念仏と言えば、葬式仏教臭いイメージが強く、あまり頭の良い人には縁がないと思う人が多いかもしれない。
念仏の教えが書かれた2大書物と言えば、法然の『選択本願念仏集』と、唯円が親鸞の教えを綴った『歎異抄』と言って良いと思う。
このうち、法然の『選択本願念仏集』は、やや長く、内容も読み難いが、『歎異抄』は短く、現代語訳は平易である。

『歎異抄』については、司馬遼太郎が、「無人島に1冊持っていくとしたら歎異抄」と言ったことが知られていると思う。
また、西田哲学という言葉が広く知られ、日本3大哲学者の1人と言われる哲学者の西田幾太郎(1870~1945)は、

哲学者の西田幾多郎は空襲の火災を前に、
ほかの書物が燃え尽くしても「歎異抄」だけ残ればいい
と言い切った。

と日経新聞の記事に書かれていたようだ(日本仏教学院サイトより)。
さらに、同じく日本3大哲学者と言われる三木清は、「出征(戦争に行くこと)の際、1冊だけ本を持っていくとしたらどの本」とのアンケートに『歎異抄』と解答したらしい。
そして、やはり日本3大哲学者の1人である田辺元も、『歎異抄』を絶賛し褒め称えている。

『歎異抄』ではないが、世界トップクラスの数学者であった岡潔は、山崎弁栄 (やまざきべんねい)という浄土宗の僧の影響と思うが、毎日念仏を唱えていたことが知られている。

私は、ひろさちやさんの『歎異抄の読み方』という古い本で『歎異抄』に出会った。
本分の内容はあまり憶えていないが、この本の巻末に『歎異抄』の現代語訳を付けてくれていたので、それを読んで衝撃を受けた・・・というほどではなかったが、非常に気に入ったのを憶えている。それほどの衝撃を受けなかったのは、私の理解力が足りなかったからだろう。
だが、『歎異抄』は、このように、本の巻末にちょろっと付けるほどの短いもので、美文と言われるが、現代語訳も難しくない平易な文章なのだと思う。

個人的には、『歎異抄』の他には、念仏を唱えるモチベーションになると思われるのは、
『選択本願念仏集』(法然)
『現世利益和讃』(親鸞)全15歌
『死者の書』(折口信夫)
で、また、中将姫の物語を読むと良いと思う(『死者の書』も実質は中将姫の物語である)。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)新版 歎異抄 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
(2)選択本願念仏集 法然の教え (角川ソフィア文庫)
(3)三帖和讃(現代語版) ※親鸞の『現世利益和讃』収録
(4)死者の書(折口信夫)
(5)仏教説話1: 中将姫 (温古堂文庫)

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