昔、大島弓子さんの漫画で見たのだと思うが、子育てをした女性が、「本当の忍耐は子育てをしないと持てないと思うの」と言う場面があり、漫画の出来が良かったこともあって、私は洗脳されてしまった。
しかし、言うまでもなく、子育てをしても忍耐強くない女性もいれば、子育てをしなくても忍耐強い女性もいる。
英文学者で政治家の田嶋陽子さんが、誰かの研究を引用し、家事を年収換算すれば1千万円以上になると、よく言っていたと思う。
おそらく、田島さんは、女性の地位向上や、女性が虐げられていることを訴える効果的な策がなかなか無い中で、それなりの肩書きのある人物のそんな報告を見て、それに飛びついたのだと思う。
世間の人間が、ものの価値をお金に換算すると納得し易いというのは間違いなく、それで彼女も妙策だと思ったのだろうが、軽率なことだと思う。
実際、田島さんのその主張に賛同した人は、女性ですら、ほとんどいないと思う。
なぜ賛同しないのかというと、別に家事の大変さを軽視するというのではないし、また、その金額換算がおかしいという話ではなく、単に、「そんな主張をしても、何の問題解決にもならない」からである。
実際、家事の対価は1千万円以上ということ自体は、そこそこ信じてしまった人も多いと思う。
じゃあ、実際に家事の対価が1千万円以上かどうかになると、判定は論理的に不可能である。
無理に判定したとしても、それは法律の解釈のごとく、おそろしく抽象的で曖昧になるだろう。
昔、ラーメン屋の18歳以上の女性店員募集に書かれた給与が、自分より高かったという話を書いていた中年の中学教師がいたが、その頃は良い教師が多かったかもしれない。
今の教師は、一般サラリーマンと比べれば、はるかに高収入である。
知っておくべきは、仕事も子育ても家事も含め、人間というものは、自分がやっていることは大変で苦労が大きく、他人がやっていることは簡単で楽と思うものであるということだ。
SNSでも、自分の仕事がいかに重労働で、厳しく、難しいものかを延々語る者がよくいるだろう。これは、技術者、医者、店員、肉体労働者等、職業の種類を問わない。
早い話が、それは、愚かな・・・とまでは言わないが、未熟で幼稚な精神性を示している。
そんな人間が、最も厳しい仕事をしながら、自分の仕事の困難さを全く言わないトランプ大統領を見下す発言をすることも多いのだが、それは愚かであると思う。
私は、自分の仕事は楽ちんだといつも言うので、「楽な仕事でいいですね。私は大変ですよ」と言われることも多いが、その者に対しては、まあ、もうちょっと進歩すれば良いなあと思う。
自分がやっていることが大変だと思わないこと。
人がやっていることを楽だと思わないこと。
これは道徳論ではなく、引き寄せでも重要である。
なぜなら、幸運だとかチャンスとかは、人を介して来る場合が多いからである。
自分は苦しい、他人は楽と思っていると、そんなプラスの流れが途切れてしまうのだ。
投資家で運に関する有名な著書もあるマックス・ギュンターは、だから人との交流に積極的であれと書いているが、それよりも大切なことは、人の苦労を自分と同等以上と認めることだ。でないと、本当の交流にはならないと思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)運とつきあう(マックス・ギュンター)
(2)向上心(サミュエル・スマイルズ著。竹内均訳)
(3)私はできる(B・スイートランド)

AIアート1625
「見習い天使」
Kay
しかし、言うまでもなく、子育てをしても忍耐強くない女性もいれば、子育てをしなくても忍耐強い女性もいる。
英文学者で政治家の田嶋陽子さんが、誰かの研究を引用し、家事を年収換算すれば1千万円以上になると、よく言っていたと思う。
おそらく、田島さんは、女性の地位向上や、女性が虐げられていることを訴える効果的な策がなかなか無い中で、それなりの肩書きのある人物のそんな報告を見て、それに飛びついたのだと思う。
世間の人間が、ものの価値をお金に換算すると納得し易いというのは間違いなく、それで彼女も妙策だと思ったのだろうが、軽率なことだと思う。
実際、田島さんのその主張に賛同した人は、女性ですら、ほとんどいないと思う。
なぜ賛同しないのかというと、別に家事の大変さを軽視するというのではないし、また、その金額換算がおかしいという話ではなく、単に、「そんな主張をしても、何の問題解決にもならない」からである。
実際、家事の対価は1千万円以上ということ自体は、そこそこ信じてしまった人も多いと思う。
じゃあ、実際に家事の対価が1千万円以上かどうかになると、判定は論理的に不可能である。
無理に判定したとしても、それは法律の解釈のごとく、おそろしく抽象的で曖昧になるだろう。
昔、ラーメン屋の18歳以上の女性店員募集に書かれた給与が、自分より高かったという話を書いていた中年の中学教師がいたが、その頃は良い教師が多かったかもしれない。
今の教師は、一般サラリーマンと比べれば、はるかに高収入である。
知っておくべきは、仕事も子育ても家事も含め、人間というものは、自分がやっていることは大変で苦労が大きく、他人がやっていることは簡単で楽と思うものであるということだ。
SNSでも、自分の仕事がいかに重労働で、厳しく、難しいものかを延々語る者がよくいるだろう。これは、技術者、医者、店員、肉体労働者等、職業の種類を問わない。
早い話が、それは、愚かな・・・とまでは言わないが、未熟で幼稚な精神性を示している。
そんな人間が、最も厳しい仕事をしながら、自分の仕事の困難さを全く言わないトランプ大統領を見下す発言をすることも多いのだが、それは愚かであると思う。
私は、自分の仕事は楽ちんだといつも言うので、「楽な仕事でいいですね。私は大変ですよ」と言われることも多いが、その者に対しては、まあ、もうちょっと進歩すれば良いなあと思う。
自分がやっていることが大変だと思わないこと。
人がやっていることを楽だと思わないこと。
これは道徳論ではなく、引き寄せでも重要である。
なぜなら、幸運だとかチャンスとかは、人を介して来る場合が多いからである。
自分は苦しい、他人は楽と思っていると、そんなプラスの流れが途切れてしまうのだ。
投資家で運に関する有名な著書もあるマックス・ギュンターは、だから人との交流に積極的であれと書いているが、それよりも大切なことは、人の苦労を自分と同等以上と認めることだ。でないと、本当の交流にはならないと思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)運とつきあう(マックス・ギュンター)
(2)向上心(サミュエル・スマイルズ著。竹内均訳)
(3)私はできる(B・スイートランド)

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そう言ってしまった瞬間に対価を寄越せって話になってしまうから
本来尊かったものが価値を失ってしまう
それだけの無償の愛を家族に与えているという話だったら美しいのに