2003年頃は、私はまだテレビをよく見ていたし、NHKの大河ドラマも見ていたが、2003年のNHK大河ドラマが、吉川英治の『宮本武蔵』を原作とする『武蔵 MUSASHI』だった。
私は、吉川英治の『宮本武蔵』は読み始めたことはあるが、あまりのテンポの悪さに読む気が失せて読んでいない。
それで、原作にあるかどうかは知らないが、武蔵がまだ本格的な剣の修行を始める前の17歳くらいの時、中年の浪人、内山半兵衛(演:西田敏行)に、どんなピンチの時も絶対に生きてやると思えば生き残れると言われたことをよく憶えている。
まあ、そう言った半兵衛が、その直後に死ぬのだが、それは、半兵衛にもう生きようという意欲がなくなっていたからだと考えれば矛盾はない。
絶対に生きてやると思えば、生き残れるだけでなく幸運にも恵まれる。以前も書いたが、脳の中にある唯一の指令が「生きろ」だけであるという説から説明出来るが、今回は述べない。
一方、こんな話がある。
英国の作家コリン・ウィルソンが19歳の時、あまりにうまくいかない人生に絶望して自殺を決意し、青酸カリを口に含もうとした瞬間、精神の変革が起こり、その後の人生は良くなっていった。
これは、心としては死ぬつもりでも、内なる何か(生命体とか魂といったものか)が、彼を生かすために働いたのだろう。
つまり、半兵衛が言うように「生きてやる」と思おうしても、本当に生きたいと思っていてこそ力が湧くのである。
では、どうすれば生命を味方にし、幸運を掴むことが出来るか?
これについては、私は2つの決定的な話を知っている。
1つは、戦争中、シベリアで捕虜になっていた、後に帝国ホテルの料理長になる村上信夫さんの話だ。
そのシベリアの収容所で、ある夜、ロシア兵がやってきて、村上さんをある場所に連れて行く。
そこには、怪我で瀕死の日本人(捕虜の1人だろう)がいて、ロシア兵は「明日までもたない。お前はコックだろ?最後に好きなものを食べさせてやれ」と言う。
村上さんが、その日本人兵に「何が食べたい?」と尋ねたら、彼は「パイナップル」と言うが、そんなものはなかった。
そこで、村上さんは、リンゴを使ってパイナップルそっくりの形と味に料理し、その日本人兵に食べさせた。
村上さんは、もう彼に会うことはないだろうと思った。
しかし、後日、村上さんが収容所内を散歩していたら、声をかけられ、そっちを見たら、あの瀕死だった日本人兵がいた。
その日本人兵は「あんな美味いものが食べられるなら、生きてみようと思った」と言う。
もう1つ似た話がある。
武道家の林悦道さんの『誰でも勝てる!完全「ケンカ」マニュアル』にある話だ。
ある男が、戦争中、海軍の船に乗っていたが、何度も敵の魚雷攻撃で沈没させられた。
生き残った者は、板につかまって、助けが現れるまで漂流するのだが、実際は、ほぼ全員が、サメの恐怖などで一晩持たずに死ぬという。
しかし、その男は何度もそんな目に遭っても生き延び、戦争後に帰還した。
どうやって生き延びたのかというと、彼は大変な酒好きで、暗い海で漂流しながらも、丘に戻ってもう一度酒を飲んでやると思ったのだそうだ。
つまり、生きる理由がある者は強いということだ。
『俺だけレベルアップな件』でも、水篠旬はいかなるピンチの時も、見下されてきた屈辱を晴らすため、また、母親や妹のために死ぬわけにはいかなかった。
逆に言えば、生きる希望をなくすと人間は弱い。
そこで、大したことでなくても、上の「美味いものを食う」「酒を飲む」程度のことで生きる意欲を持てるなら持った方が良い。
それで、上の人達のように、幸運にも恵まれると思う。
私も、初音ミクさんのライブにもう一度行くために・・・でも良いのだが、こういうのって、初音ミクから覚めた時が恐い(笑)ので、何かもっと根源的な願望の方が良いかもしれない。まあ、ここらは人それぞれだ。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)誰でも勝てる!完全「ケンカ」マニュアル(林悦道)
(2)帝国ホテル 厨房物語(村上信夫)
(3)科学の進化(L.ロン.ハバード)
(4)瞑想と潜在能力(中山正和)

