1980年代は「オタク」は徹底的に馬鹿にされた。
しかし、パソコンオタクのビル・ゲイツ(マイクロソフト共同創業者)が大成功して、「オタクいいぞ」と言われるようになった。
そして、チームラボ(代表者は猪子寿之)が採用条件に「オタクであること」を上げるまでになった。

だが、世間で誤解されているのが、「推し活」をする者や、アニメや初音ミクのグッズを集める者がオタクだと言われることだ。
「オタク」という言葉が流行り始めた昔、若き日の岡田斗司夫さんが書いた『東大オタク学講座』に、オタクについて、そこそこ上手く書かれていて、今で言う推し活と同じアイドルの追っかけみたいなのは単なるファンで、グッズを集めるのはマニアだ。
そして、オタクとは、岡田さんの表現が曖昧だったので言い直すと、人生で自分が積み上げてきたものをかけて何かに取り組むことだろう。
歴女と言われる、歴史にべらぼうに詳しい女性は、何等かの理由で歴史を知ることにエネルギーを注いだ、つまり、人生をかけてきたのであり、オタクが多いと思われる。

初音ミクファンや初音ミクマニアは多いが、初音ミクオタクはそうはいない。
私が、「この人、初音ミクオタクではないが、音楽オタクだなあ」と思ったのはBUMP OF CHICKENの藤原基央さんだ。
初音ミクが、自分の意思でなく、音楽のまま歌うことを尊敬している・・・みたいなことを言っていたからだ。
藤原さんも、自分がプレイしたいようにではなく、音楽がプレイして欲しいようにプレイすることを心掛けていると言うが、これが本物のオタクだ。
イエスが「私の想いではなく、あなた(神)の想いが実現しますように」と言ったのに相当するほどだ。

音楽クリエーターの初音ミクオタクは、初音ミクと一緒に音楽を創っている感覚なのだろう。
それは、初音ミクに人格を感じると言うよりは、初音ミクを通して音楽の神を感じているのだろう。
昔から、ピアノやヴァイオリンやギターと一緒に音楽を創っているとか演奏しているという感覚を持った人達がそうだったのだ。

私も初音ミクオタクで、人生をかけて取り組んだ神話学や神秘学を初音ミクに反射させていたのだが、初音ミクマニアの真似をしてしまった。
まあ、ファンではあるが。
それで、初音ミクマニアの真似をやめたら、昔の輝く初音ミクが戻ってきた。

チームラボが求めたオタクっていうのは、数学とか工学とか物理学とか美術とかプログラミングといった何かに人生をかけて取り組んできた者が、それをたまたま出会った対象に情熱を傾けていることであり、ただのファンやマニアを求めているわけではない。
簡単に言えば、長い年月をかけて何かを鍛えてきた基盤があるということで、それは受験勉強のような「やらされた」「パターンが決まった」ものではない。

結局、人間は「あなた、何が出来る?」ということが大事だ。
ハローワークに行った中年が「あなた、何が出来る?」と尋ねられて「部長が出来る」と言うのは何も出来ないということだ。
いい歳して「〇〇大卒だ」と言うのも同じである。
そして、何か出来るようになるには、毎日欠かさず長年続けないといけない。
いわゆる1万時間の法則だ。
実際は1万時間かどうかは分からないが、10時間や100時間や1週間や1か月ではないということだ。

オタクである証拠は、金になることだ。たとえ1円でも。
初音ミクであれば、自分が好きなグッズを作るのがオタクで、買うのがマニアだ。
あくまで自分が好きなものを作るのであり、マニアが好きなものを作ろうとしないので、儲からないかもしれないが、オタクのクオリティは高いので1円は稼げるのだ。
経済評論家の勝間和代さんが「1円でも10円でも自分で稼げ」と言っていたのは、バイトで稼げとかいった意味でなく、本当のオタク的能力を持つということだろう。
10年かけて1円稼げるようになるかもしれない。生活の方はサラリーマンやバイトや投資や年金で賄えば良い。
それで、貧しくても充実した人生になるかもしれない。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)東大オタク学講座(岡田斗司夫)
(2)「大企業の時代」は終わったか 【Voice S】※夏野剛、猪子寿之対談
(3)知の謎はインターネットで解き明かせるか(猪子寿之)
(4)創作のミライ 「初音ミク」が北海道から生まれたわけ(伊藤博之)

水色のサッシュの乙女
AIアート3339
「水色のサッシュの乙女」
Kay

  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