ITスペシャリストが語る芸術

今の日本は、人に優しくない国になってしまったと言う人が、言論人や、野党の政治家によく見られると思う。
たとえば、生活に困窮する人達を支援する制度がない、あるいは、制度があっても利用することが難しい。
何年か前、国会で、野党の国会議員が、当時の岸田総理に「年金が少なくて生活に困窮している高齢者が多い」ことを訴えたところ、岸田総理の回答は簡単に言えば「それは自己責任」だった。
つまり、年金が多くなるよう、あるいは、ちゃんと貯蓄出来るよう、若い時から計画的に努力をしなかった者が悪いということだ。
岸田総理は「努力した者としなかった者が同じというわけにはいかない」と言っていたと思う。
ド正論であり、反論の余地はない。
まあ、正論を振りかざす総理に存在意義はないが。

自助努力をしなかった者にも、生活保護という制度がある。
しかし、これを受給するのが難しいと言うより困難で、また、額も少ない。
よく生活保護は13万円だと言われるが、それはあくまで家賃込みで、可処分所得は最大で７万円くらいだと思う。
持ち家であるとか、誰かと同居していたら基本、生活保護の受給は出来ない。
ただ、生活保護受給者は医療費が無料というのは大きいと思う。
ところが、生活保護申請は出来るだけ断るということになっていると言って良いと思う。

普通の高齢者にも、家は持ち家で、余裕ある年金をもらっている人も多い。
夫と死別した元主婦でも、遺族厚生年金を含め月に25～30万円以上受け取っている女性も少なくないが、別にエリートの夫でも何でもなく、普通のサラリーマンの夫だったという人も多い。
たとえば夫が、日本の経済成長期に大手企業に高卒で入社し、定年まで長く務めたような場合で、そんな人は運が良かっただけである。
また、昔は「手に職があった方が儲かる」とよく言われていたが、今は腕の良い職人でも収入が低い場合が多く、一般人で高収入なのは大企業のサラリーマンや国家公務員だけで、そんな人達には、年金が30万円以上、教師夫婦には合わせて70万円以上という人もザラにいる。
まさに、若い時に、たまたま良い選択をしたということだ。

だが、ほとんど言われないが、重要なこととして、今、大企業に入るには、あるいは、医者や弁護士といった、儲かる場合が多い職業に就くには勉強が出来なければならず、勉強が出来るかどうかは、生まれつきのIQで決まるという事実だ。このことは否定する人が多いが、絶対的事実とすら言って良いと思う。
「成績はIQだけで決まらない」というのが圧倒的意見と感じるが、それはIQ110以上に関しての話であると思う。
確かに、IQ120以上であれば勉強が出来るようになることはさして難しくはないが、IQ110でも、努力すれば、そこそこに勉強は出来る。
だが、IQ90の者が優等生になれることはないと思う。
また、IQ110程度の者がトップの大学に入り、大企業に入ってやっていくには、苦行的努力を必要とし、決して楽しくはないと思う。
上にも述べた通り、昔ならIQが低くても、良い職人として稼げたが、今はそれは難しい。
また、昔は大金を稼げた職人でも、歳を取るまでに浪費して貯金がなくなり、サラリーマンや公務員のように厚生年金がないので年金が少なく生活が苦しいという人も多いようだ。

ところで、有名ユーチューバーが時々言うことで、あまり信用していないが、ひょっとしたら、そういうこともあるかもしれないという、こんな話がある。
IQが高い者ほど結婚、出産をしない傾向が高いというものだ。
考える力があると、今の日本社会では、結婚、出産はリスクが高いことが理解出来てしまい、結婚しないか、結婚しても子供を作らないか、せいぜい１人しか子供を作らないというものだ。
対して、何も考えないIQが低い者ほど、勢いで結婚、出産し、子沢山になることも多い。
それで日本人のIQがどんどん下がっていくのだが、これは日本だけでなく、先進国の特徴になっていると言う。

こんな世界になったのは、資本主義の経済至上主義とそれに伴う合理主義の結果である。
それは、人間に優しい世界ではない。特にIQが低い人間や心優しい人間にとって。
ある程度の無駄や不合理があってこそ人間性が発揮され、それが隠された力を呼び覚ます。
実を言えば、合理主義が過ぎた人間には引き寄せは出来ない。これは確実と思う。
無駄や不合理を、ある程度は大らかに受け入れる人間の時代になるだろう。

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（１）言ってはいけない―残酷すぎる真実―（橘玲）
（２）もっと言ってはいけない（橘玲）
（３）残酷すぎる成功法則（エリック・バーカー）
（４）生きるチカラ（植島啓司）
（５）タイタンの妖女（カート・ヴォネガット・ジュニア）


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「平和な世の中」
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