岡山県の株式会社林原およびグループ4社が、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)という、何やら難しいものを申請し、受理されたという。早い話が、借金を返せずに破産したということだろう。
林原には、政木和三さんがご存命の頃、その会社にあった政木さん(肩書きは参与)の研究所に2度ばかり訪問したことがあり、今回の件に驚いている。
林原は株式を公開しない親族経営というところは、例えばサントリーと同じであるが、有名な企業としてはかなり小規模な会社だ。
入社試験は無く、社員はほぼ全員、地元岡山での縁故採用という。
株式を公開しない、そこそこの規模の企業というのは、うまくいっているなら、事業内容そのものに信念を持っている経営者にとっては理想的なものと思う。
何と言っても、投資家の顔色をいちいちうかがわずに済む。
普通、投資家は、「この会社は世のためになるので、自分は儲からなくても、人々のために資金を提供しよう」なんてことは思っていない。あくまで、利益を目的に投資しているのであり、しかも、大半は、すぐに儲かることを期待している。10年、20年といった長い期間で大きな利益になることを目指しているのは、投資家の中でも一流のプロであるが、そんな投資家は多くは無い。極端に言えば、明日の100億より今日の5千万円だ。必然的に投資家は口やかましく、経営者にとって、有り難くはあっても煩わしいものといったところだ。
企業というのは、研究開発型の場合はもちろんだが、どんな業種でも、色々な意味で、研究、実験を行う必要がある。
しかし、投資家に常に収益情報を公開する必要がある株式上場企業(公開企業)の場合、長期間での成果ではなく、常に成果を出すことを求められる。例えば2~3年ごとに新しいヒット商品を次々と出し続けないといけない。しかし、良い商品には、10年、20年の研究が必要なものも少なくない。2~3年で成果を出すことを求められる研究者は、満足な研究が出来ず、やる気を無くしてしまうことが少なくない。超巨大企業なら、資金に余裕があるので、特に優秀な研究者に短期的な成果を期待せず、存分に研究に没頭させるといったところもあるが、それが必ずしも良い成果を得るとは限らない。
良い研究開発には、必ずしもそうではないが、巨額の資金が必要な場合が多く、軍需事業で国家からの資金が得られるのでもない限り、その費用を効率的に集めるための株式会社であり、上場のメリットは圧倒的だ。
林原は、長く、新しいヒット商品がなく、研究開発のために借金をして資金をつぎ込んだが、思うように売れるものが作れなかったということだ。
早く上場して資金を集めれば良かったと思われるかもしれないが、それでは、経営者の信念に従った経営ができないということなのだろう。林原は営利企業であると同時に、人類の幸福のために奉仕するという崇高な理念で運営されていたが、大半の投資家にとって、そんなことはどうでも良く、たとえ、人類のためにならなくても、よく売れて株価が上がることを期待するものだ。
林原は、今はこんな状態だが、すぐに人類を救うような素晴らしい製品が出るのだろうか、それとも、既に企業としての役割は終わっているのだろうか?
あるいは、利益のための投資で事業を行うということ自体が過去のものとなったのかもしれない。
今は、親が子供に、主に教育に関して投資することは、その子の真の幸福や、ひいては人類の幸福のためでなく、自分や子供の物質的利益や見栄のためであることがほとんどで、結果、教育、子供、社会の悲惨の原因となっている。そんな教育投資なら、むしろ無い方が良い。事業も同じではないだろうか?欲望の投資から、人類を幸福にするような事業や製品は生まれてはこないはずだ。
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林原には、政木和三さんがご存命の頃、その会社にあった政木さん(肩書きは参与)の研究所に2度ばかり訪問したことがあり、今回の件に驚いている。
林原は株式を公開しない親族経営というところは、例えばサントリーと同じであるが、有名な企業としてはかなり小規模な会社だ。
入社試験は無く、社員はほぼ全員、地元岡山での縁故採用という。
株式を公開しない、そこそこの規模の企業というのは、うまくいっているなら、事業内容そのものに信念を持っている経営者にとっては理想的なものと思う。
何と言っても、投資家の顔色をいちいちうかがわずに済む。
普通、投資家は、「この会社は世のためになるので、自分は儲からなくても、人々のために資金を提供しよう」なんてことは思っていない。あくまで、利益を目的に投資しているのであり、しかも、大半は、すぐに儲かることを期待している。10年、20年といった長い期間で大きな利益になることを目指しているのは、投資家の中でも一流のプロであるが、そんな投資家は多くは無い。極端に言えば、明日の100億より今日の5千万円だ。必然的に投資家は口やかましく、経営者にとって、有り難くはあっても煩わしいものといったところだ。
企業というのは、研究開発型の場合はもちろんだが、どんな業種でも、色々な意味で、研究、実験を行う必要がある。
しかし、投資家に常に収益情報を公開する必要がある株式上場企業(公開企業)の場合、長期間での成果ではなく、常に成果を出すことを求められる。例えば2~3年ごとに新しいヒット商品を次々と出し続けないといけない。しかし、良い商品には、10年、20年の研究が必要なものも少なくない。2~3年で成果を出すことを求められる研究者は、満足な研究が出来ず、やる気を無くしてしまうことが少なくない。超巨大企業なら、資金に余裕があるので、特に優秀な研究者に短期的な成果を期待せず、存分に研究に没頭させるといったところもあるが、それが必ずしも良い成果を得るとは限らない。
良い研究開発には、必ずしもそうではないが、巨額の資金が必要な場合が多く、軍需事業で国家からの資金が得られるのでもない限り、その費用を効率的に集めるための株式会社であり、上場のメリットは圧倒的だ。
林原は、長く、新しいヒット商品がなく、研究開発のために借金をして資金をつぎ込んだが、思うように売れるものが作れなかったということだ。
早く上場して資金を集めれば良かったと思われるかもしれないが、それでは、経営者の信念に従った経営ができないということなのだろう。林原は営利企業であると同時に、人類の幸福のために奉仕するという崇高な理念で運営されていたが、大半の投資家にとって、そんなことはどうでも良く、たとえ、人類のためにならなくても、よく売れて株価が上がることを期待するものだ。
林原は、今はこんな状態だが、すぐに人類を救うような素晴らしい製品が出るのだろうか、それとも、既に企業としての役割は終わっているのだろうか?
あるいは、利益のための投資で事業を行うということ自体が過去のものとなったのかもしれない。
今は、親が子供に、主に教育に関して投資することは、その子の真の幸福や、ひいては人類の幸福のためでなく、自分や子供の物質的利益や見栄のためであることがほとんどで、結果、教育、子供、社会の悲惨の原因となっている。そんな教育投資なら、むしろ無い方が良い。事業も同じではないだろうか?欲望の投資から、人類を幸福にするような事業や製品は生まれてはこないはずだ。
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株主・社長というと、どっしりとして多少のことにはたじろがない。
社員のミスも注意はするが長い目で見て育てる…というイメージでした。
味噌も今は薄利多売で、化学合成添加物を入れて1.2ヵ月で出来たものばかりです。
昔ながらの作り方、まぁ1.2年ねかして味噌、3年以上は薬の世界。
天然の抗生物質になります。
晩器大成を心待ちにして、金は出しても口出さず。
薬になるような大物は希少価値なのですね。
世知辛い世の中です。
流れかもしれません。
ね~~