引き寄せ書の著者達は、自分が、事業や研究で大成功した人であるとか、ベストセラーを連発しているといった箔が付いた実績を上げたがるが、人々は必ずしも、そんなことをしたいとは思っていない。
そこで、2ちゃんねる掲示板などで、本当かどうかは分からないながら、普通の人が引き寄せを成功させた体験とその方法を書いたものが地味に人気があるが、実際、内容を見ると、なかなか素晴らしいものもある。
2ちゃんねるに書かれたものが本当かどうか分からないと書いたが、それは引き寄せ書の著者の実績にしたって同じで、後で嘘がバレたり、盛り過ぎていたということもよくあると思う。

引き寄せの目的が何らかの成功とすれば、昔、ある大物事業家がブログに良いことを書いていた。
その大物事業家が誰かはほとんど明らかだが、本人が匿名で書いていたのだから、一応名を伏せる。
その人は引きこもりで、大きな会社の社長や会長になっても会社にあまり出社せず、自宅でネットやゲームをしていると言うが、彼が、
「運だけで成功した経営者(自分のこと)より、引きこもりが社会の最底辺にでも参加出来ることの方が、よほどの快挙」
みたいなことを書いていた。
早い話が、引きこもりで、ずっとニートをしているはずが、小さな会社で安月給でもいいから勤めるようになれば大成功と言いたいのだと思う。
この事業家は引き寄せとは全く無縁な人であり、彼の言うことも正しい面もあると思う。
それに、彼は、自分の事業が引きこもりを加速させたことを後悔していることもあったと思う(その事業とはニコニコ動画のこと)。
しかし、普通の人は、嫌な労働、会社から自由になりたいのである。
それで、働かずに、そこそこ豊かな生活をするというのが夢なのだろうと思う。
あるいは、働いても良いが、好きな仕事をしたり、会社勤めでも、良い立場で楽しく過ごせれば良いのだと思う。
まあ、嫌な仕事、辛い仕事も、良い思い出になるし、そんな仕事を通じてしか分からないことも多いのだが、メンタルを病むほど苦しいのも問題である。

昔、オリンピックのマラソンで銅メダルを取った女子選手が「自分を褒めてあげたい」と言って話題になったが、別にオリンピックでメダルを取るようなことをしなければ自分を褒められないわけではない。
そして、自分を褒めてやりたいというか、「俺もよくやった」と心から思えなければ、自分を認めることが出来ないし、自己重要感、承認欲求の満足も得られないのである。
それはどんな実績でも構わないのだが、労働かどうかはともかく、他者から評価される社会活動をしない限りは得られない。
たとえば、ボランティアでは、必ずしもしっかりとした自己評価、自己満足は得られない。
やはり、仕事や、創作活動などで、必ずしも世間の人気を集める必要はないが、高い評価を得なければならないと思う。
もちろん、経済的自立も不可欠だ。

学校やテレビが教える方法では、こういったことが不可能な場合が多い。それで世の中が乱れている。
そんな時に役に立つのが本物の引き寄せであるのだと思う。
引き寄せは、どんな立場の人でも、バランスの取れた幸福を得るためのものであると思う。
本当に必要なら、お金はいくらでも出来るが、必要もないお金は不要だ。とはいえ、お金の不安があるのは問題である。
引き寄せの根本には、バランス感覚というか、やはり常識が必要なのである。
常識のない人間が「こうなりたい」「こんなものが欲しい」と言うのは、滑稽なことが多い。
常識がある人間は、そこそこ楽に、学生やサラリーマンが務まる。だから、学校や会社は修行になる。
思想家の吉本隆明さんが「学校には理不尽なこともあるが、社会の理不尽はそれどころではない。だから、学校や教師は反面教師として学ぶことで少し耐性をつけておくと良い」みたいなことを本に書いていたが、これも当たり前のことだろう。
それで、私は、嫌なことからは逃れられないだろうが、少しは楽になる方法も説明しているのである。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)ニコニコ哲学 ~川上量生の胸のうち~(川上量生)
(2)タフティ・ザ・プリーステス(ヴァジム・ゼランド)
(3)ヤオイズム(矢追純一)
(4)新釈 荘子 (PHP文庫)
(5)人を動かす(D・カーネギー)
(6)ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ~(吉本隆明)

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