日本の法律では、解雇(クビにすること)というのは難しいらしい。
そこで、社員を解雇したい会社は「追い出し部屋」というものを考案した。
ご存じの方も多いと思うが、だいたいこんな感じと思う。
解雇したい社員を、ある部署に異動させる。この部署の中身が「追い出し部屋」である。
その部署では、たとえば、これまでスーツを着て仕事をしていた40代や50代の社員に作業服を着せ、1日中荷物運びをさせる。
そんなことをさせられる社員は、肉体的な辛さだけでなく、屈辱を感じて精神的に耐えられなくなり、自主的に辞めるという仕組みである。
こういったことを、あまり過激にやっては、訴えられたら裁判で会社が負ける危険があるので、ほどよい具合にやる必要がある。
他にも、どう考えても意味のない仕事とか、プライドが傷付くような仕事をやらせるなど、いろんなパターンがあり、新しい妙手も募集中というわけだろう(笑)。
これに対し、どんなに辛くても家族のために耐える姿がなかなか美しい。

私の知り合いの社長の会社員時代の話が、なかなか面白かった。
彼は、上司の近くの席で、1日中、新聞を読まされたと言う。
朝10時から夕方5時まで、一言も話すことなく、ひたすら新聞を読まないといけない。
上司が見ているので、サボることは出来ない。
それでちゃんと給料がもらえるのだから、今の時代なら、羨ましいと思う者すらいるかもしれないが、当然、大変な苦痛で、誰でもすぐに根を上げるだろう。
彼は、しばらくは耐えたが、やがて退職し、それで事業を起こし成功したのだ。

私の場合も面白かった。
部署の100名ほどの主任以下の社員全員に、この部署に残るか、別の部署に「行っても良い」かのアンケートが行われた。
その部署に不満を持っている者をターゲットにした、割と善良(?)なやり方だ。
私は、気紛れで「行っても良い」を選んだが、それを選んだのは私一人で、めでたく私が追い出し部屋に行くこととなった(笑)。
ただ、ブラック企業ではなかったので、虐待じみたことはなく、ちょっと憂鬱・・・程度で数か月過ごしたら、スカウトが来て好条件で転職した。まあ、引き寄せたのだが。
逆境を乗り越えるコツは、昔から言われる通り、前向きな気分でいることで、腐らず、泣き言を言わず、不満を持たず、なるべくひょうひょうと過ごすことだろう。
しかし、精神が鍛えられていない者には、それは難しい。
そして、精神が鍛えられておらず、心が弱いのに、切羽詰まった状況にある者が多くなってきた。
そんな者が宗教に走るんだろと思う。
実際、「辛いからお祈りしています」と言った人も知っている。
それはそれで間違いじゃない。しかし、問題は祈り方だ。
毎日欠かさず、長時間祈らないからうまくいかない。

私の場合、当時ハマっていた、荘子流の「なりゆきにまかせる」でうまくいったが、『荘子』を10回くらい読んでいないと難しい。
そこで、時間があったら、ひたすらネドじゅんさんの「エレベーター呼吸」や、私が好きな「ナ・ダーム呼吸」をやって、左脳を眠らせてしまうと良いと思う。
「ナ・ダーム呼吸」は、『ナ・ダーム』という本に書かれていたオリジナルではなく、この本の翻訳者の川口正吉さんの発案で、「ナ」と心で唱えながら吸い、「ダーム」と唱えながら長く吐くというものだ。川口正吉さんは、私が惚れ込んでいる翻訳者である。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)左脳さん、右脳さん。(ネドじゅん)
(2)新釈 荘子 (PHP文庫)
(3)ナ・ダーム ~あなたの中の不思議な力~
(4)死ぬ瞬間 ~死にゆく人々との対話~(エリザベス・キューブラー・ロス著、川口正吉訳)

お嫁に行くには早過ぎる
AIアート1565
「お嫁に行くには早過ぎる」
Kay

  
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