ベジタリアン(菜食主義者)である人、あるいは、ベジタリアンになりたい人。
1日1食あるいは2食である人、あるいは、1日1食あるいは2食にしたい人。
そんな人は、どんな理由からそうであったり、あるいは、そうしたいと思うのだろう?

健康に良いからとか、美容やダイエットのために良いからだろうか?
それなら、肉食や大食が、健康や美容に良ければ、肉食の大食になるのだろうか?

あるいは、水野南北が説いた、粗食(菜食が前提)、少食なら、運が良くなり、経済面、健康面も良くなるということを信じてのことだろうか?
それなら、実はそれとは逆で、美食、大食が幸運を呼ぶなら、美食、大食になるのだろうか?

駅で、「痴漢は犯罪です」というポスターを見たことがある。
犯罪ですというのは、やれば逮捕されるという意味だ。
では、逮捕されるから痴漢をしないのだろうか?
レイプをしないのも、逮捕されないからだろうか?
昔、あるBBS(電子掲示板)で、「レイプは親告罪(被害者が訴えない限り加害者は罪に問われないこと)だから、訴えられないなら犯罪ではないのです」と書いた人がいて、誰も異議を唱えていないことにショックを受けたことがある。

本来は有料である、音楽作品、映像作品、あるいは、小説作品や漫画作品を、無料でダウンロードできるサイトで入手する者が非常に多いようだ。
正直、私の知人にも、悪意は無いのだろうが、そんなことをごく普通にしている人がよくいる。私が、CDやDVDをちゃんと買っていると言うと、馬鹿にされないまでも、驚かれたことがあり、私の方がもっと驚いてしまった。
彼らが、なぜそんなことをするのかというと、「お金を払わなくて済み、得だから」で、それをやっても、別に罪に問われることはないからだろう。
私は、無料ダウンロードも無料視聴も全くしない。以前、一度だけ、海外のサイトだったと思うが、違法公開の『BLOOD-C』のアニメの第2話だけ視聴した後、ひどく後悔して、二度とやらないと誓った。Youtubeは、違法でないものもあるのだろうが、恐くて見れなくなってしまった。

何かの童話で、お妃様が病気になり、魔女に、「王女の心臓を食べれば治る」と言われて、王女を殺そうとしいたといった話があったが、王女を殺しても、王妃の権限で罪に問われないなら、王妃は別におかしなことをしようとした訳でもないのだろうか?

「得だからやる」というのは、みんな同じことなのである。例外は1つもない。

スポーツ選手が厳しい訓練に耐えるのはなぜだろう?
富と名誉のためだ。
そうじゃないと言うなら、「金メダルを取っても、金も表彰も無し、報道もしない」ということになっても、それでもやるという者はどれくらいいるだろう?全くいないとは言わないが、ほとんどいないはずだ。
得だからやっているという者を、もちろん、蔑む必要はないが、特に賞賛する必要もないのではないだろうか?
勇気をくれるって?勇気ってのは、もらうものじゃないのだ。
勇気がある状態が自然なのだ。もし勇気が無いなら、やっぱり得をしようと思っているからだ。

私が1日1食で、肉や魚やお菓子を食べないのは、別に訳があるからではない。2008年の7月末に、不意に思いついてそうしただけだ。今でも、肉も魚もチョコレートも大好きであるが、決して食べない。
肉や魚を食べないと、病気になって運が悪くなるというなら、ますます食べないだろう。

私も、人に少食、菜食を勧める時は、健康や美容、あるいは、開運のためになるからと言うし、それはその通りと思うが、そんな風に薦めても、実践する人はほとんどいないし、少しやるとしても、全然長続きしないのだ。

昔は、原子核の周りを電子が回っているという原子モデルが信じられていた。
今では、それは真実ではないと分かっているが、それでも、それはそれで有用なものだと思う。
その程度のものとして言うなら、人間の魂の周りを心が覆っている。
得をしようと思っていると、その心は穢れ、曇る。すると、魂の輝きは隠れる。魂の輝きとは、知恵であり慈悲であり勇気だ。
『古事記』では、これを、天照大神が天の岩戸に隠れ、高天原も地上も暗くなったことで表している。無知という岩戸を開ければ、輝く魂である天照大神が現れるのである。
江戸末期の偉大な神道家、黒住宗忠が言ったように、我々の魂は、天照大神の魂と一体である。ただ、宗忠の言う天照大神は、古事記に登場する女神の意味もあるが、実際は、宇宙に偏在する根本神であり、浄土三部教の阿弥陀如来、『バガヴァッド・ギーター』のクリシュナに近いと思う。

世間には、「得をしよう」「お得ですよ」の広告宣伝が溢れている。
私はこう言いたい。
「汝、敗れたり。我が後方に退けサタン!」
私は、損をしたいのだ。









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