竹村健一さんといえば、最近はテレビなどでもあまり見ないので、彼を知らないという人も多いかもしれないが、かつては日本人で知らない人はいないと言われた有名な評論家だ。政治、経済関係が専門だと思うが、何にでも通じたマルチ人間で、時に毒舌ではあるが、関西弁で堂々と喋る気さくな人である。
そして、彼はお堅い人間ではなく、お気楽な部分もあり、時にはいい加減だと言われることもあったが、それは彼の良いところであると思う。
竹村さんは、あの年齢(82歳)の庶民としては珍しく、英語が出来た。ただ、彼は昔から、「僕の英語は大したもんやあらへん。素人に毛が生えた程度や」とよく言われていたし、実際そうなのだと思う。彼が英語で討論をしているのを見た記憶はない。
竹村さんが、英語を生かして通訳や、貿易会社の社員になどなっていたら、普通の人で終ったか、あるいは、さっぱり勤まらなかったかもしれないと思う。
そして、こういったことが、竹村さんの人生哲学に結び付いていると思われる。
私は、社会人の駆け出しの頃、竹村さんの本を読んでいて、こんなことが書かれていたのをよく憶えている。
「人と同じことをしていたら、上にいくのは大変だ。しかし、誰もやらないことなら、すぐに抜きんでることができる」
今考えたら、なんとも貴重な言葉だったと思う。
みんなが一流大学を目指すので、そこに入るのは大変だが、たとえ入れたとしても、毎年何万人も一流大学に入り、卒業するのだ。その中で数人のトップになるなんてのは至難の技であるが、それ以外の人は、所詮、普通の人でありながら、一流大卒という名前以外は何もないという人が多いのである。
世界に通じる日本の芸術家といえば、私には、岡本太郎、池田満寿夫、横尾忠則といった名前が浮かぶ。
その中で、私は、池田満寿夫さんが特に、竹村健一的だなと思う。
池田満寿夫さんは、第2回のビエンナーレ展で招待作家になった時のことを、「銅版画家の数が少なかったから」と正直に述べておられた。
池田さんは、油絵の画家を続けていたら、町の似顔絵屋にもなれなかったと自分で言っておられた。
彼が版画を始めた理由には、単価が油絵より安いので売れるかもしれないからと思った部分もあったと認めているが、やはり、画家は多彩な表現手段を持つべきだと考えたからだろう。だが、他の画家はあまりそう考えないのだ。
また、池田さんは、小説を書いては芥川賞作家になり、映画監督もやったし、後には陶芸作品も創っている。
竹村健一さんは、決して英語の実力でのし上がったのではなく、彼が成功したのは、何でも興味を示し、変なことにも手を出したからだが、池田満寿夫さんにもそんなところが大いにあったのだと思う。
岡本太郎さんや横尾忠則さんなんてのも、まさにそうだったのではないかと思う。
こういった一流の話ばかりだと、我々凡人に適合するかどうか分からないかもしれないが、実は私も、竹村健一流で良い思いばかりしてきた。
私は、コンピュータソフトの開発を生業にしているが、同じような人は掃いて捨てるほどいる。
今は、皆、JavaやC系言語、あるいは、Visual StudioやEclipsといった開発ツールを使うが、同じことをしていたら、なかなか良い思いは出来ない。
私も元々C言語プログラマーだったが、ある時、楽をしようと思ってdbMAGIC(今はMAGIC)を使い始めた。
当時、dbMAGICのキャッチフレーズは、「専門家でなくても、誰でもシステムが作れる」だった(実は今でもだ)。だから、誇り高き専門の開発者は、そんなものに決して手を出さなかったが、私は気にしなかった。竹村健一式に言えば、私のC言語なんて、素人に毛の生えた程度だったからだ。
dbMAGICの使い手が少ないこともあり、これの腕を上げると、全国的とは言わないが、地域では会社を超えて知られるスター開発者みたいなものになった。
そして、製作そのものが楽なツールなので、自然に設計技術が身に付いた。
仕事にも恵まれたが、大手企業や時には一流の開発会社からも指導の依頼が次々舞い込み、向こうが客なのに、私が美人社員付きで接待してもらえることもあった。
また、他の開発者に比べて時間の余裕もあり、いろいろ変わったことにも手をつけ、私の仕事がテレビや新聞の取材を受けたこともあった(ただし、私が前面に出ることは滅多になく、私のシステムを使った企業や、関係の大学教授がインタビューを受けるのだが)。
ただ、dbMAGICは、ある時期、日本ではすっかり下火になり、私もそこから離れた。
今は、やはり、「専門家でなくても、誰でもシステムが作れる」と言われるAccessを使っている。dbMAGICと比べると難しい部分が多いのだが、そんなに悪くない。
他にも、良い開発ツールはあるのかもしれないが、とにかくどれも高い。購入費そのもの(大体60万円から百数十万円)は、1つプログラムを書けば回収できるが、今はサポート費で金を取ろうとするものが多い。自分1人なら良いが、新人を育てるには厳しいと感じる。
それならAccessが一番良いし(実質2万円しない)、仮に(十数年後)これがなくなっても、同じようなものが何かあるだろう。
だが、忘れてならないのは、素人に毛が生えた程度とはいえ、竹村健一さんは英語が出来、池田満寿夫さんは油絵が描けたということだ。
私も、最低限とはいえ、C言語の職業プログラマーだった。
そして、素人に毛が生えた程度でいいから、それができたら、興味の向くまま、何でもやってみることだと思う。
