我々は、小学生の時から、学級委員を選ぶようなことで、リーダーを決定する練習をしているのだろう。
合理主義的に公平な観点から言えば、優秀な者をリーダーにするというのが無難であるが、問題もあることはご存知だろう?
いくら優秀でも、人間性が低ければ、リーダーに相応しくない。
しかし、人間性を計ろうとすると、主観が多く入ってしまって、誰の人間性が優れているかなど、分かり難いものだ。
いや、優秀ということにしたって、どんな人間が優秀かなんて、本当は分からないので、試験の成績や学歴なんてものが幅を効かせるのだろう。
猿の世界では、「ディスプレー」というものでリーダーを決める。ディスプレーとは誇示行動のことで、「俺は強いんだ」というアピール行動だ。
とはいえ、動物の世界というのは、案外に合理的で、直接戦うということは、避けられるなら避けるものだ。
それで、身体の大きさや体力に自信のある若いオス猿は、大きな石を池に投げ入れて、その音の大きさで自分の強さを示したり、大木をキックして揺れ具合を自慢したりと、なんだか、人間の幼稚な子供のようだ。
しかし、人間が試験の成績や学歴で競うというのも、これと全く変わらないような気がするのだ。
まして、武力、財力、後ろ盾、人数で威嚇するなど、猿以下と言って間違いないだろう。
ミスター・スポックを知らない世代が増えているだろうが、スポックは、アメリカの1960年代のSFテレビドラマ『スター・トレック』(日本では『宇宙大作戦』)に登場する、地球人とバルカン星人のハーフで、バルカン星人らしい知性、冷静さを備えた超優秀な男だ。
時は23世紀。宇宙船USSエンタープライズ号が宇宙探査に出かけるが、スポックは、この宇宙船の副長で、船長は地球人ジム・カークだ。
だが、船長のカークより、スポックの方が、知能、知識、さらには、身体能力もはるかに優れている。
実際、高性能コンピュータが、ある作戦のチーム編成を指示した時、スポックをリーダーとし、カークに対しては「不要」と判断したことがあった。
だが、カークは優れたリーダーで、スポックは、カークに変わらぬ忠誠と友情を尽くした。
時が流れ、カークが引退し、スポックがエンタープライズ号の船長になるが、銀河の命運を左右するほどの事態が発生した時、スポックは進んでカークに船の指揮権を譲る。戸惑うカークに、スポックは「バルカン星人に面子なんて無いのです。あなたの方が優れているのだから、あなたが指揮をするべきです」と言う。
さて、では、リーダーはどうやって決めれば良いのだろう?
経験、実績はもちろん大切だ。
しかし、直観で選ぶのが一番だ。ただし、直観自体が、人間の最上の能力だ。
構成員が、個人の利害を忘れ、心を1つにし、理屈を超えて、誰もが納得する者・・・それが直観であり、それで選ばれたのが最良のリーダーである。
だが、そんな風にリーダーを決められる組織など、むしろ稀に違いない。
だから、老子も荘子も、「リーダーになるな」と、あえて警告しているのである。
リーダーに相応しい者こそ、本当にリーダーになれば、災いが降りかかることを、賢者はよく知っている。
リーダーは直観で選べと言ったが、それで選ばれるべきリーダーとは、心が最も静かな者である。
あなたが、心を静かにすることが出来るなら、あなたは、いかなる場所でも通用するリーダーだ。
なぜなら、無になれる者は、いかなる状況でも動かせるからだ。彼は、無限の力、無限のエネルギーと共にある。
そして、そうであれば、彼は黒幕に徹するべきだろう。
あるインドの聖者が、「ビジネスにおいてさえ、真に強力なビジネスマンは表に出ない。本当に偉大なものは隠れているものだ」と言ったが、その通りだ。
あなたは、ラマナ・マハルシが示した道を通して、無に至り、どんな力でも起こせるようになるだろう。
だが、あなたは何もしていない。
老子が述べたように、聖人は無為であることで全てを為すのである。
そして、成果に寄りかからず、速やかに去るのである。
そのような強力な存在に、我々は疑いなくなれる。
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合理主義的に公平な観点から言えば、優秀な者をリーダーにするというのが無難であるが、問題もあることはご存知だろう?
