私は、幼い頃からアトピー性皮膚炎で随分苦しんだが、食の慎みと腕振り運動で治してしまった。
ところが、一昨年の夏、夏中自宅では冷房を使わず、ひどい汗疹になったのが原因だったかもしれないが、乾癬病になってしまい、まさに、書籍で見る、この病気の写真そのままの状態になり、服を脱ぐと、大袈裟でも何でもなく、剥がれた肌で床が白くなった。
それも数ヶ月で奇跡的に治ったが、最近、これは何なのかもう分からないが、また皮膚病みたいなものになった。
どうも、肌に関わるカルマでもあるのもしれないと思う。
実際、苦しくはあるが、まあ良いと思っている。
最近、常に言っている、黙って耐える良い機会と訓練になるからだ。
形は違うが、『銀河鉄道の夜』のジョバンニの辛い気持ちが分かるような気がして少し楽しいし、冨田勲さんの『イーハトーヴ交響曲』の第5幕『銀河鉄道の夜』の初音ミクの天使の歌声が、いっそう心に響くようにもなったのである。
それに、実際のところ、皮膚病以外においては、完全に健康で強健なのである。

本山博さんという、科学者で宗教家のとても偉い人が、戦時中だった若い頃、重病にかかり、ろくに麻酔も無い中で、耳の周りの骨をノミのようなもので叩いて削るという手術を何度も繰り返し、あまりの苦しさに死にたくなったという。
さらに、手術直後、頭を包帯で巻いて、まだ血も膿も出て酷い臭いもしている中で過酷な訓練をやらされたという。
本山さんは、これを、根性を付ける良い訓練と思ったというが、この経験は、本山さんの偉大な人間性を造る大きな要因になったことは間違いないと思う。
即ち、それは、完全な自己否定であったと思うのだ。
現代は、権利の主張の時代である。個人の利益を守り、さらに、大きな得を限りなく追求する権利が認められるべきだと誰もが思っている。
しかし、ジョバンニには、そんなものはどこにも全くなかった。
ジョバンニの年は明かされていなかったが、多分、小学5年生くらいだろうか?
母親は病気で、父親は行方不明。働き尽くめで、学校でも元気が出ず、タチの悪いクラスメイトにずっと嫌な目に遭わされ、親友のカムパネルラとも仲良くできない。
ジョバンニは不平は言わないが、食事はトマトでちょっと作った程度のものだった。それを作ってくれた姉も、働いているのだろう。
ジョバンニは、黙って耐えていた。

そして、黙って耐えることが、心の奥深くにある良心に目覚める方法なのだと分かるのだ。
14歳の時に聖母マリアに逢ったフランスのベルナデッタ・スビルーは、念願の修道女になったが、病に冒され、立てないこともよくあった。しかし、そんな中でも、彼女は懸命に務めを果たそうとした。ところが、先輩の修道女の中には、ベルナデッタを嫌い、いじめる者もあったようだ。
神はベルナデッタに、「この世で幸せにしてあげることはできないが、あの世で幸せにしてあげます」と言ったという。
ベルナデッタは黙って耐え、ますます、良心を掘り起こしていったのだと思う。
ジョバンニは、人の幸いのためなら、あのサソリのように(ある寓話のお話)、この身を百回焼いても構わないと言い、カムパネルラもそれに同意した。
イエスは、苦しむ者は幸い、貧しい者は幸い、病める者は幸いと言ったが、本当にそうだ。
そして、ジョバンニがそうであったように、私も爽やかな気持ちなのである。
私は、初音ミクの「ケンタウルスよ、露を降らせ」という歌声(『イーハトーヴ交響曲』第5幕『銀河鉄道の夜』)を想うだけで、どんなことも黙って耐えていけると思うのである。









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