誰だったか忘れたが、ある偉人は、子供の時に、家に本は聖書しかなかったので、それを繰り返し読むことで知恵を得ることが出来たと語っていた。
正規の精神医学の教育を受けていないながら「魔法を使って治している」とまで言われた天才的な精神科医のミルトン・エリクソンは、育った農場の家には聖書と辞書しかなかったが、彼は辞書の方を選んで繰り返し読んだのだが、それが非常に良かったと述べている。
藤子不二雄の時代の漫画家が子供の時は、手に入る漫画本や漫画雑誌が極めて限られ、同じ漫画を何十回何百回と繰り返し読むしかなかったが、それがかえって良かったと言う話もある。
昔の将棋名人にも、やはり同じ将棋の本をボロボロになるまで読んだという話がある。
これらに類似の話は、他にも沢山ある。

以前も書いたことがあるが、世界屈指の教育企業のマネージャーに聞いたが、ある極めて優秀な東大生に、東大に入るにはどうしたら良いか聞いたら、その東大生は、
「簡単ですよ。参考書1冊、丸暗記すればいいんです。どれでも同じですから」
と言ったそうだ。
同じ本を繰り返し読む中で、より理解が深まると共に、いろいろな情報が引き寄せられるのであると私は思った。

今のように、いくらでも本が手に入ることは、もちろん良いことであるが、上の人達のような読み方をする機会がなくなったのは実は大きな損失であると思う。
南方熊楠となると、若い頃は、本を買うことが出来なかったので、本屋や図書館に行って本を読みながら憶え、家に帰ってから記憶している本の内容を紙に書くことで見事に複製したという。そうやって記憶力を高めると共に、読み方の真剣さが違うので、理解力も高まったのだと思う。
彼は、海外留学した際も、ずっと同じことを続けたという。

引き寄せでも、何十冊もの引き寄せの本を読みながらうまくいかないという人が多いのだと思う。
しかし、最初に手に入った本を愚直に徹底的に読んだ人は、それが少々怪しい本であっても、うまくいっているものである。
私も、子供の時、気に入ったからという理由であったが、『幻魔大戦』(平井和正原作、石ノ森章太郎漫画)や、『デスハンター』(平井和正原作、桑田次郎漫画)を、ずっと繰り返し読んでいた。まあ、偉人達に比べると大した数ではなかったが、それでも、何かの霊的な力が少し身に付いたのを感じた。
ちょっと心を入れ替えて、1冊の本を丸暗記するまで読もうと思う。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)私の声はあなたとともに ~ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー~
(2)退屈力(齋藤孝)
(3)南方熊楠 日本人の可能性の極限 (中公新書)
(4)幻魔大戦(1)(平井和正。石ノ森章太郎)
(5)デスハンター(1)(平井和正。桑田次郎)

具象以前
AIアート1661
「具象以前」
Kay

  
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