嬉しくもない大金 : ITスペシャリストが語る芸術

よく引き寄せで、「叶った後のことを考えろ」と言われる。
たとえば、１億円が願望なら、１億円をどう使うつもりなのか考えろといった感じだ。
まあ、それで、自分が１億円の器でないことに気付くという意味では良いと思う。
それで言えば、ほとんどの人間が１億円に相応しくない。
たとえば、私が１億円得てしまったら、困っている人にあげちゃって、その人を駄目にするだろう。
金に困るのは、大抵は本人に原因があるのに、それを解決しないまま金を得てしまうと、ロクなことにはならない。
金だけではない。
オスカー・ワイルドの小説にあるらしいが、イエス・キリストに盲目を治してもらい見えるようになった人、石をぶつけられて殺される刑になるところをイエスに救われた売春婦、死んでいたのをイエスに甦らされたラザロらは、その後、不幸になっていたのだが、「20世紀最大の詩人」と言われたW.B.イェイツは、それを読んで大いに賛同し、戯曲『カルヴァリー』を書いたらしい。

だから、「私は金を賢明に使う」とアファーメーションをすることを勧める引き寄せ指導者もいるが、いくらそんなことを言っても、いざ得てしまうと、そのお金に見合った器がないと馬鹿な使い方をしてしまうものだ。

自分が１億円の器でないことは潜在意識がよく分かっているので、１億円を得るためのメソッドをやると抵抗を感じてしまうのだ。
賢い金持ちは、子供を甘やかさず、アルバイトをどんどんやらせたり、普通に就職させて鍛えてやり、子供が実績を上げて大金を持っても大丈夫な器が出来たことを確認してから金を持たせるものだ。

１億円を得たいなら「１億円の銀行預金がある私」と設定するのではなく、「１億円を持つに相応しい私」「１億円を賢く使える私」に設定した方が良いだろう。
そうすれば、願わずとも１億円はやってくる。
その場合、１億円の器を短期間で作るために、世の中で死ぬほど鍛えられるよう導かれるのかというと、必ずしもそうではない。
そういう場合もあるが、修行の果てに到達する状態・・・つまり、無思考の状態に導かれる。
だが、そうなれば、１億円なんて大して嬉しくはないものだろう。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
（１）人生の扉をひらく「万能の鍵」（ラルフ・ウォルドー・トライン）
（２）「原因」と「結果」の法則（ジェームズ・アレン）
（３）「潜在意識」を変えれば、すべてうまくいく（アレクサンダー・ロイド）
（４）あなたも金持ちになれる（ジョセフ・マーフィー）