日本人の精神の土台に影響を与えた・・・いや、土台になっているかもしれない昭和のアニメを振り返ると、気になることがある。
鉄腕アトム、ドラえもん、パーマン、サイボーグ009・・・ヒーロー達は凄い能力を持っているのだが、それは努力して得た能力ではなく「ぱっと」与えられたものばかりだ。
1967年の『サイボーグ009』のアニメ映画で、ヒーローの009にギルモア博士が言った言葉を、私は大問題だと思っている。
「009、君はサイボーグ達のリーダーだ。なぜなら、最も優れた能力を持っているからだ」
それに対し、009はあっさり「わかりました!」と了承する。
いや、その優れた能力は、009こと島村ジョーが眠っている間に改造されて得ただけだ。
『ドラえもん』ののび太など、ドラえもんのスーパーグッズで得をするだけで、全く努力しないので一生駄目人間のままらしい。そんなのび太が、しずかちゃんのような高嶺の花の美少女と仲良くなれたのは、ドラえもんのグッズのおかげだ。いくら彼が優しい人でも、ドラえもんのグッズがなければ、しずかちゃんと口を利くことも出来なかっただろう。

こんなのを見た日本人がロクなものになるはずがない。
実際、今の日本で「親ガチャ」という言葉が流行り、豊かな家に生まれることが人生を決めると思われていて、実際にそんな国になっている。

いや、昭和には、『巨人の星』『あしたのジョー』あるいは『タイガーマスク』といった梶原一騎のスポ根アニメがあり、その影響で生まれた沢山のスポ根のアニメやドラマがあると言いたい人もいるかもしれないが、これらのスポ根ものがまた大問題だ。
努力の内容が荒唐無稽というか、もうデタラメ、無茶苦茶で、努力の本質をドブに捨て去ってしまっている。
努力とは地道で、誰でも出来ることを長く続けることだという、基本中の基本を完全に否定しているのだから。
そして、実際に日本を発展させてきたのは、地道な努力をした人々だ。
まともな感覚の持ち主は、上記の漫画、アニメ、ドラマに強烈な違和感、偽物感、馬鹿らしさを感じ、大衆がこれらを称賛するのに怯え、絶望すら感じるほどだったのである。

引き寄せにだって悪影響が見られる。
特別な方法や呪文さえ教えてもらえば、何の努力をしなくてもぱっと願望が叶うと思う者が多いのだ。
努力とは、スポ根アニメのような常軌を逸した狂気の行いではない。
引き寄せは、地道に精神を整え、余計な思考をはぎ取ることで実現するのである。
引き寄せは悟りのミニ版みたいなところがあり、悟りの修行を軽く行うことでうまくいくことが多い。
ラマナ・マハルシが言った「私、私」と心で唱えることをやったが効果が出ないと言う者がいるが、どれだけやったかと聞いたら、一週間で5分やったかどうかという者が多く、それに近いような者ばかりだ。
マハルシは常にやれと言ったのであり、1日24時間は無理としても、せめて1日1時間はやってみるべきだろう。
「神様の奇跡が起こる」と唱えて1億円を2回当てたホームレスも、本当に、起きている間中ずっと唱えていたようだ。

別に凄い努力をしろと言うのではない。
誰でも出来る、どちらかというと簡単で地味なことを、1年365日、欠かさず行うだけのことである。
何事もそうだろう?
私もプログラマーになる時、大した努力はしなかったが、毎日深夜まで自宅のパソコンでプログラミングしたのである。それで、少々頭が悪くても、高い給料が取れるプログラマーになれたのだ。
一緒にしては悪いが、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長だって、若い時、勤めから帰ってから四畳半の部屋に詰め込んだ電子音楽の機器で、毎日長時間、音楽を作ったらしい。それが初音ミクにつながったのだ。つまり、スティーブ・ジョブズも言った「未来の点と結びついた」のである。
私ももっとやっていれば・・・と思うのである。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)ハングリーであれ! 愚かであれ!(スティーブ・ジョブズ講演録)
(2)創作のミライ 「初音ミク」が北海道から生まれたわけ(伊藤博之)
(3)あるがままに 改訂版 ―ラマナ・マハルシの教え―
(4)新装第二版 あなたも金持になれる(ジョセフ・マーフィー)

天使がいる空間
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「天使がいる空間」
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