携帯電話は、違法な用途に使われることがあったのでイメージが悪いが、このように、「白ロム」とは、単にSIMカードが入っていない携帯電話やスマートフォンのことである。

よって、私はスマートフォンを買ったとは言っても、ドコモ、au、ソフトバンクといった通信会社とは何の契約もしておらず、当然、月額基本料金や通話料金、使えば加算されるパケット通信料金、その他サービス料金、さらには、最低使用義務期間等、一切無い。
通信のためには、NTTコミュニケーションズが販売しているSIMカード「d LTE980」(3,150円)を購入してスマートフォン内に挿し、月額980円完全固定で、一般的なスマートフォンと同じ、3G/LTEの通信を行っている。1日30MBの通信量を超えれば、通信速度は200Kbpsに制限されるが、それに至ったことはまだないし、200Kbpsあれば、特に不都合ないと思う。ただ、大きなファイル(例えば動画)のダウンロードや、Playストアから大きなアプリケーションのダウンロードをすると、すぐに30MBに達したり、また、200Kbpsでは時間がかかるので、そのような用途では、家にある無線LAN(WiFi)を使う。
ただし、30MBを超えても、200Kbpsに制限されるのは、あくまでその日のうち(深夜0時まで)で、0時には通信速度が回復する。これは、1ヶ月に何MBとかいうのとは違い、非常に気楽で良いと思う。

繰り返すが、私は、スマートフォンを買ったのではなく、5インチのタブレットPCを買ったのだと思っている。
アップル社がiPadというタブレットPCを発売した時は10インチのみだったが、他社が7インチタブレットを出すと、ほとんどの用途では、タブレットPCは7インチで十分であることが分かり、それなら、10インチより圧倒的に持ち運びに便利な7インチが愛好され、たちまち主流になった。「7インチのiPadは出さない」と言っていたアップルも、それは非現実的となり、7インチのiPad miniを発売した。
ところが、そこでまた、新たな出来事が起こる。
韓国サムスン電子が5インチのスマートフォンを発売したことだ。
5インチ画面を持つスマートフォンは大き過ぎるのではと危惧されたが、出してみたら、手の小さな女性にすら受け入れられた。
元々、5インチスマートフォンは、「大きなスマートフォンと言うより、5インチタブレットPC」と言われたが、その通りだ。つまり、タブレットPCは、7インチどころか、5インチでも、ほとんど間に合うということが分かったのだ。百聞は一見にしかず・・・いや、「百見は一験にしかず」(栗山天心さんが言った言葉)だ。体験が何より確実なのだ。
ただ、スマートフォンには、高額な利用料金と、2年使わないと(契約を続けないと)高額な違約金を取られる場合があるといったものがあるところが、7インチタブレットPCと違うところだ。
しかし、白ロムのスマートフォンを買えば、7インチタブレットPCと同じなのである。
だが、現在はまだ、白ロムスマートフォンは、非正規という雰囲気があると思う。
Amazonや楽天等で、新品の白ロムスマートフォンが買えるとはいえ、メーカーの直接販売、あるいは、メーカー指定の販売店からの販売ではない。
だが、私は、Amazonで購入した白ロムスマートフォンが初期不良だったので、ドコモ系のスマートフォンだったからドコモ店に持ち込んだら、事実上、新品に交換してくれた。ドコモ店では、「基盤と外装を交換しました」というが、それは新品に交換したということと同じである。
ただ、ドコモ店では、嫌うという雰囲気ではなかったが、戸惑ってはいた。店員も、NTTコミュニケーションズのSIMカードのことを知らなかったので、私の使い方を不思議(あるいは不審)に思ったようだ。
私は、「1週間でも2週間でも預かってもらって結構ですよ」と言い、また、ドコモ店自体には何の責任もないのだから(もっとも、ドコモ店自体がそう思ったら、販売店失格だが)、初期不良に関する文句は一切言わなかった。こういったことが良いサービスを引き出すコツなのだと思う。
今後は、白ロムスマートフォンが一般化してくるはずだ。総務庁すら、こういった使い方の普及に肯定的だ。それは当たり前で、海外では普通のことなのである。

私が購入したスマートフォンは、富士通のARROWS X F-02Eで、5インチ画面の解像度は1920×1080ドットで、PPI(画素密度)は440以上である。これは、Retina(レティーナ)ディスプレイと呼ばれ、画面の美しさが売り物の1つであるiPhoneの326PPI、10インチiPadの264PPI、AmazonのKindle Fire HD 8.9の254PPI、そして、Googleの新Nexus7の驚異的とも言える323PPIをはるかに上回る。
また、CPUは1.7GHzのクアッドコアで、現在、これ以上のタブレットPCやスマートフォンを私は知らない。
とはいえ、これらは過剰スペックではないかと思えるほどで、私は、4.3インチ1280×720で、1.5GHzのデュアルコアあたりがバランスが良く、バッテリーの持ちも良いのではないかと思う。