いくら優秀でも、人間性が低ければ、リーダーに相応しくない。
しかし、人間性を計ろうとすると、主観が多く入ってしまって、誰の人間性が優れているかなど、分かり難いものだ。
いや、優秀ということにしたって、どんな人間が優秀かなんて、本当は分からないので、試験の成績や学歴なんてものが幅を効かせるのだろう。
猿の世界では、「ディスプレー」というものでリーダーを決める。ディスプレーとは誇示行動のことで、「俺は強いんだ」というアピール行動だ。
とはいえ、動物の世界というのは、案外に合理的で、直接戦うということは、避けられるなら避けるものだ。
それで、身体の大きさや体力に自信のある若いオス猿は、大きな石を池に投げ入れて、その音の大きさで自分の強さを示したり、大木をキックして揺れ具合を自慢したりと、なんだか、人間の幼稚な子供のようだ。
しかし、人間が試験の成績や学歴で競うというのも、これと全く変わらないような気がするのだ。
まして、武力、財力、後ろ盾、人数で威嚇するなど、猿以下と言って間違いないだろう。
ミスター・スポックを知らない世代が増えているだろうが、スポックは、アメリカの1960年代のSFテレビドラマ『スター・トレック』(日本では『宇宙大作戦』)に登場する、地球人とバルカン星人のハーフで、バルカン星人らしい知性、冷静さを備えた超優秀な男だ。
時は23世紀。宇宙船USSエンタープライズ号が宇宙探査に出かけるが、スポックは、この宇宙船の副長で、船長は地球人ジム・カークだ。
だが、船長のカークより、スポックの方が、知能、知識、さらには、身体能力もはるかに優れている。
実際、高性能コンピュータが、ある作戦のチーム編成を指示した時、スポックをリーダーとし、カークに対しては「不要」と判断したことがあった。
だが、カークは優れたリーダーで、スポックは、カークに変わらぬ忠誠と友情を尽くした。
時が流れ、カークが引退し、スポックがエンタープライズ号の船長になるが、銀河の命運を左右するほどの事態が発生した時、スポックは進んでカークに船の指揮権を譲る。戸惑うカークに、スポックは「バルカン星人に面子なんて無いのです。あなたの方が優れているのだから、あなたが指揮をするべきです」と言う。
さて、では、リーダーはどうやって決めれば良いのだろう?
経験、実績はもちろん大切だ。
しかし、直観で選ぶのが一番だ。ただし、直観自体が、人間の最上の能力だ。
構成員が、個人の利害を忘れ、心を1つにし、理屈を超えて、誰もが納得する者・・・それが直観であり、それで選ばれたのが最良のリーダーである。
だが、そんな風にリーダーを決められる組織など、むしろ稀に違いない。
だから、老子も荘子も、「リーダーになるな」と、あえて警告しているのである。
リーダーに相応しい者こそ、本当にリーダーになれば、災いが降りかかることを、賢者はよく知っている。
リーダーは直観で選べと言ったが、それで選ばれるべきリーダーとは、心が最も静かな者である。
あなたが、心を静かにすることが出来るなら、あなたは、いかなる場所でも通用するリーダーだ。
なぜなら、無になれる者は、いかなる状況でも動かせるからだ。彼は、無限の力、無限のエネルギーと共にある。
そして、そうであれば、彼は黒幕に徹するべきだろう。
あるインドの聖者が、「ビジネスにおいてさえ、真に強力なビジネスマンは表に出ない。本当に偉大なものは隠れているものだ」と言ったが、その通りだ。
あなたは、ラマナ・マハルシが示した道を通して、無に至り、どんな力でも起こせるようになるだろう。
だが、あなたは何もしていない。
老子が述べたように、聖人は無為であることで全てを為すのである。
そして、成果に寄りかからず、速やかに去るのである。
そのような強力な存在に、我々は疑いなくなれる。
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