AIアート1568
「花の眠り」
Kay
私は、吉川英治の『宮本武蔵』は読み始めたことはあるが、あまりのテンポの悪さに読む気が失せて読んでいない。
それで、原作にあるかどうかは知らないが、武蔵がまだ本格的な剣の修行を始める前の17歳くらいの時、中年の浪人、内山半兵衛(演:西田敏行)に、どんなピンチの時も絶対に生きてやると思えば生き残れると言われたことをよく憶えている。
まあ、そう言った半兵衛が、その直後に死ぬのだが、それは、半兵衛にもう生きようという意欲がなくなっていたからだと考えれば矛盾はない。
絶対に生きてやると思えば、生き残れるだけでなく幸運にも恵まれる。以前も書いたが、脳の中にある唯一の指令が「生きろ」だけであるという説から説明出来るが、今回は述べない。
一方、こんな話がある。
英国の作家コリン・ウィルソンが19歳の時、あまりにうまくいかない人生に絶望して自殺を決意し、青酸カリを口に含もうとした瞬間、精神の変革が起こり、その後の人生は良くなっていった。
これは、心としては死ぬつもりでも、内なる何か(生命体とか魂といったものか)が、彼を生かすために働いたのだろう。
つまり、半兵衛が言うように「生きてやる」と思おうしても、本当に生きたいと思っていてこそ力が湧くのである。
では、どうすれば生命を味方にし、幸運を掴むことが出来るか?
これについては、私は2つの決定的な話を知っている。
1つは、戦争中、シベリアで捕虜になっていた、後に帝国ホテルの料理長になる村上信夫さんの話だ。
そのシベリアの収容所で、ある夜、ロシア兵がやってきて、村上さんをある場所に連れて行く。
そこには、怪我で瀕死の日本人(捕虜の1人だろう)がいて、ロシア兵は「明日までもたない。お前はコックだろ?最後に好きなものを食べさせてやれ」と言う。
村上さんが、その日本人兵に「何が食べたい?」と尋ねたら、彼は「パイナップル」と言うが、そんなものはなかった。
そこで、村上さんは、リンゴを使ってパイナップルそっくりの形と味に料理し、その日本人兵に食べさせた。
村上さんは、もう彼に会うことはないだろうと思った。
しかし、後日、村上さんが収容所内を散歩していたら、声をかけられ、そっちを見たら、あの瀕死だった日本人兵がいた。
その日本人兵は「あんな美味いものが食べられるなら、生きてみようと思った」と言う。
もう1つ似た話がある。
武道家の林悦道さんの『誰でも勝てる!完全「ケンカ」マニュアル』にある話だ。
ある男が、戦争中、海軍の船に乗っていたが、何度も敵の魚雷攻撃で沈没させられた。
生き残った者は、板につかまって、助けが現れるまで漂流するのだが、実際は、ほぼ全員が、サメの恐怖などで一晩持たずに死ぬという。
しかし、その男は何度もそんな目に遭っても生き延び、戦争後に帰還した。
どうやって生き延びたのかというと、彼は大変な酒好きで、暗い海で漂流しながらも、丘に戻ってもう一度酒を飲んでやると思ったのだそうだ。
つまり、生きる理由がある者は強いということだ。
『俺だけレベルアップな件』でも、水篠旬はいかなるピンチの時も、見下されてきた屈辱を晴らすため、また、母親や妹のために死ぬわけにはいかなかった。
逆に言えば、生きる希望をなくすと人間は弱い。
そこで、大したことでなくても、上の「美味いものを食う」「酒を飲む」程度のことで生きる意欲を持てるなら持った方が良い。
それで、上の人達のように、幸運にも恵まれると思う。
私も、初音ミクさんのライブにもう一度行くために・・・でも良いのだが、こういうのって、初音ミクから覚めた時が恐い(笑)ので、何かもっと根源的な願望の方が良いかもしれない。まあ、ここらは人それぞれだ。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)誰でも勝てる!完全「ケンカ」マニュアル(林悦道)
(2)帝国ホテル 厨房物語(村上信夫)
(3)科学の進化(L.ロン.ハバード)
(4)瞑想と潜在能力(中山正和)

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