北野武さんや前田日明さんらが「俺の年金は月6万円」と言ったのは、それが注目を集めるからだし、なぜ注目を集めるのかというと、彼らが、これまで高額納税してきたことと、今でも一線で活躍しているからだ。
かつては華やかだったスポーツ選手や芸能人でも、多くは、今では誰にも知られず貧乏暮らしをしている人が多い。現役時代は高収入でも、会社員や公務員のように厚生年金に入っていなかったので、やはり年金は少なく、また、高額だった収入を使ってしまった人が多いからだ。
しかも、ほとんどの元スターは、歳を取ってしまえばただの人・・・いや、社会常識を身に付けてこなかったので、ただの人以下ということも多いようだ。そして、若い時でないと通用しないスポーツや芸以外の能力を磨いていない場合がほとんどだ。

手塚治虫さんの本で読んだことがあるが、漫画家のパーティーに手塚治虫さんが行くと、かつての売れっ子漫画家が、一着しかない外出着でせいぜい着飾って出席する様を寂しそうに書いていた。

引き寄せなんてものは、若い時は、健康や冒険的な楽しい体験のために行い、歳を取ってから、いよいよ本格的にやれば良いと思うのだが、昔の栄光がある人は、その記憶が引き寄せの邪魔になるように思われる。

10年前(2015年)まで現役だった人気プロレスラーの天龍源一郎さんは、年金が月に10万円だと言っていたことがある。これは意外に多い額だ。
彼は10年ほど全日本プロレスにいたのだが、全日本プロレスでは、社長であったジャイアント馬場さんの配慮で、選手の厚生年金を収めていたらしい。その10年ほどの厚生年金の加入による厚生年金がプラスされたのだろうが、別に全日本プロレスの社員だったわけではないと思うので、高収入であったはずのギャランティも、年金には反映されていないかもしれない。まあ、10年ほどの話でもあるし。
それでも、ジャイアント馬場さんの心遣いは素晴らしいと思うし、馬場さんは頭の良い人だと思う。

中学や高校で、年金の教育をすべきだという話があるが、「そんな若い時から、サラリーマンや公務員になるような小さくまとまった人間にするのはいかがなものか」と考える人もいると思う。しかし、現実には、ほとんどの人がサラリーマンや公務員になるのだし、今の没落した日本では、サラリーマンや公務員は勝ち組であるとも言われる。
サラリーマンの生活が豊かだった1980年代あたりの本に、こんな感じのことが書かれていた。
「俺は27歳だが、いまだアルバイト生活をしている。サラリーマンをしている友人達が死んだ魚のような目をしているのと違い、身体を使って汗を流し、意義が直接目に見える仕事をするのは楽しい。汗を流して心地良く疲労した後で飲むビールの味は最高だ」
と、人間らしい充実感を謳っている。
そして、こんな者に「馬鹿野郎!将来のことを考えろ」と、少しは言う者はいるが、本気で心配して怒ってやる者は滅多にいない。
その者が、その後もそんな生活を続けていたら、今頃、貯金もなく、少ない年金で悲惨な老後を送っている可能性が高い。

『アリとキリギリス』の話だって、厚生年金に入っているアリと入っていないアリでは全く違うのである(笑)。
「厚生年金なんかなくたって、たっぷりの財産を作ればいい」なんて思っている若い人は多いだろうが、そんなもの(たっぷりの財産)、滅多なことでは出来やしないって(笑)。
私が子供の時、外車に乗り派手な生活をしていた職人や優秀なフリーランサーだった友達のお父さんが、後にはかなり可哀そうな生活をしているのを時々見た。ほとんど、大企業のサラリーマンや公務員しか豊かになれない今の時代もどうかなと思うが、年金と言うよりは、中学、高校の時に、しっかり社会というものを教える必要はあるだろう。表向きのことしか分からない職業体験とかではなくね。
もちろん、学校の先生が教えられるようなことではないので、プロを先生として呼ぶ必要があるが、小学校から高校までは、学校は、教員以外が教壇に立つことを極端に嫌う。

若いうちからしっかり稼ぎ、ある程度の貯金をし、厚生年金とは限らなくても、国民年金基金や個人年金に入って、ある程度の年金の目安をつけておけば、若いうちから将来の不安をなくすことも出来ると思う。
私も、個人年金や積み立て型生命保険には入っている。
引き寄せは、切羽詰まっていると、なかなかうまくいかないが、駄目元で気楽にやればうまくいき易いというところはあると思う。
ある成功した占い師は、若い時、師匠に「駄目だったら、一緒に町の手相見をやろう」と言われたらしい。
また、ある成功した事業家は、創業した時に、年長の相棒に「駄目だったら、一緒に屋台のラーメン屋をやってやる」と言われ、ある程度気楽にやったらしい。
このように、引き寄せや願望の達成というのは、「なってよし、ならなくてよし」という鷹揚さ(ゆったりしていること)が必要と思う。
そのために、よほど肝が据わっている人はともかく、凡人は、貯金と年金は、ある程度確保しておくと良いと思う。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)基礎からわかる完全メソッド 百発百中 手相術(西谷泰人)
(2)図解 いちばん親切な年金の本 25-26年版
(3)森永卓郎流「生き抜く技術」 (森永卓郎)
(4)あなたも金持ちになれる(ジョセフ・マーフィー)
(5)マスターの教え(ジョン・マクドナルド)
(6)斎藤一人の絶対成功する千回の法則(斎藤一人)

花と浴衣
AIアート1928
「花と浴衣」
Kay

  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