IT産業は、栄枯盛衰の移り変わりが実にはっきり見て取れる業界だ。
ビージーズの『メロディ・フェア』という歌で、「人生は雨じゃない、メリーゴーランドのようなものさ」という歌詞があるが、アップルという会社は繁栄の極みにあったかと思うと、地面すれすれまで落ちぶれることもある。今は頂点にあるように見えるが、これほど明日が不確定なIT企業もない。アップルの遠くない未来は、今の製品を強化することなんかでは全くなく、次の大ヒット作を作れるかどうかにかかっている。遅くとも、来年には、まだ誰も見たことのない何かを生み出さないと、また落ちていく。しかし、メリーゴーランドとはそのような運命なのだ。

多少は勢いが衰えた印象もあるかもしれないが、マイクロソフトほど恐ろしい会社はない。
手塚治虫さんは、彼の多くの作品に登場させるクールな悪役ロックについて、「宇宙人のように頭が良い」と表現していたが、ビル・ゲイツという事業家は、悪役ではないが、まさに宇宙人のように優秀な頭脳を持ち、彼が人間界で事業をするのは反則ではないかと、私は本当に思っている。
マイクロソフトは、OS、オフィスソフト、開発ツールといった必要欠くべからざるもので市場を押さえてしまい、その上で、発展性さえあれば、どんな分野にでも乗り出し、結局はそれも攻略してしまう。本当に恐ろしい会社だ。
かつては、マイクロソフトはデータベース分野は全く駄目だったが、今はデスクトップデータベースはAccessでほとんど独占し、企業用データベースでも、かつての覇者オラクルをSQL Serverで逆転してしまった。他にも、そんなものがいくらでもある。
興味深いのは、マイクトソフトOfficeの互換製品がいくら出てきても、一定以上の影響を受けないところだ。ここらは、アップルでは、iPhoneやiPadにとって、他社のスマートフォンやタブレットPCが脅威であるのと異なる。
その理由は実に簡単なのだが(普通の人には難しいが)、マイクロソフトはやはり人間に対する洞察がアップルより深いのだ。

さて、かつて、PCネットワークで市場を支配した、アメリカのノベルという会社がある。
今や見る影もないと言ったら失礼だが、かつての栄光があるだけにそう感じるのだ。
アップルが、ノベルのようにならないためには、スマートフォンやタブレットPCでの競争などにかまけている場合ではない。人々を熱狂させるに足る驚異の新作が間に合うか、そもそも出せるかどうかだ。しかし、ジョブズはもういない。ジョブズは霊界からアップルの誰かにテレパシーを送ってくるのだろうか?
さて、そのノベルのかつての社長で、名前はすっかり忘れてしまったが、彼が言った言葉を憶えている。
「流れに乗れば生き残れる。流れを作り出せば勝てる」
まさに、IT業界の歴史を簡潔にまとめたような言葉だ。
しかし、社長がそういったノベルがさっぱり駄目になったのは何故だろう?
ノベルが努力しなかったからじゃない。
それは、この言葉が間違いだからだ。
アップルもマイクロソフトも、Googleもフェイスブックも流れなんか作っちゃいない。流れを読んだのだ。
ナウシカが誰よりも上手く飛べるのは風を読めるからだ。かつて、優れた航海師は、海の流れと風の流れを誰よりも上手く読めたのだ。
流れを自分で作れるなんていう傲慢な者が滅びるのは当たり前のことなのだ。
中国の易は、世界の流れを読むための霊妙な秘術だ。
宇宙人の宇宙船は、まだ地球人が知らない、宇宙のある流れに乗れるから、どんな遠くの惑星にでも瞬時に着いてしまうのだ。
あなたも、流れを読むことを学ばなければならない。それが出来れば無敵である。

さて、本日から、神戸で横尾忠則現代美術館が開館となる。横尾忠則さんほど成功する芸術家も稀であるが、彼はかつて、アダムスキーの本が自分のバイブルと述べたほど、宇宙人の哲学を敬虔に学んでいたのだ。彼は、宇宙の流れが見える画家なのである。









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