私が人類最高の重要人物の1人だと思っている、アメリカの精神科医だったミルトン・エリクソンの父親(以下、「父エリクソン」)は16歳で家出をし、一文無しで田舎道を歩いていた。
そう聞くと、さぞ心細かったと思うだろうが、そうでもなかったようなのだ。
すると、父エリクソンの前を、彼の未来の妻の父親が乗った牛車が通りかかり、父エリクソンは彼に「働き者の若者を雇わないか?」と声をかけ、その牛車に乗って、その時13歳だった未来の妻がいる家に行き、到着後間もなく彼女にプロポーズじみたことをした。
まるで運命に導かれているようであったが、実際そうなのだと思う。
私も、このような状況はよく分かるのだ。
私は道によく迷うのだが(笑)、重要な約束やコンサートの開始時刻が迫っているのに、目的地が全く分からなかったり、あるいは、車に乗っていて道路が渋滞してしまって、間に合いそうにないという記憶が沢山ある。
しかし、時刻に遅れたことは一度もない。
これも引き寄せの一種なのだが、なぜ、そんな引き寄せが起こるのかというと、自分がやっていることに気付いているからだ。

父エリクソンが1人で田舎道を歩いていた時、自分が家を出て来て、住む場所や仕事を必要としていることに気付いていたのだ。
私の場合、私は時間を守る意識が強いので、時間通りに目的地に着こうとしていることに気付いていたのである。
だが、ほとんどの人は、自分が今、何をしているかに気付いていない。言い換えると、意識していない。
流されるように学校や会社に向かい、ロボットのように動き、反応するだけだ。
しかし、日常とは異なる状況になると、気付きのスイッチが入り、自分が今、何をしているのかを意識するのである。
そんな時が魔法使いモード、あるいは、宇宙人モードである。言い換えれば、引き寄せモードである。

ほとんどの人は、「今何してる?」と尋ねられたら、「会社に勤めている」とか「教師をしている」などと言うだろう。
別に、仕事を聞いたわけではないのに。
もっと親切な質問は「今この瞬間、何している?」だが、こんな質問をする人はいない。
今この瞬間に気付いているのが天使であり、進化した宇宙人で、気付いていないのがロボット人間だ。
ロボット人間に引き寄せは出来ない。
気が付いたら、「私は今、何をしているのか?」と思うと良い。
この「今」は「今この瞬間」という意味である。
そうすると、気付きのスイッチが入り、意識がぱっと変わる。
それは魔法使いモードで引き寄せモードなので無敵である。
父エリクソンモードとも言えるだろう。

アメリカの神秘思想家ヴァーノン・ハワードや、最近ではヴァジム・ゼランドが『タフティ・ザ・プリーステス』に、このことを書いているが、理解出来る人は少ないと思う。
だが、本当は非常に簡単で、単に、正常な子供の意識状態なのだ(最近は異常な子供が多いが)。
あるいは、『マスターの教え』で、マスターが初めて入る飲食店でも極めて丁重に扱われ、領収証にイニシャルを書くだけでお金を渡す必要がないのも、マスターがいつも、そんな意識状態だからだ。
私も、親を連れて行く病院で、いつもはぞんざいに扱われていたのが、その意識状態でいたら、打って変わって丁重に扱われた。
これに関しては、上に書いた『タフティ・ザ・プリーステス』にも、そうなることが書かれている。
正しい「今今メソッド」は、このように、自分が今何をしているかに気付くことであると思う。
もっと正確には、「今この時」に気付くことであるが、そのためには「私は今何をしている?」「私は今、どんな状態か?」と尋ねると良いと思う。

まあ、こういったことも、究極の真言を唱えていれば自然に導かれる。
父エリクソンも、田舎道を歩いていた時、「私はなるようになるだろう」「私は常に生成する者である」と唱えていたようなものなのだ。
父エリクソンは、それを天然でやっていただけだ。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)タフティ・ザ・プリーステス(ヴァジム・ゼランド)
(2)私の声はあなたとともに ~ミルトン エリクソンのいやしのストーリー~
(3)なぜあなたは我慢するのか(ヴァーノン・ハワード)
(4)マスターの教え(ジョン・マクドナルド)

魔法の館
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「魔法の館」
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