川内優輝さんという、公務員として忙しい仕事をこなしながら、陸上の長距離ランナーとして優れた実績をあげ、ついに、ロンドン五輪のマラソン代表の有力候補にまでなってしまった人がいる。
川内さんの練習時間や練習方法、練習環境等は、今の時代、プロ・ランナーと言って良い、企業の看板ランナー達と比べ、非常に劣っているが、川内さんは、そんなプロに勝ち続けている。
それはなぜだろう?川内さんが余程の天才なのだろうか?
もちろん、才能はあるのだろうが、それが主な理由ではないと思う。
以前、12歳くらいの天才ピアニストの少女がテレビで取り上げられているのを見たことがあるが、彼女は、1日1時間くらいしか練習しないということで、ピアノに詳しい人々を驚かせた。
たとえ天才級の素質があっても、一流ピアニストになるには、少なくとも1日5時間以上の練習をするというのが常識で、8時間以上というのも珍しくは無いと思う。
川内さんや、この少女は、人間の新しい可能性というものを感じさせてくれると思う。
川内さんの特徴を一言で言えば、「全力全開」というものだ。走り終わった後は、必ず昏睡状態に陥るまで力を出し切る。
体質や神経の異常で、痛みや苦しみを感じないという人間は確かにいるのだが、川内さんは、苦しさはちゃんと感じているようだ。だが、彼は、その苦しさを押して、全力全開で走り切ることに快感を感じるようである。
つまり、それが喜びなのだ。人は、喜びを感じることに、最大の力を注ぐ。それは、内なる衝動と言い換えても良い。
英国の作家コリン・ウィルソンは、いかなる天才と言っても、それは内なる衝動の問題なのだと言ったが、まさにその通りだろう。
ウィルソンは、次のような話を引用する。
世界的な心理学者アブラハム・マズローが扱った事例で、極めて頭脳明晰な女性が、大学卒業後、企業の要職に付き、収入も良かったのだが、彼女は精神を病み、身体にも異常をきたす。マズローは、この女性が、本当は、大学院に進んで研究を続けたがっているのだと見抜く。だが、彼女は、家庭の経済的な事情でそれができなかったのだ。彼女は、全力全開で取り組める状況を求めていたのだ。マズローのアドバイスにより、彼女は働きながら勉強を続けられるような工夫をすることで、心身の健康を回復した。
人にとっての幸福とは、富や栄光ではない。全力全開で取り組めるものを持つことだ。
誰かが、「幸福とは夢中になることだ」と言ったが、それはある意味正しい。
だが、心も身体も全力全開になれる夢中でなければ意味がない。
暗い影を残した夢中の中には魔がいるものだ。著名な文豪が、「人にとっての最大の快楽は、復讐を果たすこと」と言ったが、それは快楽であると同時に苦痛であり、滅びへの道なのだ。
そして、本当の全力全開の中には、自己はいない。考えていたら、全力全開にはなれない。
上で、12歳のピアノの天才少女は、1日1時間しか練習をしないと言ったが、もっと上がいる。政木和三さんは、生まれてから一度も練習をしたことすらなかったが、世界的ピアニストが絶賛する腕前でピアノを演奏した。
政木さんは、自分で作った曲を自分でピアノ演奏したCDも出したが、収録の時、少しだが、「上手く演奏しよう」と思ってしまったと反省したというお話を、ご本人から聞いたことがある。その分、少し演奏の質が落ちたらしい。
そのCDのカップリング曲は、政木さんが作った歌を、中国の天才音楽家ウー・ルーチンが歌ったものだ。ウー・ルーチンは、中国の古典楽器、京胡(ビンイン)の最高の名手としても知られるが、彼は、少年の頃、自主的に1日12時間練習したらしい。これもまた、夢中の全力全開である。
私にとっての、「全力全開」は、『魔法少女リリカルなのは』で、なのはがよく使った言葉としての印象が強い。なのはは、敵ながら、心惹かれる魔導師の少女、フェイトを救うため、フェイトと全力全開の一騎討ちに挑み、フェイトも、なのはの全力全開に応えた。2人の全力全開が、世界を変えたのである。フェイト役の声優で、トップアーチストの水樹奈々さんもよく「全力全開」という言葉を使うようだが、きっとフェイトと一体化したのだろう。
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川内さんの練習時間や練習方法、練習環境等は、今の時代、プロ・ランナーと言って良い、企業の看板ランナー達と比べ、非常に劣っているが、川内さんは、そんなプロに勝ち続けている。
それはなぜだろう?川内さんが余程の天才なのだろうか?
