実はこの4月7日からなのだが、私は、「運命は完全に決まっていて、決して変えられない」と堂々と述べるようになった。
多くの人にとって、これは受け入れ難いものであろう。
しかし、もっとすごいものがある。
五島勉さんの『ノストラダムスの超法則死活の書』という本がそれで、五島さんによれば、ノストラダムスの本当の思想が述べられている。
運命は決まっているから受容しろというなら、まだ、「自分の運命はそう悪くはないだろう」と考えることが出来る。
イエスだって、「神が良いものを下さらぬはずがない。安心しろ」と言っていたのだ。
しかし、上記の本では、最悪の運命を受け入れなければならないのである。
偉大なる予言者として知られるノストラダムスのところに、若い騎士が訪ねて来る。美しい乙女を巡って、強力な騎士との決闘を控え、武運を尋ねに来たのだ。
ノストラダムスは、「相手の方が強い。あなたは負けて死ぬ。乙女は敵の騎士のものとなるだろう」と答えた。
若い騎士は、ノストラダムスに感謝して辞した。

現代の話だが、海外で客船が行方不明となり、乗客の家族である日本人が駆けつけた時、現地の事故対策の者達は、家族の人たちに希望を与える励ますは全くせず、「状況は絶望です」と事実をはっきり告げた。日本でなら非難されるかもしれないが、家族の人達は、かえって落ち着いたという。
五島氏は、この話を取り上げておられたが、ノストラダムスの言い方と通じるところがある。
先にも述べたが、偉大な予言者として知られていたノストラダムスのところには、多くの相談事が寄せられていた。
中には、少年かもしれない男から、「好きな娘がいるが、彼女を恋人に出来るか?」というものがあったが、返事が出来る場合、ノストラダムスは、「無理だ。お前などより、ずっとハンサムで素晴らしい男がいるからね」と答えた。

この本は、1994年のもので、推薦者は、竹村健一さんと舛添要一さんだ。
さすが、「分かっている」御二人である。

ゲーテの詩の中に、「最悪の日に生まれた者は、悪い日も心地よい」といったことが書かれていた。私は、高校生の時に読んだが、意味不明ながら強く印象に残っている。
最悪の運命を覚悟していれば、何があっても受け入れられるだろう。
昨今は、大学生が就職活動で百社以上を受けても内定が得られないというのもよくあることらしい。
これに関し、学生の精神的苦痛が問題にされている。
しかし、学生が、「今の状況では、何百社受けても、私程度の能力の者など履いて捨てるほどいるのだから、内定は無理だろう。仕方が無い、日雇いの仕事で食べていこう」と覚悟していれば、別にそれほど苦しまないだろう。甘い期待を持つから辛いのだ。
私など、最初の就職は、行けば誰でも入れてもらえるという、最低のところだった。土日も深夜も働いて給料が出ないこともあった。まして、ボーナスなんてものに縁はなかった。
しかし、それが素晴らしい人たちのいる職場だった。確かに、彼らは世間的には脱落者なのであるが、後に入った、一部上場企業や、一流大学・院卒ばかりの会社の社員達より、能力、人間性共にはるかに優れていた。

ロバート・シュラーが言う「思い通りになるのが人生だ」を奉じていた頃でさえ、私は、「何か自己啓発書を1冊」と言われれば、この『ノストラダムスの超法則死活の書』と思っていた。シュラーは老齢になったが、莫大な借金を抱え、トラブルも多いようだ。彼はその状況を受け入れているだろうか?
『ノストラダムスの超法則死活の書』は絶版ながら、Amazonに古書の出品は多い。
よろしければお奨めしたい。









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