「神童の悲劇」と言うより「神童の喜劇」というものがある。
身近にそんな人がいたか、自分がそうだという人も珍しくはないと思う。
小学生の時は(古い言い方だが)「末は博士か大臣か」と言われるほど勉強が出来たのに、中学校に入るくらいから急速に学力が落ちる子だ。
その原因は、大きくは2つ考えられる。
1つは、生まれつきIQが高い賢い子は、小学校の勉強なら努力しなくても出来るのだが、中学校からの勉強は、IQ130以上といった特別に賢い子でもない限り、努力を必要とする。しかし、小学校で努力せずに勉強が出来、怠け癖がついていて努力をしたくないので、中学からどんどん成績が下がっていくというものだ。
もう1つは、こちらが正しいと思うが、小学生の時に、知育教育のようなものを受けた子の場合だ。
知育教育(英才教育)を受けると、子供は脳の成長が早まり、生まれつきのIQが100程度の平凡な子でも、IQ120とか130には、割と簡単になる。
それで、小学校では勉強が出来るのだが、中学生くらいになると脳の成長が止まってきて、他の子達に追いつかれてしまい、生まれつきの平凡なIQに戻る。
そんな子は、小学校の時は努力しなくても勉強が出来たのに、中学校くらいからは、勉強が難しく感じ、自信を失ってしまい悪い方向に行ってしまう。

生まれつきのIQが高い子は、中学生や高校生になってもIQは高く、勉強とか他の子をなめず(馬鹿にせず)、真面目にやっていれば、勉強は出来る。
しかし、小学生の時、知育教育で脳の成長が早まってIQが高くなっただけの子は、中学や高校では元のIQに戻ってしまう。
私は、そんな「元神童」を沢山知っているが、大人(中学生以上を指す)になってからの彼らは本当に凡人だ。
ただ、知育教育で神童になるのは、平均以上(IQ100以上)の子で、生まれつきIQが低い子には知育教育の効果はあまりないと思う。

ところで、有名な脳力開発の専門家のウィン・ウェイガー博士などが、「大人になっても頭が良くなる」として、そのためのいろいろなメソッドを教えているが、これは効果はあるのだが、脳の中には、それで発達する部分と発達しない部分があるのだと思う。
大人になってから頭を磨き、賢くなった人もいくらか知っているが、彼らには、どこか歪(いびつ)さを感じる。
1人の人間の中に、賢さと馬鹿さが混在している・・・ある面では賢いが、ある面では馬鹿といった感じで、だからこそ、賢い部分と馬鹿な部分が目立ち、興味深い人間だと感じることも多い。
生まれつきの頭が悪くても、努力すれば頭を良くすることが出来る。こちらは、知育教育の場合と違い、いつまでも賢くなる。ただし、やはり脳の一部においてだ。
生まれつきの頭が境界知能(IQ71~84)でも、大人になってから努力し、一面ではIQ130とか140以上になり、優秀な面を見せる一方、境界知能の特徴もしっかり残っている・・・これって有名人にもよくあると思う。
そんな人達は、努力する習慣があることで成功し、有名になったのだが、そんな人達は、お馬鹿な部分も好感を持ってもらえる場合が多い。
一方で、成功したことで自惚れ、自分の馬鹿な部分を自覚せず、嫌われたり、自分の馬鹿な部分に注意せず転落することも多い。
勝手な推測を言えば、宮崎駿なんて、そんな典型と思う。
彼が非常に優秀であることは誰でも知っているが、馬鹿な面が多過ぎると思うのである。
彼が幸運なのは、鈴木敏夫という、本当に賢い片腕がいたことで、鈴木がいなければ宮崎はロクでもない者になっていたと確信する。もちろん、単なる個人的推測である。

また、高度な知性の持ち主と認められているが、馬鹿な部分もあった人として、渡部昇一がいたと思う。
彼は、生まれつきの自分の頭は中の上と述べていた。
彼も、努力で頭を良くしたが、馬鹿な部分も明らかにあったと思う。
その馬鹿な部分があったおかげで、他力の有難さを知っていて、ジョセフ・マーフィーを日本に紹介したのかもしれない。

面白い例がある。
Aは、生まれつきの頭は境界知能(IQ71~84)だが、漫画か何かの影響で瞑想をしていたら、IQ110くらいになってしまい、大人になってからも努力を続け、IQ130~140以上になった。
Bは、生まれつきの頭は、IQ115くらいでそこそこ良く、知育教育によって、小学生時代は神童だったが、中学以降は凡人になった。しかも、怠け癖がついたせいで、努力をせず、駄目人間になった。
Bは、地頭は悪くないのでプログラミングが出来るようになったが、努力嫌いなのでプロになるほどではなかった。
一方、Aは努力する習慣があったし、IQも引き上げていたので、優秀なプログラマーになった。
大人になってからも、瞑想というか、呼吸法を真面目にやれば、一部かもしれないが、頭が良くなり、道が開けると思う。単に頭が良くなるだけでなく、引き寄せの力も大きくなると思う。ただし、自分に馬鹿な部分もあると自覚することを忘れてはならない。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)頭には、この刺激がズバリ効く! (ウィン・ウェイガー)
(2)知的生活の方法(渡部昇一)
(3)マーフィー成功の法則100(渡部昇一)
(4)左脳さん、右脳さん。(ネドじゅん)
(5)新釈 荘子 (PHP文庫)
(6)ナ・ダーム ~あなたの中の不思議な力~

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