引き寄せに限らないが、高次の力を使える者の特徴ははっきりしている。しかし、それを分かっている人は少ない。
その特徴とは、その力の指導者を完全に信奉(信じて尊ぶ)していることで、はっきり言えば、「教祖に洗脳されている」ことだ。
これは本当に間違いない。
その教えの内容が正しいとか高度であるとかは関係ない。
ロンダ・バーンを本当に信奉しているなら引き寄せが出来るし、バシャールを信奉しているなら、バシャールが言うようなことが出来る。
ただし、単に「ザ・シークレット」を有り難がっているだけで、ロンダ・バーンも、その教えもそれほど信奉していないなら、惨めなほど引き寄せは出来ない。
邪な宗教では、信者は恐怖や歪んだ洗脳で敬虔な信者を演じているだけで、本当に教祖を信奉しているわけではないので、信者達は無力である。

このことによって、引き寄せが出来ない理由が明確になる。
私の場合は、引き寄せはジョセフ・マーフィーで始めたが、実のところ、最初の頃は、かなりマーフィーを信奉していたが、常に疑いがあり、ある時期からは疑いがかなり大きくなった。マーフィーの本の中に多くの矛盾を発見したし、「愛を実践せよ」とか「実現を信じて疑うな」というのは最初から無理な話であった。
ロンダ・バーン自体は、それなりに一貫性があるように見えるが、『ザ・シークレット』の方は、個人的には矛盾だらけ、欠陥だらけに思えた。
それに、ロンダ・バーンの雰囲気は、個人的には信用に値する人物に思えなかった。

ましてや、新興のユニークさが売りの引き寄せの指導者達は、もう怪し過ぎて(笑)話にならない。「和の成功法則」だの「量子力学で引き寄せる」みたいなものだ。

ところが、私は、法然や親鸞には完全に洗脳されてしまった。
ただし、仏教や、浄土宗、浄土真宗といった仏教宗派に洗脳されたわけでは全くない。
仏教全体は、あまりに統一性がない。キリスト教であれば旧約と新約の聖書があるだけだが、仏教には無数の教典があり、それらの内容があまりにかけ離れている。だから、「仏教を信仰している」という言い方は実際には成立せず、「法華経を信仰している」「法句経を信仰している」といったように言うしかないと思う。浄土真宗の檀家だからといっても、浄土真宗を信仰しているというのとは全く別の話と言って良いと思う。

いわば私は、法然・親鸞教を信仰していると言える。
法然と親鸞の教えは違うと言う人もいるだろうし、私も両者の差異は知っているが、根本は同じと思う。
ましてや、法然は浄土宗で親鸞は浄土真宗であるといったことは全く問題にならない。
正直、浄土宗や浄土真宗には全く興味がない。
また、私が、法然の教えの全て、親鸞の教えの全てを知っているわけではない。
法然に関しては、『選択本願念仏集』と『一枚起請文』だけ。
親鸞に関しては、弟子の唯円が書いた『歎異抄』と『現世利益和讃』だけで、親鸞の代表作の『教行信証』は読んでもいない。
そして、正直言うと、『選択本願念仏集』となると、内容にかなりの無理も感じている。それでも、この本の根本思想は素晴らしく、私は、この本の内容の欠点を知りつつも目をつぶることが出来る。

そして、念仏が論理的、科学的に正しいことは個人的な理論構築によって理解しているのであり、正直、宗教やお坊様の念仏の教えは全く信じていない。
大数学者の岡潔が念仏を唱えていたのも、宗教を信仰していたからではなく、弁栄(べんねい)上人(山崎弁栄)という傑出した思想家・宗教家を信仰していたのであり、また、自分なりに理論を構築して納得していたからであると思う。いわば、岡潔も弁栄上人に洗脳されていたのである。それは良い洗脳である。
尚、私も弁栄上人の本は読んだが、私には合わないようだった。

イーロン・マスクは少年時代に『銀河ヒッチハイク・ガイド』を通して著者のダグラス・アダムスに洗脳されたと言えると思う。
彼は、イエス・キリストにも、ある程度洗脳されたのだと思う。
ビッグ・テックの創業者達も、SF好きが多いらしいが、それぞれに、特別にお気に入りのSF作家に洗脳されたということはあると思う。

大雑把には、私は『歎異抄』に洗脳されているのだが、別に、『歎異抄』の一字一句を絶対肯定しているというのではない。
『歎異抄』の中に、思想的感情的に大いに共感する部分があるというだけのことだ。
一休が、親鸞のことを指し「この男は信用出来る」と言ったらしいが、私もそんな感じである。

本当に洗脳されてしまうと、念仏を唱えると良いことしか起こらない。
皆、何か良いもの、本当に優れたものに洗脳されるべきで、何に洗脳されるかは自分で選ぶべきである。
しょーもないものに、ぬるま湯的に中途半端に洗脳されるのが最も不幸である。たとえば東大卒業者は偉いといったような。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)新版 歎異抄 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
(2)選択本願念仏集 法然の教え (角川ソフィア文庫)
(3)銀河ヒッチハイク・ガイド(ダグラス・アダムス)
(4)新約聖書 福音書 (岩波文庫)

水遊び
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「水遊び」
Kay

  
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