1週間ほど使っているが、このF-02Eに不満はない。
F-02Eは、バッテリー消費が激しいと言われることもあるが、確かに、電車の中でよく見る、ずっと指をサルのようにせわしくなく動かして使っているような使い方なら、どんなスマートフォンでも、バッテリー切れに悩むことだろう。
私は、スマートフォンをずっと見ているようなことをすべきでないと思う。そして、私は、特に駅などの人混みでスマートフォンを見ながら歩くのは、犯罪と思っている。昔、丹波哲郎さんが、「自動車からゴミを捨てるのは、自分さえ良ければ良いと思っている人間で、人殺しと変わらない」と言っておられたが、それを思い出すのだ。
私は、普段は、WiFiをOFFにするだけでなく、機内モードにして通信を切っている。
私は、昔から、携帯電話とモバイルモデムを使って、外でPCでインターネットを使っていたので、通信がバッテリーを消費することをよく知っているのだ。
通信をしていないつもりでも、電波を発しているのであり、ONにしているとバッテリーをどんどん消費すると思う。
私は、この美しいディスプレイで、MP4動画をよく見るが、特にバッテリーに不足を感じることもない。
ただ、一応、大容量電池を内蔵した充電器を持っている。ソニーの「CP-F1LSAVP」だ。大きさは、iPhoneなど、普通のスマートフォンと同じくらいである。これは3500mAhの容量(1.5回の充電が可能)だが、倍の7000mAhの「CP-F2LSAVP」もある(10000mAhのもある)。
また、交換バッテリーも安価であるので、工夫すれば、バッテリーで悩む必要はないと思う。

私は、電話に関しては、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)を持っており、今後もずっと使うつもりだ。月額は全て込みで千数百円で済み、バッテリーは極めて長持ちし、通話音質も良い。操作性は、やはり、フィーチャーフォンが圧倒的に良いだろう。通話と簡単なメールができれば良い。スマートフォンにばかり注力する通信会社と違い、PHSの携帯電話に力を入れているウィルコムが良いのではないかと思う。私も、携帯電話はウィルコムに変えるつもりだ。

私は決して電子書籍派ではないが、我が国の素晴らしい文学作品が無料、あるいは、極めて安価に読めるのは、捨て難い面もある。
Androidには、あまり良い青空文庫(著作権の切れた本を、ボランティアの方々の努力で電子書籍にしたもの)のビューアが無いので、AmazonのKindleを使っている。無料である。青空文庫の本も、ほとんどが、Amazonで無料ダウンロードでき、素晴らしいKindleビューアで読めるので有り難い。
ところで、私は、中学1年から2年にかけて、『神曲物語』を愛読していたが、絶版になってしまって残念に思っていたら、Kindle版が出ている。
『神曲』は、原文は詩で、翻訳の際も皆、詩にするのだが、どれも、難しい文体で、普通には見たこともない漢字を使って、荘厳なものにしたがるために、ほとんど読む気にならない場合が多いと思う。
しかし、『神曲物語』は、小説の文章で、しかも分かり易く書かれていて、読みやすく、神曲の面白さがよく分かる。
こんな良い本を絶版にしてはいけない。だから、電子書籍とはいえ、多くの人に読む機会が与えられたことは良いことだ。
神曲は、地獄編、煉獄編、天堂編がそれぞれ33編で、1編ずつが短いので、電子書籍によく合っている。
そして、このKindle版では、注釈がついた語句をタッチすれば注釈に移動し、戻るボタンで戻ってこれる。これは、坂村健さんが開発した国産OSであるTRONの中に、何十年も前から元々あった発想で、ようやく実現したものを見て嬉しく思うのである。

尚、私は、このスマートフォンを使う際に、初めにやったことは、画面にじゃらじゃらはりついていた、余計なアプリを全てアンインストールすることだった。
ほとんどが全く下らない無用なものだった。試しにタッチすると、有料サービスに誘い込み、「同意しますか?」とか、決して誰も読まないはずの「注意」(私は多くを詐欺と思っている)や、いくら読んでも、IT専門家の私でさえ全く意味の掴めない選択を迫られる。正直、これを詐欺と言わず、何と言うのだろう?
すっきりした画面と、Kindleの画面を下にご紹介しておく。
尚、この壁紙は、昨年(2012年)、東京オペラシティーコンサートホールで公演された『イーハトーヴ交響曲』の第5楽章『銀河鉄道の夜』のラストでの、歌い終わった初音ミクちゃんの決めポーズの画像を元に、ごく個人的に作成したものである。

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