音楽、漫画、小説などを、アプリで簡単に作れるようになり、SNS以外にも、作品を発表する特別な場所も増えてきた。
するとどうなるか?
作品の数が桁外れに増えた。
すると、どんな良い作品でも、見つけてもらえない。
そして、作品の値段がどんどん安くなる。
3年程前、落合陽一さんと対談した小室哲哉さんが「1曲3円」みたいな話をしていたが、今はもっと安いだろう。
そうなると、必然的に、作品が短くなる。
それで結局どうなるのかというと、音楽は、頭のせいぜい十数秒、漫画は先頭ページどころか扉絵で選ばれる。
良い作品だって、長いのは駄目だ。他に聴く曲、見る漫画、読む小説が沢山あるので、1つの作品にそんなに時間をかけてもらえない。
これも小室哲哉さんが言っていたが「5分、6分、7分なんて聴いてもらえない。最初の1分半、もしかしたら15秒くらいかな」というのが、本当のように思う。

YouTubeでも、3分で出来る話を30分もかけたり、今はよく見るが、出だしで「マイク入ってるかな・・・」とマイクテストをやったり、チャットコメントを見て「あら〇〇さんこんにちは」と、スター気取りでだらだら時間を浪費したり、下らない挨拶が5秒も続くようなものは、誰も見なくなるだろう。

こういったこと(出だしが勝負。内容は簡潔に)は、昔もなかったわけではないが、テクノロジーの進歩と共に重要度が爆上がりしている。
広告というのは、従来から、最初の最初が肝心で、最初にばっと面白いキャッチコピーをぶちかましたり、衝撃的な映像を入れないといけない。
昔の丸善石油の有名なCMで、いきなり美人モデルのスカートが下からの突風でまくれ上がるという、ある意味クレバーだがモラルのないものが、伝説として残るほどだ。まあ、当時はモラルはほぼ無視されてCMは成功したのだと思う。
モラルと言えば、今の多くの新人漫画家は、「出だし」「短い」が重要なことだけは理解し、いかに刺激的なエロ画を描けるかで勝負しているようで、内容のレベルは低下する一方だ。

そして、実を言うと、上で述べたことを全部ひっくり返すが、出だしと簡潔さに重きを置いた作品は、これまで以上に、今後はもっと駄目だ。
そもそもが、まず、ミュージシャン、漫画家、小説家などになることは諦めた方が良い。
ベテランの人気声優、緒方恵美(おがためぐみ)さんが、「どうやったら声優になれますか?」の質問に「なれません」と即答していたのをよく
憶えている。
声優もミュージシャンも漫画家も、なろうとしてなれるものではない。
いや、プログラマーのような一般職だって同じになるかもしれない。
これは、AIが人間の仕事を奪うからという理由もあるが、AIに仕事を奪われる人は、そもそもがその仕事に就くべきではなかったのだ。
プログラミングが少々うまいプログラマーなんて、昔から薄給だった。
活躍出来るプログラマーというのは、数学が無茶苦茶出来るとか、あるいは、無茶苦茶いい人で面倒見が良いとかいった、人間としての特徴がある人だ。
最も駄目なのが、お勉強しか出来ませんという人だ。勉強が出来る人は履いて捨てるほどいるのに、特筆すべき特徴がなければ、そりゃAIの方がずっといい。
小室哲哉さんにしろ、緒方恵美さんにしろ、音楽家や声優としては同レベルとかそれ以上の人はいくらでもいると思う。しかし、彼らにはとんでもないほどの特徴があったから成功したのだと思う。
竹村健一さんなどは、「僕は英語で世に出たが、僕の英語なんて素人に毛が生えた程度ですよ」というように、少しの実力と大きな特徴で成功した極端な例だろう。

大きな特徴を作るのは、何の利益にもならないと思っても、やりたいことを徹底的にやることだろう。
それが、人に馬鹿にされるようなことだったり、全く評価されないことだったり、さらには、嫌われるようなことであっても。
「評価されなくていい。いや、評価されてはならない」
「嫌われていい。いや、嫌われないといけない」
「売れなくていい。いや、売れてたまるか」
岡本太郎が、簡潔に言ってくれている。
ただ、この真逆をやりたがる、真逆しかやりたくない人だらけなのである。
案外に成功は容易いかもしれない。
思考を消しさえすれば、自然にそうなる。
つまり、やはり、思考を消すことが最重要であると思う。
あえて付け加えれば、大きな特徴があっても、そこそこの実力は必要だ。小室哲哉レベルとは言わないが、小室哲哉に少しは対抗出来る程度には。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)今日の芸術(岡本太郎)
(2)岡本太郎の遊ぶ心(岡本敏子)
(3)新釈 荘子 (PHP文庫)
(4)ヤオイズム(矢追純一)

空と瞳
AIアート1985
「空と瞳」
Kay

  
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