嫌な現実に対し、現実逃避をすれば、嫌な現実はますます怪物化する。
現実逃避をすると、実際は、嫌な現実をずっと意識することになるからだ。
つまり、必死で無視しているつもりでも、実際は、気になって仕方がないのである。
気にしている限り、嫌な現実はどこまでも執拗に追って来る。

たとえば、友達にお金を借りているのに、現実逃避して返さないでいると、友達が催促してこなくても、心の中では罪の意識を感じている。
心にそんな毒を持っていたら、何をやってもうまくいかない。幸運に恵まれるためには、心の風通しの良さとか、心の見晴らしの良さというものが必要だからだ。
そんな時は、こうする。
「俺があいつに金を借りているというのは、俺のでっち上げの空想、つまり、妄想ではないのか?」と、「軽く」疑うのだ。
軽く疑っているだけなので、現実逃避はしない。借金していることは、しっかり認めている。
そうすると、その友人の危機を救うようなことになって、「いや、あの金はもう返さなくていいよ」と言われるようなことが起こるかもしれない。
あるいは、凄く傲慢な人間がいて、嫌な目に遭わされている時は、
「こんな傲慢な人間がいるなどというのは、私の妄想ではないだろうか?」
と「軽く」疑うのだ。
すると、その人間は、その傲慢さのために、何かで酷い目に遭い、すっかりうちひしがれて気が弱くなり、傲慢でなくなるようなことになるかもしれない。
あるいは、その傲慢な人間が、本当にいなくなって目にすることもなくなるかもしれない。

親しいはずの人・・・たとえば恋人が冷たいと感じる時は、恋人が冷たいことは事実として認めつつ、
「彼(彼女)が冷たいのは、私の思い過ごしではないだろうか?」
と「軽く」疑う。
すると、恋人が冷たくなった原因が解決したり、実は、その恋人がロクでもない者であったことが明らかになって、思い残すことなく別れることが出来る。
だが、現実逃避して、恋人が冷たいことから目を逸らしていたら、間違いなく、とても辛い形で終局を迎えるだろう。

軽く、ソフトタッチで疑えば、全て良くなるだろう。
いかなる場合も、ソフトタッチ(穏やかであること)が成功の鍵である。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)方法序説(デカルト著。谷川多佳子訳)
(2)新装版 眠りながら成功する(ジョセフ・マーフィー)
(3)ゲーテ詩集(ゲーテ著。高橋健二訳)
(4)タゴール詩集(タゴール著。山室静訳)
(5)イェイツ詩集(対訳) (イェイツ 著。高松雄一編集・訳)

温かい家
AIアート1283
「温かい家」
Kay

  
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