もちろん、才能はあるのだろうが、それが主な理由ではないと思う。
以前、12歳くらいの天才ピアニストの少女がテレビで取り上げられているのを見たことがあるが、彼女は、1日1時間くらいしか練習しないということで、ピアノに詳しい人々を驚かせた。
たとえ天才級の素質があっても、一流ピアニストになるには、少なくとも1日5時間以上の練習をするというのが常識で、8時間以上というのも珍しくは無いと思う。
川内さんや、この少女は、人間の新しい可能性というものを感じさせてくれると思う。
川内さんの特徴を一言で言えば、「全力全開」というものだ。走り終わった後は、必ず昏睡状態に陥るまで力を出し切る。
体質や神経の異常で、痛みや苦しみを感じないという人間は確かにいるのだが、川内さんは、苦しさはちゃんと感じているようだ。だが、彼は、その苦しさを押して、全力全開で走り切ることに快感を感じるようである。
つまり、それが喜びなのだ。人は、喜びを感じることに、最大の力を注ぐ。それは、内なる衝動と言い換えても良い。
英国の作家コリン・ウィルソンは、いかなる天才と言っても、それは内なる衝動の問題なのだと言ったが、まさにその通りだろう。
ウィルソンは、次のような話を引用する。
世界的な心理学者アブラハム・マズローが扱った事例で、極めて頭脳明晰な女性が、大学卒業後、企業の要職に付き、収入も良かったのだが、彼女は精神を病み、身体にも異常をきたす。マズローは、この女性が、本当は、大学院に進んで研究を続けたがっているのだと見抜く。だが、彼女は、家庭の経済的な事情でそれができなかったのだ。彼女は、全力全開で取り組める状況を求めていたのだ。マズローのアドバイスにより、彼女は働きながら勉強を続けられるような工夫をすることで、心身の健康を回復した。
人にとっての幸福とは、富や栄光ではない。全力全開で取り組めるものを持つことだ。
誰かが、「幸福とは夢中になることだ」と言ったが、それはある意味正しい。
だが、心も身体も全力全開になれる夢中でなければ意味がない。
暗い影を残した夢中の中には魔がいるものだ。著名な文豪が、「人にとっての最大の快楽は、復讐を果たすこと」と言ったが、それは快楽であると同時に苦痛であり、滅びへの道なのだ。
そして、本当の全力全開の中には、自己はいない。考えていたら、全力全開にはなれない。
上で、12歳のピアノの天才少女は、1日1時間しか練習をしないと言ったが、もっと上がいる。政木和三さんは、生まれてから一度も練習をしたことすらなかったが、世界的ピアニストが絶賛する腕前でピアノを演奏した。
政木さんは、自分で作った曲を自分でピアノ演奏したCDも出したが、収録の時、少しだが、「上手く演奏しよう」と思ってしまったと反省したというお話を、ご本人から聞いたことがある。その分、少し演奏の質が落ちたらしい。
そのCDのカップリング曲は、政木さんが作った歌を、中国の天才音楽家ウー・ルーチンが歌ったものだ。ウー・ルーチンは、中国の古典楽器、京胡(ビンイン)の最高の名手としても知られるが、彼は、少年の頃、自主的に1日12時間練習したらしい。これもまた、夢中の全力全開である。
私にとっての、「全力全開」は、『魔法少女リリカルなのは』で、なのはがよく使った言葉としての印象が強い。なのはは、敵ながら、心惹かれる魔導師の少女、フェイトを救うため、フェイトと全力全開の一騎討ちに挑み、フェイトも、なのはの全力全開に応えた。2人の全力全開が、世界を変えたのである。フェイト役の声優で、トップアーチストの水樹奈々さんもよく「全力全開」という言葉を使うようだが、きっとフェイトと一体化したのだろう。
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思い出して書きました。
コニー・タルボットちゃんの歌声を
youtubeでもし良かったお聞きしてみたください。