1969年に、アポロ11号により人類が始めて月に降り立ったアメリカのアポロ計画で、よく宣伝された「シックス・ナイン(69)」と呼ばれる数字がある。
成功率が99.9999パーセントであるという、9が6つ並ぶというものだ。この数字はよく知られていたが、それが、「具体的には何の成功率」で、さらに、「どんな根拠に基く」ものであるか分かる人は、おそらくほとんどいまい。しかし、それが、人々にアポロ計画に対する肯定的なイメージを与えるのに、絶大な効果を発揮したことは間違いない。
アメリカというのは、広告宣伝の国だ。科学的で、かつ、芸術的とまで言われるほどまでに磨き抜かれたその宣伝技法は、かのルーズベルト大統領をして、生まれ変わったらコピーライティング(広告文章)をやりたいと言わせたほどだ。
メディアの効果的な活用については、なんといってもヒットラーが有名で、今の時代に彼がいたら、さぞ、Facebookなどのソーシャルメディアを見事に活用したことだろう。
アメリカ政府に限らないが、、政治活動や企業活動などでも、ヒットラーの手法を研究したということは十分に考えられる。
良いとは言わないが、「シックス・ナイン」のような言葉のトリックをロケットに使うのは、まだましだ。しかし、それを原子力発電に使ってはならない。
ところで、アポロ11号で初めて人類を月に送ったアポロ計画であったが、、その次の次の、アポロ13号は早くも失敗しており、「シックス・ナイン」が宣伝でしかない空論であることが分かってしまう。飛行士の命こそ救えたが、それはほとんど奇跡であった。とてもではないが、安全に関しても「シックス・ナイン」とは言えない。
宇宙ロケットであれば、犠牲になるのは、ある程度の危険は覚悟しているであろう、勇敢な宇宙飛行士だ。言い方は悪いが、彼らにとって、成功した時の見返りも大きい。
1986年、スペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げ73秒後に空中分解し、7名の飛行士が犠牲になった時、当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンは、テレビで、「皆さん、悲しかったでしょう。私も妻のナンシーと悲しみました」と、国民に語りかけた。レーガンは、元ハリウッド俳優であるだけでなく、話術の天才で、アナウンサーとしても成功している。レーガンの話には、明るく、肯定的で希望を与える力があり、この悲劇的な事故にも、「悲しみを乗り越え、さらに、スペースシャトル計画を推進しよう」という情熱を国民に訴え、説得してしまった。
そして、オバマ大統領は、演技力ではレーガンに及ばないとしても、彼はディベート(討論技術)の天才だ。
その彼が、原子力発電推進を行わざるを得ないことに、恐ろしいものを感じるのは当然である。
現実として、さきほどのスペースシャトルのチャレンジャー号、そして、コロンビア号(2003)の事故で、共に7名の飛行士の貴い命が犠牲になった時も、アメリカ国民でさえ、大多数は美味しくディナーを食べたことだろう。
宇宙ロケットに危険はつきものだという認識も、ある程度は理解できるということもあるかもしれない(実際は、あってはならないが)。
しかし、身近で、いや、極めて遠方とは言えない場所で原発事故が起きたなら、決してそうではないだろう。
日本がアメリカに追従しなければならないというような問題ではない。
アーサー・ケストラーは、西暦は古い暦であり、広島に原爆が投下された西暦1945年をPH(ポスト・ヒロシマ)元年とする新しい暦が当然と述べていた。それほどの重大事でありながら、実際は、アメリカ国民に原爆に関する理解はほとんど無かった。
では、1986年のチェルノブイリ原発事故をPC(ポスト・チェルノブイリ)元年とすべきであったかもしれない。
日本は、西暦2011年をPHのリベンジとするかのように、PF(ポスト・フクシマ)を制定しなければならないかもしれない。それとも、いまだ人類は賢くなく、次のP(X)を待つしかないのだろか?
しかし、次はあるのだろうか?
星新一さんの小説に、こんな話があった。子供の頃に読んだきりなので、詳細は憶えていないが、だいたいこんな内容だ。
未来社会では、死刑囚は、卵のような装置を1つ持たされ、火星に追放されることになる。この小説では火星に水はないが、その卵についたボタンを押すと水が出る。しかし、何度目かは分からないが、いずれ、ボタンを押すと、卵は爆発し、囚人は死ぬ。つまり、その時で死刑完了だ。
水を飲まずに渇いて死ぬもよし、何度か水を飲んで爆死するもよしという訳だ。精神的苦痛もまた、囚人への罰なのだろう。
あなたなら、この卵のボタンを押せるだろうか?