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そして、彼はお堅い人間ではなく、お気楽な部分もあり、時にはいい加減だと言われることもあったが、それは彼の良いところであると思う。
竹村さんは、あの年齢(82歳)の庶民としては珍しく、英語が出来た。ただ、彼は昔から、「僕の英語は大したもんやあらへん。素人に毛が生えた程度や」とよく言われていたし、実際そうなのだと思う。彼が英語で討論をしているのを見た記憶はない。
竹村さんが、英語を生かして通訳や、貿易会社の社員になどなっていたら、普通の人で終ったか、あるいは、さっぱり勤まらなかったかもしれないと思う。
そして、こういったことが、竹村さんの人生哲学に結び付いていると思われる。
私は、社会人の駆け出しの頃、竹村さんの本を読んでいて、こんなことが書かれていたのをよく憶えている。
「人と同じことをしていたら、上にいくのは大変だ。しかし、誰もやらないことなら、すぐに抜きんでることができる」
今考えたら、なんとも貴重な言葉だったと思う。
みんなが一流大学を目指すので、そこに入るのは大変だが、たとえ入れたとしても、毎年何万人も一流大学に入り、卒業するのだ。その中で数人のトップになるなんてのは至難の技であるが、それ以外の人は、所詮、普通の人でありながら、一流大卒という名前以外は何もないという人が多いのである。
世界に通じる日本の芸術家といえば、私には、岡本太郎、池田満寿夫、横尾忠則といった名前が浮かぶ。
その中で、私は、池田満寿夫さんが特に、竹村健一的だなと思う。
池田満寿夫さんは、第2回のビエンナーレ展で招待作家になった時のことを、「銅版画家の数が少なかったから」と正直に述べておられた。
池田さんは、油絵の画家を続けていたら、町の似顔絵屋にもなれなかったと自分で言っておられた。
彼が版画を始めた理由には、単価が油絵より安いので売れるかもしれないからと思った部分もあったと認めているが、やはり、画家は多彩な表現手段を持つべきだと考えたからだろう。だが、他の画家はあまりそう考えないのだ。
また、池田さんは、小説を書いては芥川賞作家になり、映画監督もやったし、後には陶芸作品も創っている。
竹村健一さんは、決して英語の実力でのし上がったのではなく、彼が成功したのは、何でも興味を示し、変なことにも手を出したからだが、池田満寿夫さんにもそんなところが大いにあったのだと思う。
岡本太郎さんや横尾忠則さんなんてのも、まさにそうだったのではないかと思う。
こういった一流の話ばかりだと、我々凡人に適合するかどうか分からないかもしれないが、実は私も、竹村健一流で良い思いばかりしてきた。
私は、コンピュータソフトの開発を生業にしているが、同じような人は掃いて捨てるほどいる。
今は、皆、JavaやC系言語、あるいは、Visual StudioやEclipsといった開発ツールを使うが、同じことをしていたら、なかなか良い思いは出来ない。
私も元々C言語プログラマーだったが、ある時、楽をしようと思ってdbMAGIC(今はMAGIC)を使い始めた。
当時、dbMAGICのキャッチフレーズは、「専門家でなくても、誰でもシステムが作れる」だった(実は今でもだ)。だから、誇り高き専門の開発者は、そんなものに決して手を出さなかったが、私は気にしなかった。竹村健一式に言えば、私のC言語なんて、素人に毛の生えた程度だったからだ。
dbMAGICの使い手が少ないこともあり、これの腕を上げると、全国的とは言わないが、地域では会社を超えて知られるスター開発者みたいなものになった。
そして、製作そのものが楽なツールなので、自然に設計技術が身に付いた。
仕事にも恵まれたが、大手企業や時には一流の開発会社からも指導の依頼が次々舞い込み、向こうが客なのに、私が美人社員付きで接待してもらえることもあった。
また、他の開発者に比べて時間の余裕もあり、いろいろ変わったことにも手をつけ、私の仕事がテレビや新聞の取材を受けたこともあった(ただし、私が前面に出ることは滅多になく、私のシステムを使った企業や、関係の大学教授がインタビューを受けるのだが)。
ただ、dbMAGICは、ある時期、日本ではすっかり下火になり、私もそこから離れた。
今は、やはり、「専門家でなくても、誰でもシステムが作れる」と言われるAccessを使っている。dbMAGICと比べると難しい部分が多いのだが、そんなに悪くない。
他にも、良い開発ツールはあるのかもしれないが、とにかくどれも高い。購入費そのもの(大体60万円から百数十万円)は、1つプログラムを書けば回収できるが、今はサポート費で金を取ろうとするものが多い。自分1人なら良いが、新人を育てるには厳しいと感じる。
それならAccessが一番良いし(実質2万円しない)、仮に(十数年後)これがなくなっても、同じようなものが何かあるだろう。
だが、忘れてならないのは、素人に毛が生えた程度とはいえ、竹村健一さんは英語が出来、池田満寿夫さんは油絵が描けたということだ。
私も、最低限とはいえ、C言語の職業プログラマーだった。
そして、素人に毛が生えた程度でいいから、それができたら、興味の向くまま、何でもやってみることだと思う。
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