子供の時に読んだ漫画の中で、性格がねじれていて友達がいないという中学生の男子がいたのだが、彼が、学園生活を特に困難なく過ごしていたり、修学旅行に不都合なく参加しているのを見て、非常に違和感を感じた。この漫画の著者は、友達がないことが本当はどういうことか、まるで理解していないのだろう。

他の漫画やアニメでも、友達がいない美少女の寂しさ、悲しさが哀感もって描かれ、涙誘うに十分なものも多いのだが、やはりどれも現実味がない。
ところが、平坂読さんの「僕は友達が少ない」という小説は、基本的には娯楽作品なのであろうが、私が知る限りでは、友達がいないことの実際に関しては非常にリアリティーがある唯一の創作作品である。それが著者の体験でないとしても、そいういったことが本当に分かる人をしっかり取材したのだろうと思う(著者は、自分も友達が少ないことを折りに触れて書いてはいる)。それが、主人公の高2男子に起こったことであれば、「お前も大変だなあ。まあ、負けるな」といった感じで読んでいられるが、ヒロインの少女達のこととなると、とてもいたたまれなく感じる。別に女の子をひいきするというのではなく、男の場合は、そうやって鍛えられることも良い一面はあるのだし、それは、女の子の場合にも言えなくもないが、やはり、女の子の場合は、見るに耐えないと感じる。

尚、全くの創作ではなく、実話や、実話を元にした作品もあるが、それらの中には本当に深刻なものもある。たとえば、絵本の「わたしのいもうと」がそうであるが、まさに救いようのない悲惨なもので、そんなものを読むと、もう人類は滅んでもいいやと、私は本気で思うのである。
だが、いくらか軽く描いた「僕は友達が少ない」でも、それに通ずるようなところは十分にある。

例えば、友達がいないと、学校の遠足や修学旅行が楽しくないというだけでなく、いろいろな試練が降りかかる。まず、バスや電車で、座る場所があらかじめ決められていれば、隣の人の迷惑そうな視線に数時間黙って耐えればいいだけであるが、「好きなように座れ」などと言われたら、どこに座ったらいいのか分からない。「僕は友達が少ない」でも、ヒロインの1人が、遠足や修学旅行のグループ分けで困った経験を話す場面がある。彼女は、美少女で優秀で、その上、家が金持ちでプライドが高く、クラスの余り者を寄せ集めたグループに入れられるのが屈辱であったのだが、まあ、そんなことも実際にあると思う。私の場合は、自分が余り者以下だったので、そこにでも入れてもらえれば文句はなかったのであるが。
ちなみに、大人になってからの社員旅行であれば、電車やバスでは、男なら、1人で堂々と2人分の席を占有するふてぶてしさが欲しいが、実際は、なかなかそうもいくまい。これに関しては、竹村健一さんは、「嫌な思いをしてまで社員旅行なんか行くな。だが、最初からきちんと断れ」と著書に書かれていたのを憶えている。私もそうすべきと思う。ただ、私は、2座席(あるいは3座席)占有派、ホテルでも1部屋占有派である。やり方は、以下の通り。

友達がいないと、学校や集団組織は戦いの場である。いや、その考え方が間違えていると言われれば、認めざるをえいない。しかし、現実に出来る対処をしないと命を落とすこともある。
では、どうするか?
最近は聞かなくなったが、栗山天心さんという、教育関連の事業家がいた。かなり成功されていたのだが、本当にどうしたのだろう。彼の本はどれも素晴らしかった。ある本で、栗山さんは、古くからある格言を現代風に直していたが、それらがことごとに味わい深かった。
例えば、「百見は一験にしかず」「歩かぬ犬は棒にも当たらぬ」「危ない橋も走って渡れ」「棚が無ければボタモチ落ちず」「思い立たねば吉日は来ぬ」・・・ずっと昔に読んだものなのに、スラスラ出てくる。栗山さんが実践の中で導き出した人生哲学であり、本物であると思う。
その中で、「能ある鷹は爪を磨く」というものがあった。これは、あまりひねりのない、当たり前のような言葉であるが、次のような説明が実に印象的だった。
「大きな銃を持った大人より、ナイフをいつも磨いている少年の方が不気味なのだ。」

つまり、強い雰囲気、凄味、迫力、波動、オーラをまとうことだ。
なんでもいいから、自分で探し、良いと思ったものを磨きに磨くことだ。
私は、多くの強力な人物達に逢った時、彼らが、「生きるための武器を持て」と言うのをよく聞いたものだ。そして、その武器が本物になるほど磨かれた時、あなたは、強い雰囲気、迫力、オーラをまとう。

オーラ(AURA)とは、雰囲気、霊気、霊的エネルギーという意味である。
我々は、生きるための武器を自分で磨きに磨くことにより、武器そのものを超えた霊気をまとうのである。それは、人を超えるがゆえに、誰もあなたに敵しえない。
マイナスの理由にしろ、AURAをまとう決意をするなら幸いである。







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