ノーベル賞発表シーズンだが、今回のように日本人科学者が受賞すると特に感じることがある。
ノーベル化学賞の北河進さんは母校の高校で講演を行ったというが、74歳の彼の学生時代も今も、学校というものはさほどの違いはない。
100年前の人間を、今の銀行や空港に連れて行くと、そこがどこか分からないが、学校に連れていくと、そこが学校だとすぐ分かると言われるほど学校は変わっていない。
アインシュタインはもちろん、16世紀のルネ・デカルトの学校時代の話を読んでも十分にイメージ出来るほどである。

学校で勉強が出来るかどうかは、認めない人が圧倒的多数だが、生まれつきのIQ(知能指数)次第である。
IQが高くても勉強が出来ない子供はいるが、それは単に学校の勉強に興味がないとか、アインシュタインのように学校や教師に反感があるかといった理由があり、そんな子達も、学校の勉強に興味を持てば必ず出来るようになる。
一方で、IQが低い子供は、どれほど励まし、おだて、あるいは強制して勉強をさせても、せいぜい10歳かそこらまでは、それなりに成績優秀になることもあるが、中学以降は平凡かそれ以下になる。
IQがぐっと低い子だと、小学校の時からどうやろうが勉強は出来ない。

有名な科学者になるような人でも、子供の時は勉強が出来なかったという人もいるが、それは例外であるし、上にも取り上げたアインシュタインのように理由があっただけだ。あるいは、「勉強が出来なかった」と言うのが「超優秀と言うほどではなかった」という意味のことも多い。たとえば、普通の中学校で、せいぜい500人中10番だった・・・といったものだ。
「大学時代はぱっとしなかった」と言う場合も、偏差値の高い大学でのことであり、学生としては優秀だったのである。

頭の良い子には、喜んで勉強出来るようにしてやれば良い。
それほどではないが、そこそこの頭の子には、その子が興味あることに絞って勉強させればいいのに、全科目万遍なくやらせて駄目にしてしまうのが学校だ。
頭が悪くて勉強が向いていない子も、何等かの才能があるかもしれないので、最低限必要なこと(小5レベルと思う)だけ習得出来たら、得意なことをやらせればいいのに、学校はむしろそんな才能を潰すことが多い。

私も、頭が良い方でないので勉強は出来なかったが、無駄な学校時代を送ってしまったと思う。
私と同じような者が、二十歳くらいになって「自分は何をすればいいか分からない」と自分探しを始めるが、それが一生続くことが多い。
その原因は、やはり学校にあるのかもしれない。
頭が悪く、出来るはずのない勉強でCランクだのFランクだのと決められて、一生自分を過小評価する者も多い。
それは悲劇か喜劇だ。

定年前に、定年後に稼げるものを探して才能を開花させるという者もいる。
だが、そんな者は、40代から始める場合が多く、せいぜい50代前半といったところで、そのくらいまでなら、ギリギリ間に合う場合もある。
しかし、才能によっては、若い頃から磨かなければ伸びないものもあるし、ほとんどのことは若い方が有利だ。
歳を取ってから始めて成功出来るものは、主に、他の人がやらないユニークな分野であることが多い。

イチローだけでなく成功者は皆言うのだ。
「早く好きなことを見つけて磨け」
まして、ある程度歳を取っていたら、もう猶予はない。
それなのに、大したことも出来ないのに、中年になってグルメになって美味しいものを探すことに時間と金をかけていたら、後で死ぬほど後悔するかもしれない(まともな感覚ならそうなる)。
グルメでなくても、豊かで幸福な将来を希望する中年の男性が「朗読会に入った」なんて話すのを見ると、個人的感覚だが「この馬鹿者」と思うのだ。趣味もいいが、ただの趣味に使う時間とエネルギー(あるいは金)はほんの僅かにすべきだ。
大して金もないのに高い車を買うのも感心しない。
車なんて、小さい中古なら、30万円もあれば、十分に乗れるものが買える。成功者は、成功する前は皆、そうしている。
大切なお金は有効に生かすべきである。

ところで、自分が本当に無駄な若い時代を送ったと理解し、本当に反省した者がタイムリープ(過去の自分に入り込むこと)が出来るのではないかと思う。
そして、タイムリープしても、そう劇的には良くならず、大抵はまた無駄な人生を送るが、少しはマシになるかもしれない。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)方法序説(ルネ・デカルト)
(2)アインシュタイン物語(コンドー。東京図書)
(3)早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか
(4)イーロン・マスク 上(ウォルター・アイザックソン)
(5)言ってはいけない―残酷すぎる真実―(橘玲)
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才気
AIアート2162
「才気」
Kay

  
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