子供の時に、大人になったらどんな仕事をしたいのかと言われたら、まさに「子供の夢」「幼い夢」であるスポーツ選手、ミュージシャン、画家、漫画家、科学者といったものを上げる子が多いが、実際にそんな職業で食べていくことはほぼ不可能だ。
学校から「真面目に書け」と言われるものは、通信簿や内申書に影響してくるかもしれないから、雰囲気が変わってきて、医者、教師、IT技術者、保育士、ケーキ屋さんなどを上げる場合が多くなるが、問題は、子供達が、それらの仕事が実際はどんなものか全く分かっていないことである(子供でなくても、他の職業について分かる者は実際はいない)。
私は『13歳のハローワーク』で自分の職業であるIT技術者(プログラマー、システムエンジニア)の項目を見たら、「これ、何の仕事?」と思ってしまうほど、自分には全く当てはまっていないし、同業者でもそんな仕事をしている者はいないと思った(「多くない」ではなく「いない」である)。
子供達の人気職業であるユーチューバーは仕事ではなく、真面目な趣味である。それで言えば、ミュージシャンも、スポーツ選手も漫画家も同じである。フリだけなら誰でも出来るが、大真面目な趣味としてやれる人は少ない。

いずれはAIやロボットが働き、人間は働かなくても良くなると言う者がいるが、そんな時代が5年や10年で来ることはないだろう。
技術的に可能かどうかの話ではなく、政治的な問題で不可能なのだ。
また、人間的な問題もある。働かないとまともな大人になれないという問題に触れようとしない者が多過ぎる。
仕事というのは、人間の微妙で繊細な感覚が必要であり、人間が働かなくなることは実際はないと思う。

スポーツ選手やミュージシャンは、なりたくても、ほとんど誰もなれない仕事であるが、実際にこれらの仕事をしている人というのは、実はなりたくてなったわけではない。
それらの仕事で成功した者には、なりたくてなったみたいに言ったり、自分ではそう思っている人もいるが、賢くて正直な人は言うのだ。
「他にやれることがないからやっている」
だが、実のところ、仕事なんて全部そんなものなのだ。

何度か書いたが、ある超一流セールスマンは神様に「今後の人生の責任はあなたに取っていただく。これはという仕事を下さい」と祈ったら、翌日、セールスマンとしてスカウトされたと言う。
もっと端的な例が、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で有名になったセキュリティ・コンサルタントのフランク・アバグネイル(アバネイル)だ。
彼は16歳の時から詐欺師の道に入り大金を稼いだが、別に詐欺を仕事だと思っていたわけではなく、他にやれることがなかったから、ただ一生懸命にやっただけだ。結果、セキュリティ・コンサルタントで大成功したのである。
米津玄師さんだって、バンドを組んでライブハウスで演奏していたことでは同じ人が沢山いたが、DTMに出会って、仙人のようにパソコンで黙々と曲作りをしていた。だが、彼だって働いているという感覚はなかったと思う。
初音ミクのいい曲を作る人が、ほとんど駄目になっていくのも、仕事意識が出てくるからではないかと思う。
まあ、ボカロPで食べていけるのは経営者になった者だけのようで、これは音楽とは違う才能だ。

今、自分に出来ることを、稼ごうだの成功しようなどといったスケベ心を持たず、諦めてやっていたらツキもやって来る。
引きこもりだからゲームをやっているというのも良いのだが、それがモノになった者って、カネがなくて1つのゲームを黙々とやっていた者だ。言い換えれば、諦めてやっていたのである。
人生、諦めが肝心である。
結果的にうまくいった人達って、皆、諦めたのだ。そして、諦めて続けていたのだ。
私だって、プログラミングがそんなに好きなわけではなかったが、諦めてやっているうちはうまくいっていたと思う。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)世界をだました男 Catch Me If You Can(フランク・アバネイル)
(2)老人と海(ヘミングウェイ)
(3)人間失格(太宰治)
(4)こころ(夏目漱石)

与えられた美
AIアート3257
「与えられた美」
Kay

  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