原発も、宇宙ロケットも、この卵と変わらない。
事故はいつか確実に起こるのだ。その可能性が百万に1つとしても、それが100年後か明日かは分からない。その百万に1つというのが、まさに、シックス・ナイン(99.9999%)だが、アポロ宇宙船は実質上、3回目で当たったということだ。
我々は、恐怖を味わうべき囚人という訳なのである。
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成功率が99.9999パーセントであるという、9が6つ並ぶというものだ。この数字はよく知られていたが、それが、「具体的には何の成功率」で、さらに、「どんな根拠に基く」ものであるか分かる人は、おそらくほとんどいまい。しかし、それが、人々にアポロ計画に対する肯定的なイメージを与えるのに、絶大な効果を発揮したことは間違いない。
アメリカというのは、広告宣伝の国だ。科学的で、かつ、芸術的とまで言われるほどまでに磨き抜かれたその宣伝技法は、かのルーズベルト大統領をして、生まれ変わったらコピーライティング(広告文章)をやりたいと言わせたほどだ。
メディアの効果的な活用については、なんといってもヒットラーが有名で、今の時代に彼がいたら、さぞ、Facebookなどのソーシャルメディアを見事に活用したことだろう。
アメリカ政府に限らないが、、政治活動や企業活動などでも、ヒットラーの手法を研究したということは十分に考えられる。
良いとは言わないが、「シックス・ナイン」のような言葉のトリックをロケットに使うのは、まだましだ。しかし、それを原子力発電に使ってはならない。
ところで、アポロ11号で初めて人類を月に送ったアポロ計画であったが、、その次の次の、アポロ13号は早くも失敗しており、「シックス・ナイン」が宣伝でしかない空論であることが分かってしまう。飛行士の命こそ救えたが、それはほとんど奇跡であった。とてもではないが、安全に関しても「シックス・ナイン」とは言えない。
宇宙ロケットであれば、犠牲になるのは、ある程度の危険は覚悟しているであろう、勇敢な宇宙飛行士だ。言い方は悪いが、彼らにとって、成功した時の見返りも大きい。
1986年、スペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げ73秒後に空中分解し、7名の飛行士が犠牲になった時、当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンは、テレビで、「皆さん、悲しかったでしょう。私も妻のナンシーと悲しみました」と、国民に語りかけた。レーガンは、元ハリウッド俳優であるだけでなく、話術の天才で、アナウンサーとしても成功している。レーガンの話には、明るく、肯定的で希望を与える力があり、この悲劇的な事故にも、「悲しみを乗り越え、さらに、スペースシャトル計画を推進しよう」という情熱を国民に訴え、説得してしまった。
そして、オバマ大統領は、演技力ではレーガンに及ばないとしても、彼はディベート(討論技術)の天才だ。
その彼が、原子力発電推進を行わざるを得ないことに、恐ろしいものを感じるのは当然である。
現実として、さきほどのスペースシャトルのチャレンジャー号、そして、コロンビア号(2003)の事故で、共に7名の飛行士の貴い命が犠牲になった時も、アメリカ国民でさえ、大多数は美味しくディナーを食べたことだろう。
宇宙ロケットに危険はつきものだという認識も、ある程度は理解できるということもあるかもしれない(実際は、あってはならないが)。
しかし、身近で、いや、極めて遠方とは言えない場所で原発事故が起きたなら、決してそうではないだろう。
日本がアメリカに追従しなければならないというような問題ではない。
アーサー・ケストラーは、西暦は古い暦であり、広島に原爆が投下された西暦1945年をPH(ポスト・ヒロシマ)元年とする新しい暦が当然と述べていた。それほどの重大事でありながら、実際は、アメリカ国民に原爆に関する理解はほとんど無かった。
では、1986年のチェルノブイリ原発事故をPC(ポスト・チェルノブイリ)元年とすべきであったかもしれない。
日本は、西暦2011年をPHのリベンジとするかのように、PF(ポスト・フクシマ)を制定しなければならないかもしれない。それとも、いまだ人類は賢くなく、次のP(X)を待つしかないのだろか?
しかし、次はあるのだろうか?
星新一さんの小説に、こんな話があった。子供の頃に読んだきりなので、詳細は憶えていないが、だいたいこんな内容だ。
未来社会では、死刑囚は、卵のような装置を1つ持たされ、火星に追放されることになる。この小説では火星に水はないが、その卵についたボタンを押すと水が出る。しかし、何度目かは分からないが、いずれ、ボタンを押すと、卵は爆発し、囚人は死ぬ。つまり、その時で死刑完了だ。
水を飲まずに渇いて死ぬもよし、何度か水を飲んで爆死するもよしという訳だ。精神的苦痛もまた、囚人への罰なのだろう。
あなたなら、この卵のボタンを押せるだろうか?
原発も、宇宙ロケットも、この卵と変わらない。
事故はいつか確実に起こるのだ。その可能性が百万に1つとしても、それが100年後か明日かは分からない。その百万に1つというのが、まさに、シックス・ナイン(99.9999%)だが、アポロ宇宙船は実質上、3回目で当たったということだ。
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CO2排出量も今の火力発電の3割減で設備も普通の発電所に比べ随分小さくできるそうです。
原発は現在する発電形態の中で一番コストがかからない(実際廃炉後考えると採算合うか分かりませんが)という面からみてもまさに、今の原発はそれで食べている人のために続行している産物のように思えますね。私的にはそんなに企業の利益や電気による恩恵が人の命より大切なのかと憤りさえ感じます。
こんなに原発が絶対必要だと言うなら都会の真ん中にでもつくればいいと思います。
今回は最後の警告なんじゃないでしょうか?今回の天災や人災を見ているとクランプのXというマンガを思い出しちゃいました。